こだわり変えられない物に囚われ、様々な物がこぼれ落ちていく

「貴方が何で間違ってるのかと僕に聞いたのかに関しては大方の予想はつくよ。と言っても自分が間違ってたかどうかを自分で判断したくないから、僕から客観的な視点でどうなのかについてを言葉にされたかったからだろうとね・・・ただそれは言ってみるなら自分の間違いを自分で認めたくないという甘えだ。今までの活動を自分で間違いだなんて断定はしたくないという、一種の自己防衛の逃げでしかないよ」
「!!」
だが恭弥はそんな新一へ容赦なくそもそも何でこう聞いてきたのかを推測した言葉を吐いていき、新一はたまらずに歯を噛み締め顔色を青くしながら視線を下に向けた・・・新一としてはある程度は言われる事は覚悟はしていたが、ここまで言われるとは思っていなかった為に。
「・・・まぁ貴方は貴方で色々言ったがこの問題に関して貴方だけでなく、母さんにも責任があったからだと僕は思っているよ」
「・・・え?」
そんな新一だったが恭弥が呆れを伴わせた声で漏らした言葉に理解出来ないというように顔を上げた。何故蘭にも責任があるのかというよう。
「何でという様子だが、母さんは母さんで貴方にどうにかしてほしいと訴えかけるだけで状況打開の為に何もしなかったという事だよ。初めて仕事ばかりの貴方の元から母さんが離れてからおばあ様に話を聞くまで、付いては離れてを繰り返すというような形で落ち着いてたようだが、それは言ってみれば気が済むまで貴方について我慢が出来なくなれば離れるというようにやるだけで、貴方との事に関してをどうするかという根本的な解決についてを考えていなかったんだ。貴方の事が好きな気持ち自体は揺るいでいなかったからそれらについてをどうにかすることの解決を先送りか、もしくは後回しにする形でね」
「っ・・・先送りも後回しも同じような意味にしか感じないけれど、どっちにしても俺が好きだからで蘭はそうしてたっていうのか・・・」
「その辺りでくっついては離れてを繰り返す形になってその度に揉めたりしてたようだけど、何だかんだで母さんとしては本当に貴方に行動を改善してほしいと思う部分もあると同時に、そういった時間を楽しむは言い過ぎにしてもある程度は慣れていった部分もあったからそんな行動を取ってたんだと僕は思うよ。貴方は貴方で変わらないけれどだからこそそんな貴方を好きになったのだから、不満を持つ部分は確かにありつつも同時にある程度は仕方無いというようにね・・・まぁと言っても不満が割合として大きかったから度々貴方の元から離れていた上で、貴方との事を本当の意味でどうするかを考えてなかったからこそが今の結果だよ。多少悔いだとかが残ったとしても貴方の事について何らかの割り切る為の解決策を取ろうといった事を考えず、時間ばかりを費やしておばあ様に言われてようやく今が続けば自分達はどうなるのかという事を理解するというね」
「っ!」
そのままいかに蘭にも問題があったのか・・・それらを話していく恭弥に新一は何かを言いたそうにしていたが、結局はまた息と言葉を詰まらせた。不満もあったが好意もあったからこそ蘭が今まで動いてきたが、だからこそ今の状況にあることや蘭には責任はないと否定出来ず。
「ショックを受けている所だろうけれど、この問題は昔の事を掘り返してどちらに責任があるかどうかじゃない。貴方と母さんがこれからどうするかだ。ただそれでどうするかに関して、どちらも納得するかどちらかが苦心するかはたまたどちらも苦心するかどうかは分からないけれどね」
「ど、どっちかが苦心するかもだがどっちもって・・・」
「貴方がどうしようとしているか考えているかはさておきとして、仮に今までのような活動の仕方を続けようと強行するなら確実に母さんが苦しむだけだよ。そして更に仮に貴方がそういった結論を出したとして母さんがそんなこと許せないと貴方に暴力を振るって、貴方が長期間入院することになった上で母さんが警察に捕まるような事になればどちらも苦心する以外にないという訳さ」
「ぅっ・・・!」
しかしそこで責任はどちらにもあるのではなく重要なのはこれからの事と言う恭弥だが、選んだ選択次第で訪れかねない未来がいかなことになるのか・・・そのまずい可能性を告げられ新一は辛そうに声を詰まらせてしまった。空手を止めてから大分時間が経って歳を取ったが、昔の癖からもしもの時に手が出てしまい大事になる可能性は決して否定出来ないと感じて。









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