望むことばかりを望んできた末路
・・・そうして小五郎と英理が電話をし終えた数日後になり、場面はアメリカのとあるアパートの一室に移る。
「どういうことだよアリッサ!俺とはもう仕事はしないなんて!?」
・・・壁には資料をファイリングされたファイルが入れられた棚がびっしりと並び、部屋の備え付けられたパソコン付きのデスクがある部屋の中。
そこでデスクの椅子に座っているアリッサの元に怒りを隠す気もない新一が詰め寄るが、アリッサは大して気にした様子を見せずに頭を横に振る。
「・・・どういうことも何もないわ。アメリカ側から貴方について身柄を確保させてもらうという連絡が来たのよ。今までこちらの言うことを聞けという再三の警告を無視してきたことについて、もうこちらとしては工藤新一の活動を看過出来ないから貴方を確保するとね」
「なっ・・・!?」
「要はもうそろそろ貴方の捕縛にアメリカが動いてくるだろうから、これ以上貴方との仕事はしないと言ったのよ。正確にはもう貴方とは仕事が出来なくなる、ということね」
「そ、そんな・・・マジに動くっていうのか、アメリカが・・・!」
そのまま淡々と何故そう言ったのかについてを話していくアリッサだったが、新一は信じられないといったように愕然とするしかなかった。
「まさかそんなこと・・・という様子だけれど、そもそも私達がいかに危険な活動をしているかということもだけど、もしもの場合は互いのことは気にせず切り捨てる・・・というようにするのが私達が協力するための条件であると共に、こういったことになり得るということは以前に話したでしょう?だからその時が来た、というだけよ。私達はあくまでビジネスパートナーというだけであって、自分の目的を達成することを優先させるために相手を巻き込むようなことはしないようにする・・・という契約からね」
「っ・・・!」
だがそんな衝撃を受けている様子に構わずアリッサが自分達の間での契約と間柄についてを口にしていき、新一は唖然とするしかなかった。確かにそういったような話はしたが、そこまであっさりと新一を切れるという判断についてに。
・・・新一とアリッサ。この二人の関係が何なのかと言えば、ラクーン事件においての数少ない生き残りであると共に、アンブレラを追っているジャーナリストであるアリッサの事を新一が知ったことから、自分と協力して動いてくれないかとアンブレラを警戒しながら動くアリッサに会って持ち掛けたのだ。自分もアンブレラのことをどうにかしたくて動いているから、その為にアリッサのジャーナリストとしてのツテだとか情報網だとかを目当てにした上で仲間となるためにだ。
ただそうしてアリッサはすんなりと仲間になった訳ではなく、むしろ共に行動することについて強く難色を示した・・・ラクーン事件を皮切りにアンブレラに対しての関心は良くも悪くも非常に大きく集まることになったが、それはつまり本気でラクーン事件やアンブレラに関わりたい者もだがそうでないにわかな考えを持つ者もいて、当事者であるアリッサからしたらラクーン事件から然程時間が経ってないのもあってろくに関係のない新一の事を信じるというようにはならなかったのである。そこにはアリッサと仲がよくて同じようにラクーン事件を生き残ったアメリカ育ちの日系人というような身の上ではなく、日本からわざわざ高校を退学してまでアンブレラを追いたいという気持ちで親の金を使い渡米してきたぽっと出の日本育ちの日本人・・・それこそラクーン事件を直に経験もしていないし、アンブレラとも直接関わってないという人物を手放しで信用出来る筈がないという考えもあってだ。
ただそういったように返していったアリッサに対して新一は諦め悪く交渉していき、いくつかアリッサ側にとって有利だったり納得出来る条件を提示して協力関係となったのである・・・その中にはどちらかが危うくなれば相手を見捨てるというのもそうだが、基本的にアリッサの邪魔はしないようにするということを守ると共に、その上で優作に頼み込んで結構な額の活動資金の提供をしてもらうという事があった。ただこの辺りは活動資金についてが話題に出されなければまず間違いなくアリッサは新一と協力関係となるなど選ばなかったであろう。例え親のすねかじりであろうが危険であり不定給も場合に依れば覚悟しなければならないアンブレラを追うジャーナリストとしての活動を続けることを考えれば、巨額の活動資金を一度に得られるのは新一の無責任さからこうしたいとの物からとはいえ、アリッサからすればありがたくて仕方無い物だったのだから。
