恵まれた環境にあれば完全なヒトとなり得るか 前編

「ただ流石にそういった処置を取ることに関しては、二人の手前もあってどうかという話になった。だからお前が素直に引いて二人の下に行くというなら条件は色々とはつくが、それでも人目を避けるような生活まではいかないようにとはする予定ではいたが・・・ハッキリお前が引かないと言うなら今言ったようにしようとなったんだ。そのままお前を自由にさせるべきではないとな」
「た、試したってのか・・・二人は俺を・・・!?」
だがそこで否定したならというように話すセフィロスに、新一は優作達に批難するような声と目を向けるが一層に二人は悲し気な様子を浮かばせる。
「・・・試すなんて酷いというような響きだが、自分で考えて自分がどれだけ酷いかというのもだが、どれだけ自分勝手なのかということは感じていないのか?自分の為に人を利用し、黙らせて自分が満足すれば謝って済ませようとする・・・私達がそうお前に思わせるように育ててしまったし、そんなお前の考え方を促進させるように離れて暮らしたんだろうと言われることを承知で言わせてもらうが、やっていることに言っていることはバレなきゃ問題ではないであったり、バレても自分はこうしたいで押し通ろうであるとか謝るで済ませようとする・・・お前はそんなつもりはないのだろうが、それらは小さな子どもが現実逃避やら意地を張るやら我を通そうといった行動をよりタチを悪くスケールアップした物としか私は思えなかった」
「っ!?」
それで優作がいかに自分から見たら新一の行動は見えるのかと苦く語る中身に、新一は衝撃に息を詰まらせた。小さな子どもをスケールアップさせたと見られていることもだが、そんなことを自分がしていると言われたことに。
「・・・私はこの人のように理屈で言うのは難しいけれど、ここで新ちゃんがどういった答えを返すかを確かめないといけないと思ったから試すことについてを受け入れたの。博士の言葉からどうにかその男の人達を捕まえて元に戻るまでその活動を止めるつもりはなさそうだっていうのは聞いていたけど、それでも私達も帰るんだし色々と言えば新ちゃんも分かってくれるんじゃないのかなって・・・でもそうして新ちゃんが出した答えは私達がいるのに私達を頼らず、小五郎ちゃん達をずっと騙し続けるって物だった・・・そう聞いて新ちゃんを試すことは間違いじゃなかったって思った以上に、私達が自由にさせてきたから新ちゃんをこうさせてしまったんだって思って悲しくなったの・・・こうして話を聞かされても自分がそうしたいからで小五郎ちゃん達を利用するからとか謝って済ませようとしたことに・・・」
「っ!?」
だが続いて有希子が胸元に手を置きながらいかに自分が新一の決断を聞いて、悲しみに満ちた気持ちになったのか・・・それらを悲痛に表情を歪めながら語っていく様に、新一は苦痛そうに表情を歪めてしまった。自分の決断が母を悲しませてしまったことがありありと理解させられたために。
「・・・衝撃を受けているところにすまないが、そうして試すと決めたからこそ二人にはもしお前が拒否を返した場合はお前を連れていくことについてを了承してもらっている。だからこの後すぐにお前はここを出てもらって身柄を引き渡すようにする。ただ今更大人しくするからそんなこと止めてくれと意見を翻しても、お前の性格からその場しのぎでやり過ごそうとするだけだろうと想像がつくから受け入れんがな」
「そ・・・そんな・・・」
そんな様子にセフィロスがもう判断は覆りようはないと話していくのだが、有希子からの話で衝撃が引いてないままに新一は抗議も出来ず愕然とするしかなかった。もうどうしようもないという事実を前にして・・・










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