・・・そうして服部と和葉の二人は新一達と距離が開いたのである。ただ一応というか新一も蘭もそんな行動に批難の声を向けたのだが、服部達はこの問題が解決しないならどちらかに来られても迷惑だし巻き込むなというように言って済ませた。ここで優しくしても何の意味もないと見てだ。

そしてそれから服部達の元に行くことも連絡することも互いに和解出来なかったことからなくなった新一達は、ここで服部達が駄目ならと遠くの友達や知り合いを頼る形で新一と蘭は個々に連絡していくのだが・・・そのことごとくで関わる気はないと言われるのであった。

蘭に関しては近くの友達の時と同じような形であったが、新一はそれに加えて軒並み知り合いが年齢が上の相手ということに加えて、立場的に出世して簡単に動けない状態になっていたのも大きかった・・・これは新一の付き合い的に能力が優れている面々ばかりと知り合い縁が出来るのだが、そんな能力の優れた面々だからこそ新一と知り合った頃より上の地位についていた。

だからそういった面々は話を聞いて自身の立場が変わったことだったり歳を重ねたことで体力的に新一の問題に付き合えないと断ったのだが・・・それらのほとんどの割合が下手に後でどうにかと食い下がられないようにとするための建前の理由付けであった。恭弥や服部達とのやり取りを聞いたこともあって、この問題に関わることは良くないし簡単に解決が出来ないことも目に見えたからと。

だから基本的に今の新一と蘭は近くの友達もそうだが、いざとなったら頼れると見ていた知り合い達も軒並み全滅したこともあって、仲のいい人間など周りにいないも同然となっているのである。






『貴方が場にいれば今まで貴方を放っておいた時間なんか関係無いとばかりに、貴方に仲介だったり同居だったりと二人にとって都合がいいことを言い出す可能性が高いわ。何だかんだで貴方は自分達の子どもなんだし言うことを聞くようにとね』
「その時にどのように言われようが僕はあの人達の言うことを聞き入れるつもりはありませんけれどね。仲介しろと言われても結果として二人が言うことを聞くなんて有り得ないのは目に見えていますし、同居なんて今更僕がしたくないというのもありますが僕がいるならで父さんが嬉々として探偵稼業を続ける事を選び、母さんは母さんで僕が仕事で忙しい事になんか目を向けず早く家に帰ってこいと言ってくると思いますから」
『新一君からすれば蘭を任せることが出来て、蘭からすれば寂しさをまぎらわせたり不満をぶつけたりする事が出来る相手と見るからというのは私にも分かる・・・だからこそその時に貴方が場にいるのは良くない事になるでしょうし、優作さん達と違ってあの二人は今の状態が続いたらろくな事にならないでしょうからね』
英理はそこから新一達が恭弥を頼るというか都合のいいような存在として見てくる可能性を潰すためにもと言いつつ、優作達の事を挙げる。新一達は二人とは違うことになるだろうと。






・・・前に英理に散々言われた上で日本から離れた優作達であるが、それでも日本に帰ってくる回数自体は減ったが帰ってくる時は帰ってきていた。と言っても散々に英理に言われたことから英理や恭弥への顔合わせはあまりしてこず、工藤の家にも滞在といったことは新一の存在がなく蘭だけが家にいることがほとんどということから、日本にいる間はホテルに滞在する事がほとんどだった。

そんな蘭との時間を避けているかのような行動を取っていた優作達だったが、英理がもう弁護士を引退するという事を蘭から聞かされた二人は日本に帰国してその労を労うという形で久しぶりに時間を取って話し合った結果として・・・優作達は向こうに骨を埋める事にして、工藤の家や土地にある程度の金はもう生前贈与という形で新一達へ相続することにしたと聞かされたのである。









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