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「どういうことだよアリッサ!俺とはもう仕事はしないなんて!?」
・・・壁には資料をファイリングされたファイルが入れられた棚がびっしりと並び、部屋の備え付けられたパソコン付きのデスクがある部屋の中。
そこでデスクの椅子に座っているアリッサの元に怒りを隠す気もない新一が詰め寄るが、アリッサは大して気にした様子を見せずに頭を横に振る。
「・・・どういうことも何もないわ。アメリカ側から貴方について身柄を確保させてもらうという連絡が来たのよ。今までこちらの言うことを聞けという再三の警告を無視してきたことについて、もうこちらとしては工藤新一の活動を看過出来ないから貴方を確保するとね」
「なっ・・・!?」
「要はもうそろそろ貴方の捕縛にアメリカが動いてくるだろうから、これ以上貴方との仕事はしないと言ったのよ。正確にはもう貴方とは仕事が出来なくなる、ということね」
「そ、そんな・・・マジに動くっていうのか、アメリカが・・・!」
そのまま淡々と何故そう言ったのかについてを話していくアリッサだったが、新一は信じられないといったように愕然とするしかなかった。
「まさかそんなこと・・・という様子だけれど、そもそも私達がいかに危険な活動をしているかということもだけど、もしもの場合は互いのことは気にせず切り捨てる・・・というようにするのが私達が協力するための条件であると共に、こういったことになり得るということは以前に話したでしょう?だからその時が来た、というだけよ。私達はあくまでビジネスパートナーというだけであって、自分の目的を達成することを優先させるために相手を巻き込むようなことはしないようにする・・・という契約からね」
「っ・・・!」
だがそんな衝撃を受けている様子に構わずアリッサが自分達の間での契約と間柄についてを口にしていき、新一は唖然とするしかなかった。確かにそういったような話はしたが、そこまであっさりと新一を切れるという判断についてに。
・・・新一とアリッサ。この二人の関係が何なのかと言えば、ラクーン事件においての数少ない生き残りであると共に、アンブレラを追っているジャーナリストであるアリッサの事を新一が知ったことから、自分と協力して動いてくれないかとアンブレラを警戒しながら動くアリッサに会って持ち掛けたのだ。自分もアンブレラのことをどうにかしたくて動いているから、その為にアリッサのジャーナリストとしてのツテだとか情報網だとかを目当てにした上で仲間となるためにだ。
ただそうしてアリッサはすんなりと仲間になった訳ではなく、むしろ共に行動することについて強く難色を示した・・・ラクーン事件を皮切りにアンブレラに対しての関心は良くも悪くも非常に大きく集まることになったが、それはつまり本気でラクーン事件やアンブレラに関わりたい者もだがそうでないにわかな考えを持つ者もいて、当事者であるアリッサからしたらラクーン事件から然程時間が経ってないのもあってろくに関係のない新一の事を信じるというようにはならなかったのである。そこにはアリッサと仲がよくて同じようにラクーン事件を生き残ったアメリカ育ちの日系人というような身の上ではなく、日本からわざわざ高校を退学してまでアンブレラを追いたいという気持ちで親の金を使い渡米してきたぽっと出の日本育ちの日本人・・・それこそラクーン事件を直に経験もしていないし、アンブレラとも直接関わってないという人物を手放しで信用出来る筈がないという考えもあってだ。
ただそういったように返していったアリッサに対して新一は諦め悪く交渉していき、いくつかアリッサ側にとって有利だったり納得出来る条件を提示して協力関係となったのである・・・その中にはどちらかが危うくなれば相手を見捨てるというのもそうだが、基本的にアリッサの邪魔はしないようにするということを守ると共に、その上で優作に頼み込んで結構な額の活動資金の提供をしてもらうという事があった。ただこの辺りは活動資金についてが話題に出されなければまず間違いなくアリッサは新一と協力関係となるなど選ばなかったであろう。例え親のすねかじりであろうが危険であり不定給も場合に依れば覚悟しなければならないアンブレラを追うジャーナリストとしての活動を続けることを考えれば、巨額の活動資金を一度に得られるのは新一の無責任さからこうしたいとの物からとはいえ、アリッサからすればありがたくて仕方無い物だったのだから。
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