望むことばかりを望んできた末路

そんな気持ちがあるというように見たレオンだが、ウィルスを根絶してバイオハザードが二度と起こらない世界など今の情勢ではまず有り得ないとしか思っていなかった。ヨーロッパの寒村での件もそうだが、二年程前にとあるジャングルで起きた事件の事にアンブレラが潰れる直接のきっかけとなったロシアの施設と、アンブレラに端を発したウィルス以外の要素を含めても世界各地でバイオハザードが起きていることは入ってくる情報から、レオンはよく知っている・・・だからこそというか考えたくない事ではあってもウィルスやバイオハザードの問題は根絶されるかどうかは出来たとしても数年程度で出来るとは到底思ってはいない上で、新一が動けばそれで解決なんて風にあっさりなる筈なんてないと見ていた。

だが新一はそう言っても聞き入れる筈がないというかむしろやる気に満ちたように動くだろうが、アメリカが個人で動く事を見逃すにはもう潮時と判断したのである。アンブレラが潰れるまではアリッサの言葉もあって報復を考えて大人しくしていたが、もうアンブレラが潰れたのだからとばかりに活動を大っぴらにしていく姿もあってだ。

この辺りの事情に関して新一が勝手にやったこと及びウィルスやバイオハザード関連で個人で動いてそれらを解決したというように喧伝された場合、アメリカは何をしていたのかというように言われかねないという危険性も考えられる為だ・・・大衆が求めるのはヒーローと共に自分達を守る盾となり得る存在である。そんな中で手早くバイオテロを起こしかねない存在を手早く・・・様々な犠牲やら手間やらを度外視した上でそれを伝えず潰したという点だけを伝えたなら人々は新一の事を褒め称えることだろう。そんなことになれば先に挙げたような理由から慎重に行動していたアメリカ側が非難を浴びる形になって、バカを見るばかりだ。

だが新一にそんなことを止めてこちらに足並みを揃えて欲しいだとか所属して欲しいと願っても、それらを断られてきたのである。自分は探偵として動きたいというのと、アメリカと敵対するつもりはないどころかむしろ協力してるのだと・・・これに関しては新一が自分は探偵として対等か、もしくはアメリカやバイオハザードに立ち向かう者達にとっても救世主だというような自負があるからだが、そんな自負がアメリカ側が本気で頭を抱えている事を全く考えてないどころか、自分はいいことしかしてないと本気で思ってることがよりタチが悪いのである。自分が動けば早く事態が収まるのだからと。

そんな新一の個人での考えや行動に関してはもうアメリカの今後から考えてみれば、許される物ではない・・・そうアメリカが判断するのは妥当だとレオンも考えたのであるが、同時に改まって自らの立場から見てみると新一がバイオハザードについてをよく出会う普通の事件とまるで同列かのように考えてるだろう様子に、これからのことを思うと面倒だと思う以外になかった。確かに生き残る力や推理力には目を見張る物があるし言うことを聞かせることが出来たなら戦力として見るにはいいのだろうが、確実にそんな大人しくしているようなタマではなく厄介事を起こして自分達がそれらを片付けるのに奔走する展開は幾度となくあるだろうと感じて・・・


















・・・そうして少ししてからレオンは新一もそうだが蘭や優作達との話し合いが済んだという報告をハニガンからもらった。アリッサからもらった助言を元にどうするのかと投げ掛ける話し合いが。そしてその結果として話の中身もあってアメリカに所属するならもう本当に引き返せないし行動の自由が効かなくなることもあるが、何より探偵として陽の目を見る活動は出来なくなる・・・というように話をされることになって新一は相当に苦悩した姿を見せたが、最終的にはアメリカに所属するという結論を出したとのことだった。









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