だがそんな声を受けてもアリッサは蘭に同情はしなかったし、何なら新一にも素直に気持ちを話して日本に帰るべきだと淡々と返した。新一の元に来た経緯からしてとても気持ち良く思える物ではなかったし、それで弱音を圧し殺して動けないどころか心の支えを求めてくる有り様を見せられて、嘘偽りなくもうさっさと日本に帰ればいいと思いながらだ。

しかし蘭はそんなことは出来ないと言って結局は不満をグチグチと時たま会っては言い、流石に何回もそんなことをされてはと思い新一に蘭が言ったことだが本人には言わずにするようにと前置きをして蘭の現状を話すのだが、アンブレラを潰すまで帰るわけには・・・と気まずそうに言った所で話は終わりとなったことから、ならもう後はアンブレラを壊滅させるまでの辛抱だと思いアリッサは時折蘭と付き合いつつもアンブレラが壊滅したという時まで活動をしていったのだが・・・そうしてこれで自分達の協力関係は終わりだというように新一と蘭の二人に話をした時に、日本に帰らないと新一は言ってきたのだ。

これはアンブレラは確かに壊滅というようになってはきたが、次第にそうなっていく中でアンブレラの作ったウィルスが世界各地で使われ出していっているという情報を受けて、そんなことを知って黙って日本に帰るなんて出来る筈なんてないと考えたからこちらに残る・・・というのが新一の言い分であった。

しかしそこでアリッサはいい加減日本に帰れと苛立ちを隠さないままに返した。蘭のこともそうだしアンブレラが壊滅したことや、それまでの活動でレオンと出会ったりなどしていることを始めにアメリカから目を付けられていることから、今この時に戻ると選ばなければ日本に無事に帰ることは出来なくなる可能性が高い・・・そういったように告げる形でだ。

ただそれで引くどころかむしろ逆境に燃えるとばかりに新一が目をぎらつかせながら引かないと言ったことに、アリッサは盛大に呆れを隠さずもう日本には帰れとは言わないがならばこそこれからはより一層自分がやったことの責任は自分で責任を取るようにしろと告げた。もうアンブレラが潰れて予定していた協力関係は終わりになるのもあるが、そんな風に自分のやりたいようにやりたいというんなら後は自己責任でしかないとだ。

そうしてアリッサはそこで新一達の元から離れるのだが、その時には難しい表情を浮かべてはいたものの二人はまた次第にアリッサの元を訪れるようになった。新一からして何だかんだでアリッサの情報を頼りにしていたから今更離れる事を考えられなかった上で、蘭は新一が日本に帰らないと選んだことに寂しさもあるがらしさも感じるというように話に来る形でだ。

そんならしさを失わない様子でいた二人にアリッサはもうこの二人はずっと変わらないんだろうと思いながら活動していたのだが、一年近くが経った時にアメリカ側から連絡が入ったのである。要約すればアリッサにも色々と言ってはきたもののまだジャーナリストとしては許容範囲の行動ではあるが、工藤新一の行動は個人として見てもだが探偵として見ても・・・いや、探偵だからなんて立場を押し出しても許せる物ではないから捕縛にかかるという事をだ。だからアリッサには新一の事を擁護だったり助けるような事はしてほしくないとも。

そういったように聞かされたアリッサはそんなことはしないと即答しつつも、前々からアメリカには目をつけられていたのに何故今このタイミングなのかと考えた。その上で出た推測が何かと言えばアンブレラという特定の対象を追う事からアンブレラの情報を得るために敢えて見逃されていた可能性が高いが、アンブレラが潰れた事とその遺物が裏社会に流れ込んでそれらをどうにかしようと動くその様子から、アメリカからすれば不特定多数相手に動こうとする新一の動きを把握するのが面倒だからここらで監視下に置くと決めたのではないか・・・というように考えた。メリットとデメリットを天秤にかけるともう新一を放っておいてもデメリットが強いとなったのだと。









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