こだわり変えられない物に囚われ、様々な物がこぼれ落ちていく

・・・そういったように今となっては蘭は旧友は園子を除いて軒並み全滅という形で交流を無くし、園子も園子で蘭を刺激しすぎない程度に距離を取っている。だから蘭は趣味はもとよりではあるが友達も無くなったような状態なのだが、そういったことを園子から聞いても自業自得というようにしか恭弥も英理も思わなかった。今になってそういった事になっているのはろくな考えもなく動いてきて、そのまま普通に照らし合わせて動く事が出来なくなった結果だろうと。

ただそういった蘭に新一の事を知った上でどうにかならないかと声を上げてきた者達がいるのだが、それが新一の側の両親である優作達であった。久し振りに日本に帰ってきたら蘭達の現状についてを知ったが、どういうことなのかというのもだが何で放置しているのかと。

しかしそういった優作達に対しては英理が応対してとっとと終わらせる形を取った・・・私達の声を振り切って活動してきて十年近い時間が経ったのに今更こんな生活間違ってたと自分が正しいとばかりに不満ばかりを口にする蘭もだが、それで蘭の為にも今までの活動の仕方を改善しようと動く様子すら見せない新一に付き合う気なんて更々ないし、そんなに言うなら自分達でどうにか二人の間を解決するように取り持てと言う形でだ。

そんな声に二人は揃って複雑そうに声を詰まらせた姿を見せたことに、そこで海外で最期を迎えるのか日本で最期を迎えるのか今の予定でいいから答えるようにと問い掛けると・・・かなり声を詰まらせて何も答えられない様子を見たことでただ場当たり的に生きていたことを確信すると共に、これからしばらくどうするかを話すようにしろと言って英理は去っていったとのことだった。話をした結果としてすぐ日本に定住する為に帰ると共に二人の仲を取り持つというならともかく、時間を空けてから定住する為に帰るかもう海外で最期を迎えると決めるならもう二人の仲の事に関しては大人なのだから、二人の間でのことだからというように考えるようにしろと残す形でだ。

そしてその話の後で二人はすぐに日本を出ていったというように恭弥達は聞いたのだが、その行動からすぐに結論は出なかったというのもそうだが・・・最終的に二人が日本に帰るかどうかはまだともかく、自分達が新一達の仲の改善だとかの為に動こうということはしないのだろうと見た。これは英理から言われたように二人の事を二人の事だからと見るようにしたという可能性もないとは言えないが、どちらかと言えば新一達と話をして新一からこれは自分達の問題だからと言って二人を遠ざけた可能性の方が高いと・・・この辺りで最後の頼りである優作達に助けはギリギリまで出したくないが、そうでない状況や相手になら平気で助けを出せるという新一の都合のいい考え方を知っているからだ。

ただだからこそというかそんな新一の様子から優作達は海外の住みかを引き払って日本に帰ることを選ぶにしても工藤の家に戻らず近くのマンションを買うか、最期を迎える時間を過ごすための短い間くらいだろうと恭弥達は見た。新一の性格的に今から工藤の家に戻って蘭の暇潰しやら不満やらに付き合うのはまだいいとは見ても、いざ仕事もなく家に帰れば優作達がいる生活は短期間なら我慢は出来てもいつもとなればそうはならなくなるだろうから、自分達のことは気にせずというように言いつつ実質は自分の為に出ていってほしいと言うだろうと。

日本に帰っても蘭はまだしも新一は同居にはもういい顔はしない・・・そういったことは英理の言葉から優作も感じただろうから、選ぶであろう選択肢は前述の二つか海外で最期を迎えるかのどちらかであると共に、もうこれで優作達は新一達の事について深くは関与はしないだろうと恭弥達は考えた。あの二人の性格や新一が取るだろう行動を考えてみれば、そこまで自分達が無理をして頑張るといった事などしたくないだろうと。









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