こだわり変えられない物に囚われ、様々な物がこぼれ落ちていく

そういった気持ちを徐々に抱きつつ度々訪れる新一達と交流していくのだが、そんな気持ちを更に加速させた出来事が何なのかと言えば恭弥に対する態度であった。恭弥が産まれてからしばらく安定するまでは蘭が大阪に来るのは流石に自重したのだが、安定してからは恭弥も大阪にちょこちょこと連れてきたりしていたが小学生にもなる頃には恭弥を英理に預けた状態で来ることが増えたのだ・・・これに関しては新一達が英理に預けても大丈夫と考えたからというのもあるが、恭弥自身が一緒に行くのを嫌がったからでもあった。基本的に一緒にいるとトラブルが起きやすい新一との外出はこの頃から避けたいと恭弥が思っていたことに加え、頻繁な遠出を新一達の都合で行われる事がストレスに繋がったからである。

だから恭弥を連れずに大阪に行く事が増えたのであり、服部達はそこまでしてこっちに来ないでもいいと思うようになったのであるが・・・そこで恭弥が中学に上がってからの生活の仕方を取ることにしたと聞いた時には、流石にやりすぎだろうと服部も和葉も二人に言ったものだった。そこで新一が自分がやれたことだし恭弥ならしっかりしているから大丈夫と言ったことにより、一気に不信感は加速していった。服部の両親達からも流石にあかんやろとそれまでは息子達の付き合いだからと何も言わなかったのに、もうここまで来たら言わねばならないと新一達に口出しした姿を見たのもあってだ。

そんな両親達とも後に話をした結果として自分達のヘソが曲がって面倒だから来る回数を無くすとまでは言わずとも減らすようにさせろと、自分達の悪評を気にしないからといったような理由付けにしていいからとの言葉をもらった服部達は申し訳無いと謝りつつその旨を新一達に伝えて、大阪に来ることは仕事なら止めないが家に来るのもだが予定が合わないなら外でも会えないというようにだ・・・この辺りはもう服部達もいい大人になって新一のかつての暮らしぶりも含めて、普通では有り得てはならない物だと自分達の子どもの事を見たが故の成長の賜物であった。だからこそ両親達の気持ちを受け取り、少し新一達との距離を取ろうと考えたのである。もうかつてのままの新一達に付き合う気になれなくなってきたからと。

そうした服部達の行動により新一達も流石に自重というか大阪に来ても服部達に会おうとすることは減ったのだが、それでもそういったことが無くなった訳ではないのだが・・・そうこうしている内に時間が過ぎていって、服部達との仲が決定的に悪くなる出来事が起きた。それが蘭が今の生活に耐えられなくて離れていった事だ。

服部達が事の経緯についてを聞いたのは英理の家から工藤の家に移された蘭が、酷くないかと和葉に愚痴混じりに連絡してきた事からなのだが・・・和葉は今更そんなことを言うのかと他のことも含めて色々言っていったらしく、服部もその時の話を聞いて和葉に大いに同意した。蘭も蘭で今更そんなことを言い出し家を出るというような子どもみたいな甘えの行動を取ったのもそうだが、新一も新一で恭弥に頼み込み不満を持って自分の元を飛び出した蘭を自分の元に戻すために動いてほしいと頼み込んだというのだから。

ただそれで話を聞いて大人しくする服部ではなくそこから新一に電話をして話をしていくのだが・・・そこでいい加減に落ち着くとか活動の仕方を変えるようにという服部の言葉に、お前は俺の気持ちは分かるだろうとか俺が探偵を続けなくてどうするといった自己弁護の言葉ばかりだったことから、勢いも乗る形でちゃんと蘭と和解出来るまで俺にも和葉にも連絡するなと言って電話を切ったのである。そしてそれから蘭にも和葉に頼んで新一とちゃんと和解が出来るまで一人で自分達の元に来るなと伝えさせて、和葉もそれを了承したのだ・・・もうこの問題ではどちらかの味方をするのは二人共におかしいと思った上で、単純にこれからの人生を友達として付き合っていける気がしなくなったからと。









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