望むことばかりを望んできた末路
「というわけだからそろそろここを出た方がいいわよ。ただここを出て貴方がどうするかは分からないけれど、懸命な選択をした方がいいわ・・・その選択次第では貴方の奥さんに辛い思いをさせかねないことも十分に有り得るでしょうからね」
「っ、くっ・・・!」
そうしてアリッサは最後の忠告といったように蘭のことも考えるようにと言うと、新一は苦い顔を浮かばせ何かを言いたげな視線を残した後に走って部屋を後にしていった。
・・・そうして新一が去り一人残っていたアリッサだったが、程無くしてまた部屋のドアが開かれた。
「・・・ご苦労だった、アリッサ。こちらのオーダー通りに動いてくれて」
「礼はいいわ。それよりこれで私の活動に制限はかけないでくれるのよね?」
「あぁ、余程の事をしでかさない限りはな」
「ならいいけれど、わざわざ貴方がここに来る意味はあったのかしら?・・・レオン」
そこから現れた男・・・レオンからの言葉に返事を返しつつも、何故わざわざここに来たのかと問いかける。
「こちらとしてはこれからの工藤新一に関してどうするかを判断する為、関わりが少なからずあった俺がアリッサに話を聞いてこいと言われたからだ。工藤新一の能力に関してはアメリカとしても認めてはいるが、今までの経緯もあるから素直に使われるとは思わんからとな」
「成程・・・彼の手綱をどうやって握るかを図るために私の話を参考にしたいということね」
「あぁ、五年以上なんだかんだあの男と組んできた手腕についてをな」
「組んできた、ね・・・そんな大したものではないのだけれどね・・・」
その理由はどのように新一と付き合ってきたのかを聞くため・・・そうレオンが口にした理由にアリッサは疲れたように椅子に体を預け、顔に手を当てた。その様子に新一との付き合いでどれだけ疲れてきたのかを感じさせるよう。
「・・・どうやら相当に面倒だったようだな。工藤新一と付き合うということは・・・」
「えぇ。話を聞きに来たというならある程度時間は取れるのでしょう?なら愚痴混じりに答えてあげるから心して聞きなさい・・・あれは御しようと思って御するにはかなり面倒だと分かるように丁寧に時間をかけて話をしてあげるから」
「・・・泣けるぜ」
レオンもその様子に相当だと感じるのだが、アリッサが顔から手をどけ愚痴りながら話すと目が座ったように返してきたことに首を横に振りつつ一言そっと漏らした。相当面倒な時間になることを感じて。
・・・新一と協力関係になることにしたアリッサだが、信頼出来る仲間と呼べるように仲良くなることはなかった。というよりは新一は気楽に仲良くなろうとしてきたのだが、アリッサがそんな気にならなくなったから距離を取ったのである。これに関しては新一はなんでそんなに距離を取るのかというように不満に言ってきたが、表向きは一応契約の上での間柄であることやヘマをやらかした場合の約束と共にアンブレラの行動についてを挙げて返していったのであるが・・・その裏側にあった真意が何かと言えば、新一がアンブレラが関わるかそうでないかに関わらず事件を引き寄せる頻度があまりにも高いということを感じたからだ。
ラクーン事件が起きる前のアリッサだったならそんな事件を引き寄せるかのような新一の事をいいネタだと思っていたことだろう・・・しかしラクーン事件を経てアンブレラを追うことを決意して以降のアリッサからすれば、アンブレラの手が伸びてくる可能性を考えれば下手に注目を浴びるような事はしたいとは思わなくなっていったのであるし、新一にもアンブレラに目をつけられるのを避けるように目立たなくしろと言い含めていたのだが・・・その言葉を新一は守ることは出来なかったのである。言いたいことは分かるけれど自分の周りで事件が起きるのに、それを解決しないのは有り得ないと。
その言い分自体はアリッサも分からない訳ではなかったし、別に事件を解決するなと言っている訳ではない。正確には事件に関わって解決するにしても目立つなと言っていたのだが、新一は色々言いはするものの体が元に戻った喜びと自分が探偵として何一つ後ろめたい事はしていないという自負・・・そして何より新一自身褒め称えられることにより得られる達成感やら探偵として有名になることを本心では求めていたことから、ちゃんと行動を改善することなく動いていってアリッサの気持ちは冷めていったのである。自分と同じように動けない新一に対して気を許すような事など出来ないと。
