望むことばかりを望んできた末路
「ただそうして協力関係を続けてはきたけれど、蘭が来た事やその経緯についてを聞いたことから早く縁を切りたいという気持ちはずっと続いたままだったわ。特に蘭が自分達の身の上についてを話した上で自分達の活動を両親に認めてほしいだとか許してほしいという言葉もそうだけど、新一と平和でいて何もないように夫婦らしい事をしたいだとか私に手伝ってほしいとか言い出してきた時は何度かあるけれど、なら日本に無理矢理にでも新一を連れて帰れと何度言ってきたことか・・・」
「だがそれをしなかったのは工藤新一に惚れた弱みというものもあったんだろうが、それ以上に両親の元に自ら頭を下げて戻れないという意地から・・・そういった話だったな?」
「えぇ。意地っ張りと言えば可愛げがあるように聞こえるかもしれないけれど、話を聞いた限りでは完全に新一の元に行く行かないで色々な事を言ってきた両親の反対を押し切ってこっちに来たものだから、自分から戻るなんて言い出せなくなってるだけよ。だから両親の方から謝るだとか是が非でも戻ってきてほしいみたいに言われて、さも自分が折れたんじゃないしそれなら仕方無いみたいな形で戻ってもいいって体を取りたいからとね」
「だがそんな風な事を考えているだろうという見立てとは裏腹に、両親は迷わず帰ってこないものだと判断したと聞けばどう判断するだろうな」
「聞かせない方がいいわ。あの娘の性格からして新一の元に来た時のよう、直にそんなことを言うなんて信じられないって会いに行くために暴走しかねないから」
「即答か・・・分かった。後々のことも考えてそこについては触れないでおくように言っておく」
しかしそんな気持ちを著しく萎えさせたのが蘭であるといったように言ったことから発展し、二人は蘭への対応について語り合う。
・・・一応は新一との協力関係を続けていったアリッサだが、別に仲を深めることはなく三年近くの時間を過ごしていった中で変化が起きた。それが蘭が新一の元に来たことだ。
当然アリッサはどういうことかと説明を求めるのだが、その時の経緯を聞いて呆れる以外になかった。愛を貫いたが故の決断というように言えば一見は聞こえはいいが、アリッサからすればどう取り繕った所で勢いと一時の怒りに身を任せた考えなしの行為としか思えなかった為に。
だからアリッサは蘭にちゃんと謝って帰るように言うのだが、まだその頃は来た時の怒りが残っていたことからもう戻る気はないと言って頑として聞き入れなかった為、新一に自分は面倒は見ないし自分の元に来させないようにしろと言って舵取りは丸投げする事にした。普段のアリッサだったら同性ということもあってそこまで邪険に扱うことは無いのだが、蘭の様子から下手に優しくしたら自分の元に気安く入り浸るだとかしてきそうだと思ったが為だ。いかに自分や新一が危険なことをしているのかということを新一と一緒なら大丈夫というように、ここに来た経緯だとか性格もあって気楽に考えかねない可能性が高いと。
だからアリッサは新一と話をした上で蘭と仲良くなるなんて風にはせずに行くことにしたし、新一にもその旨を話した上で自分の元には単独でも誰かと一緒でも来させないようにしろと伝えた。新一や自分の目的は蘭は知っているとは聞いてはいるが、それでも知らせてはいけないことはいくらでもあるから自分の元に安易に来られるようなことになって、もしもの事が起きてもこちらの迷惑になるからと。
そんな声に新一も言われたことは分かると頷きはしたのだが、異国の地にて頼りになるし交流出来る知り合いなどいない蘭は話を聞いてほしいとちょくちょくアリッサの元を訪れ、そこで自分の仕事場に来るなと言われてせめて外食くらいはと何度も食い付いてきたことから、もう仕方無いと妥協して時間が空いた時ならと付き合ってきたのだが・・・そこで同性であり頼れる女性であるアリッサに弱音を吐いていったのである。新一と一緒にいることはいいけど、日本に帰りたいし両親と仲直りしたいと。
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「だがそれをしなかったのは工藤新一に惚れた弱みというものもあったんだろうが、それ以上に両親の元に自ら頭を下げて戻れないという意地から・・・そういった話だったな?」
「えぇ。意地っ張りと言えば可愛げがあるように聞こえるかもしれないけれど、話を聞いた限りでは完全に新一の元に行く行かないで色々な事を言ってきた両親の反対を押し切ってこっちに来たものだから、自分から戻るなんて言い出せなくなってるだけよ。だから両親の方から謝るだとか是が非でも戻ってきてほしいみたいに言われて、さも自分が折れたんじゃないしそれなら仕方無いみたいな形で戻ってもいいって体を取りたいからとね」
「だがそんな風な事を考えているだろうという見立てとは裏腹に、両親は迷わず帰ってこないものだと判断したと聞けばどう判断するだろうな」
「聞かせない方がいいわ。あの娘の性格からして新一の元に来た時のよう、直にそんなことを言うなんて信じられないって会いに行くために暴走しかねないから」
「即答か・・・分かった。後々のことも考えてそこについては触れないでおくように言っておく」
しかしそんな気持ちを著しく萎えさせたのが蘭であるといったように言ったことから発展し、二人は蘭への対応について語り合う。
・・・一応は新一との協力関係を続けていったアリッサだが、別に仲を深めることはなく三年近くの時間を過ごしていった中で変化が起きた。それが蘭が新一の元に来たことだ。
当然アリッサはどういうことかと説明を求めるのだが、その時の経緯を聞いて呆れる以外になかった。愛を貫いたが故の決断というように言えば一見は聞こえはいいが、アリッサからすればどう取り繕った所で勢いと一時の怒りに身を任せた考えなしの行為としか思えなかった為に。
だからアリッサは蘭にちゃんと謝って帰るように言うのだが、まだその頃は来た時の怒りが残っていたことからもう戻る気はないと言って頑として聞き入れなかった為、新一に自分は面倒は見ないし自分の元に来させないようにしろと言って舵取りは丸投げする事にした。普段のアリッサだったら同性ということもあってそこまで邪険に扱うことは無いのだが、蘭の様子から下手に優しくしたら自分の元に気安く入り浸るだとかしてきそうだと思ったが為だ。いかに自分や新一が危険なことをしているのかということを新一と一緒なら大丈夫というように、ここに来た経緯だとか性格もあって気楽に考えかねない可能性が高いと。
だからアリッサは新一と話をした上で蘭と仲良くなるなんて風にはせずに行くことにしたし、新一にもその旨を話した上で自分の元には単独でも誰かと一緒でも来させないようにしろと伝えた。新一や自分の目的は蘭は知っているとは聞いてはいるが、それでも知らせてはいけないことはいくらでもあるから自分の元に安易に来られるようなことになって、もしもの事が起きてもこちらの迷惑になるからと。
そんな声に新一も言われたことは分かると頷きはしたのだが、異国の地にて頼りになるし交流出来る知り合いなどいない蘭は話を聞いてほしいとちょくちょくアリッサの元を訪れ、そこで自分の仕事場に来るなと言われてせめて外食くらいはと何度も食い付いてきたことから、もう仕方無いと妥協して時間が空いた時ならと付き合ってきたのだが・・・そこで同性であり頼れる女性であるアリッサに弱音を吐いていったのである。新一と一緒にいることはいいけど、日本に帰りたいし両親と仲直りしたいと。
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