望むことばかりを望んできた末路

そうして新一はエージェントとなることになるのだが、そんな新一に待ち受けていた任務というか仕事は基本的にエージェントの本部での事務作業が主であって、その推理力を発揮するようにと求められる時は妙な仕掛けがあると言われた時や変な書類やファイルの違和感を解くようにと言われた時くらいしかなく、新一がウィルス関連の施設や現場に向かう時は完全に武力制圧を前提にする時の人員の一人としてしかなかった。

この事に当然というか新一は自分が何故こんな後方支援のような立場に立たないといけないのかというように抗議をしたが、そこについては新一を現場に向かわせて事件が起きることを避けるためだと告げた。自分が行ったから事件が起きたと新一は認めないが、現場に向かわせて事件というかトラブルが起きる事ばかりだからそんなことにならないようにする為の判断であって・・・これは上層部の決定であり、今後も含めて勝手でいて独断に行動するような事をすればエージェントを辞めさせることもそうだが、今まで知り得たことを口外することやウィルスやバイオハザード関連の事に関わろうとすれば相当なペナルティを課すこと及び日本への強制送還をすると新一は告げられた。日本に帰した後偶然を装う形でも本当に偶然でもまたアメリカや他の国でバイオハザードが起きる可能性があるか起きた地で出会うことになれば、すぐさま強制送還するようにするとも。

そんな事を聞かされてそこまでやられるのかと新一は唖然としたのだが、組織に身を置く事はこういうことであるのと同時にもう新一に散々好き勝手やられてきた前科から、お前を自由にしていいと信用出来ないからこその処置であって・・・嫌ならとっとと日本に帰って日本のみで探偵をやればいいと吐き捨てるように言われたことに、新一は衝撃を受けて愕然とするしかなかった。何だかんだありはしたが最終的に見て自分は頼られる為にエージェントに入れられたと思ったのに、実態は戦力としてではなく膝元で監視されると共に信頼など欠片もないという事実を知って・・・


















・・・それで以降、新一は色々悩みはしたものの結局はエージェントを辞める事なく行動することを選んだ。不満だからで去ることを選んだらウィルス関連にもう関わる事は出来なくなる対策を取られることになることから、ならウィルスの根絶を早くしてから探偵に戻ろうと。

しかしそうしてウィルスの根絶は時間を然程かけず出来るものだと高を括っていた新一だったが、実際は全くそんなことはないどころか十五年以上の時が経ってもウィルスに限らない新たなバイオハザードが度々起きていき、アメリカですらもが大統領が策略でゾンビにされる形で殺される程の事態になったのである。

もうウィルスや危険生物によるバイオハザードの驚異はテロという形で、未だに世界の何処かでいつでも起き得る事態になってしまって根絶などほぼ夢物語となってしまっている・・・そんな世界になってしまったが、そんな傍らでもう日本では工藤新一の存在は完全に過去というか思い出される事もない存在となっていた。高校生探偵と呼ばれていた頃からもう二十年以上の時間が経ってしまった事もそうだが、もう新一が日本で探偵として活動することなど一度たりとて無かった事から新一の活動についてを覚えている者などほぼいなかったのである。

その上で新一もそうだが新一を追い掛けていった蘭についてのその後についてを知る者などいなかったことから、今どうしているのかは日本で関係していた者達も誰も知らない・・・それこそ生きているのか死んでいるのかも・・・









END









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