望むことばかりを望んできた末路

その時の様子に優作達だけではなく、ハニガンも本気でいいのかと確認を取ったとのことだった。苦渋の決断を下したといった様子であったが今ならまだ撤回した上で、アメリカに残るにしても条件さえ守れば探偵となるのは構わないから、そこまで自由にやれないことについて悩むくらいなら日本に戻ることや蘭達家族の事も含めて考え直すようにしてはどうかと。

だがハニガンの言葉にもう決めたことだと意地になったというように新一が返したことで、蘭も優作達も次第にそれでこそ新一だという笑顔となって新一がいいならそれでいい・・・となって話は終わったとハニガンは言ったのだが、そこまで聞いてレオンはたまらず頭に手を当ててしまった。ある程度予想出来ていた部分はあったが自分がやらなければどうすると思っているだろう事もそうだが、これが最後の選択だというように言われてもすぐにウィルスを根絶させて自由の身に戻るだとか、何ならエージェントとしての活動の傍らで探偵活動をするだとかいっそアメリカ政府直属の探偵という肩書きを得ようだとか作るといった、前向きというよりは後々の活躍で自分や蘭達の立場はどうにかなるとご都合主義な事を考えている節は大いに有り得ると。

だからレオンは意を決して表情を改めると共に、ハニガンへと話を始めた。前にも話したが新一の手綱はキツく強く握ることは確実にする為にも、決して手加減してはならない旨についてを・・・


















・・・そうして新一はアメリカにエージェントとして正式に所属させられる事になるのだが、その際に優作達との連絡に援助は遮断した上で蘭はエージェントの保有する住居への転居もそうだが、蘭共々に優作達や毛利の側の両親を含めた旧交への連絡を止めることや許可無しの遠出の禁止を条件にされた。

これらに関しては優作達は新一への関わりを断つためであり、蘭に関してはある意味で新一以上に何かとんでもないことを引き起こしかねない事を懸念したからこその制止を兼ねた条件であった・・・蘭が衝動で自分の両親の制御を振り切ってまでアメリカに来たのに、アリッサに不平不満を言いに来るのを止めろと度々言われてきたのに関わらずしてきたことを考えれば、蘭にもこれくらいの事は守ってもらうと破った場合のペナルティも含めて約束してもらわなければエージェントとして新一を関わらせられないと。

そんな優作達に蘭までもを含めた条件に新一は自分が辛い目に合うだけならまだ我慢が出来るから撤回してくれというように抗議したが、すぐに駄目だと返された上で続いた理由に関してを沈痛な面持ちで受け入れるしかなかった。優作達に関しては同じようにエージェントになるならともかく家族とは言え一般人のカテゴリーに入る二人に安易に機密情報を漏らす事もそうだが、推理力や資金援助やそのツテといった物をいざとなれば安易に求めて巻き込むなど有り得ないと言われ、蘭に関しては実の両親やらアリッサやらとのエピソードを考えれば野放しになど出来る筈がないだろうと言われてだ。

・・・優作達に関しては一応は新一も納得はした。新一としては組織での時も含めてグレーゾーンギリギリといったように要点の時くらいしか頼るようなことはしていなかったと思っているが、そのギリギリという言葉通り本当に一応は当事者ではないようにしたと思った上で、もうれっきとした大人になった上で不本意とは言え職についたことから今度こそは二人の手を借りずにいくことは。

だが蘭に関してはかなり複雑でしかなかったが、かなり葛藤した上で受け入れるしかなかった。一応は優作達も交えてもう日本に帰ってはどうかと話はした。流石にここまでの条件を出されて日本に気軽に帰るなんて出来ないだろう上で、新一としてはもう自分に巻き込みたくないから帰っておっちゃん達と仲直りして平和に暮らして欲しいという気持ちを隠しながらだ。

しかし蘭はもう今更引けるわけなんてないというように返した上で我慢すると言ってしばらく話し合ったのだが、説得は成功しなかった事で断腸の思いで蘭の生活についてを受け入れることにしたのである・・・自分が蘭達の為にも引いて共に日本に帰るという選択肢は考える事など一切なくだ。









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