恵まれた環境にあれば完全なヒトとなり得るか 前編

ただそこまでの可能性があるならもういっそ小五郎には話すが蘭には何も言わずに済ませるでいいのではないか・・・というようにセフィロスもそんな蘭の厄介さを感じつつ安全策についてを口にしたのだが、優作達はもし仮に奇跡的に新一が元に戻れた場合に自分達が新一に取る処置の事があるから、新一が元に戻れない時の事もあるから例え難しかろうが話をしなければならない・・・そう言ったことから話をすることにしたのである。





「・・・取り敢えずここでする話は終わりにしよう。気は重いが早く毛利さんの所に行って話をしないと何故新一は帰らないんだと騒ぎになる可能性が高くなっていくからね」
「えぇ、気は重いけれど早く行かないとね・・・」
そんな優作だが頭を軽く横に振った後で早く行こうと切り出して、有希子もまた同意しつつ共に玄関の元に歩き出し、セフィロスと阿笠はその後に付いていく。と言っても阿笠は非常に重い空気を滲ませながらでだ。


















・・・そうして四人はすぐに小五郎の元を訪れ、ちょうど学校が終わって帰ってきた蘭にも話をすることにしたのだが・・・最初辺りはやはりというか信じられないといった様子で二人はいた。この辺りはやはり新一が体を小さくされたことなどそう簡単に受け入れられるはずがないというのがむしろ当然だ。

しかしそれを見越していたとばかりに阿笠がポケットから取り出したのはレコーダーで、そこから先程の会話を丸々と再生していった・・・これは流石にいくら親交がある優作達の言葉であってもすんなりと受け入れられる筈がないという考えから、引かないと選択したならあらかじめ話し合いの際から録音しておいたレコーダーで二人にそれらが嘘ではないという唯一無二の証拠を突き付ける為であった。

そしてそれは効果覿面で二人はレコーダーからの音声を聞いていく内に唖然といった様子になっていき、次第に否定を返せないといったような様子になっていった。






「・・・ほ、本当にあのボウズが本当に新一だったなんて・・・」
「どうして・・・新一・・・」
・・・場所は住んでいる場は狭いからと小五郎の探偵事務所を使うことになり、事務所を閉めた後で毛利側と工藤側で対面に座り、セフィロスが一人用のソファーに座る形で三角形の形で対峙していた。
そんな中でレコーダーからの声が終わった所で、小五郎と蘭の二人は下を向いて信じられないといった様子になる中で優作が複雑そうに口を開く。
「・・・すみませんでした。私達が海外で暮らすことを選ばなければこんなことにならなかったと思うと、本当に私達が間違っていたという以外にありません・・・」
「本当にごめんなさい、二人とも・・・セフィロスから話を聞いてなかったら私達は考えが変わってなかったと思うのと、そもそもこうして日本に帰るって風になってなかったかもしれないと思うと、今も二人は新ちゃんに騙されたままだったと考えると申し訳無いわ・・・」
「そしてワシがそもそも勢いに任せて新一をここにいさせるようにとしたのが間違いだったと思ったし、優作君達が帰ってくるまでこのまま新一が元に戻るまでサポートするのがいいと信じて疑わず、そして何も言わずにいたこと・・・本当にすまなかった・・・」
「「っ・・・」」
そして優作が謝って頭を下げていくのに倣い有希子も阿笠も後に続く形で深く頭を下げ、小五郎と蘭はその姿に何とも言いがたそうな表情を浮かばせるしかなかった・・・何も言われず騙される形で新一に入り込まれていたという事は確かに気持ちよくはなかったが、こうして阿笠も含めて真剣に謝罪された事にどう反応していいのかというよう。









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