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「っ、くっ・・・!」
そうしてアリッサは最後の忠告といったように蘭のことも考えるようにと言うと、新一は苦い顔を浮かばせ何かを言いたげな視線を残した後に走って部屋を後にしていった。
・・・そうして新一が去り一人残っていたアリッサだったが、程無くしてまた部屋のドアが開かれた。
「・・・ご苦労だった、アリッサ。こちらのオーダー通りに動いてくれて」
「礼はいいわ。それよりこれで私の活動に制限はかけないでくれるのよね?」
「あぁ、余程の事をしでかさない限りはな」
「ならいいけれど、わざわざ貴方がここに来る意味はあったのかしら?・・・レオン」
そこから現れた男・・・レオンからの言葉に返事を返しつつも、何故わざわざここに来たのかと問いかける。
「こちらとしてはこれからの工藤新一に関してどうするかを判断する為、関わりが少なからずあった俺がアリッサに話を聞いてこいと言われたからだ。工藤新一の能力に関してはアメリカとしても認めてはいるが、今までの経緯もあるから素直に使われるとは思わんからとな」
「成程・・・彼の手綱をどうやって握るかを図るために私の話を参考にしたいということね」
「あぁ、五年以上なんだかんだあの男と組んできた手腕についてをな」
「組んできた、ね・・・そんな大したものではないのだけれどね・・・」
その理由はどのように新一と付き合ってきたのかを聞くため・・・そうレオンが口にした理由にアリッサは疲れたように椅子に体を預け、顔に手を当てた。その様子に新一との付き合いでどれだけ疲れてきたのかを感じさせるよう。
「・・・どうやら相当に面倒だったようだな。工藤新一と付き合うということは・・・」
「えぇ。話を聞きに来たというならある程度時間は取れるのでしょう?なら愚痴混じりに答えてあげるから心して聞きなさい・・・あれは御しようと思って御するにはかなり面倒だと分かるように丁寧に時間をかけて話をしてあげるから」
「・・・泣けるぜ」
レオンもその様子に相当だと感じるのだが、アリッサが顔から手をどけ愚痴りながら話すと目が座ったように返してきたことに首を横に振りつつ一言そっと漏らした。相当面倒な時間になることを感じて。
・・・新一と協力関係になることにしたアリッサだが、信頼出来る仲間と呼べるように仲良くなることはなかった。というよりは新一は気楽に仲良くなろうとしてきたのだが、アリッサがそんな気にならなくなったから距離を取ったのである。これに関しては新一はなんでそんなに距離を取るのかというように不満に言ってきたが、表向きは一応契約の上での間柄であることやヘマをやらかした場合の約束と共にアンブレラの行動についてを挙げて返していったのであるが・・・その裏側にあった真意が何かと言えば、新一がアンブレラが関わるかそうでないかに関わらず事件を引き寄せる頻度があまりにも高いということを感じたからだ。
ラクーン事件が起きる前のアリッサだったならそんな事件を引き寄せるかのような新一の事をいいネタだと思っていたことだろう・・・しかしラクーン事件を経てアンブレラを追うことを決意して以降のアリッサからすれば、アンブレラの手が伸びてくる可能性を考えれば下手に注目を浴びるような事はしたいとは思わなくなっていったのであるし、新一にもアンブレラに目をつけられるのを避けるように目立たなくしろと言い含めていたのだが・・・その言葉を新一は守ることは出来なかったのである。言いたいことは分かるけれど自分の周りで事件が起きるのに、それを解決しないのは有り得ないと。
その言い分自体はアリッサも分からない訳ではなかったし、別に事件を解決するなと言っている訳ではない。正確には事件に関わって解決するにしても目立つなと言っていたのだが、新一は色々言いはするものの体が元に戻った喜びと自分が探偵として何一つ後ろめたい事はしていないという自負・・・そして何より新一自身褒め称えられることにより得られる達成感やら探偵として有名になることを本心では求めていたことから、ちゃんと行動を改善することなく動いていってアリッサの気持ちは冷めていったのである。自分と同じように動けない新一に対して気を許すような事など出来ないと。
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