望むことばかりを望んできた末路

・・・まさかの有希子の発言に二人はその真意を疑ったが、新一もそこでどういうつもりだよ母さんと反論した。蘭を巻き込むつもりは俺にはないというよう。しかし有希子が蘭ちゃんがここまで新ちゃんに会いたいと言っているのは貴方が好きだからなのよと言い出したことで、一気に場が新一と蘭が慌てふためくラブコメみたいな雰囲気になると共に・・・小五郎と英理は瞬間的に同じことを感じた上で、それを同じくしているのは互いしかいないと場の面々の様子から感じた。

それで有希子の言葉から新一と蘭が恥ずかしがりながらも有希子がここで二人が本音で話し合わないだったり、下手に新一が距離をここで取って済ませようとするならこうしてまで蘭ちゃんが不満が爆発した意味がなくなるどころか、そうしたらもう蘭ちゃんといつ会えなくなるばかりか新ちゃんへの気持ちが離れていって他の人に取られちゃうわよ・・・と言うと、新一から明らかに息を詰まらせたような音が聞こえてきた。そして蘭ちゃんも蘭ちゃんで新ちゃんのやっている事が危険だって承知で会いに行きたいって切り出しているんだから、それだけ蘭ちゃんは本気で新ちゃんの事を想っているんだと有希子が言って蘭が恥ずかしげながらも確かにそうですけど・・・と返した。

そんな有希子の計算してかせずかの答えを催促するかのような声を受けて二人の間でどういう結論が出されるのか、という間が空くのだが・・・蘭がもう危険でも新一と一緒にいたいと決心したように切り出し、新一もなら自分も一緒にいたいと決意して返したことに、これでハッピーエンドみたいな空気が優作に有希子も含めた四人の中で流れ出したが・・・小五郎と英理の二人はそんな事を歓迎するわけないだろうと、ハッキリと怒りを見せた表情で否定した。そもそも今回の話し合いは蘭を落ち着かせるのもだが、新一が危ないことをしていてせめて今やっていることが一段落するまでは会わないことを承知させる為の物だったのに・・・その真逆のような形として、まさか二人をくっつけてしまうみたいな空気感になるとは思わなかったと。

そんな二人の様子に優作に有希子に新一はハッとしたような様子と声を漏らすのだが、蘭はそんなこと関係無いとばかりにもう自分は新一の元に行くんだと二人へとまくし立てるように言っていき・・・その日は収集をつかせることは出来ず少し日を空けて話し合いの時間を設けることになったのだが、それで蘭と小五郎達の間では収まることはなく終着点はどこになるのかと優作達は思っていた矢先にこういった声が小五郎達から投げ掛けられた・・・さも自分達は俺達をなだめる中立みたいな立場を取っているが、元々は有希子から言われた言葉とそれに応えた優作に新一がきっかけでこうなったのだかこの問題についてどうするか・・・もうそれこそ蘭に味方するか、こちらに味方をするかでどちらにもつかないダブルスタンダードな形を取るのは止めろと。

このいきなりの小五郎達の言葉に優作達は戸惑いつつも何とか言葉を返す前に、蘭がもう今更新一の元に行かない方がいいだとか新一や優作さん達から今の言葉から私を受け入れないという言葉が出て来ても受け入れない・・・と蘭が今までにない程に圧力を込めた目と声を向けてきたことに、工藤家の三人は思わず言葉を失った上で理解せざるを得なかった。蘭の気持ちの強さは自分達が思っていたものより遥かに強固であったこともそうだが、一時の感情に流されて焚き付けていいものではなかったのだと。

そう悟った工藤家の三人は蘭は自分達が受け入れると話すのだが、それではいそうですかと納得出来る物ではなく・・・それからの話し合いの結果として小五郎達はもう自分達は蘭や新一達の事には関わらないから後は勝手にしろ、その代わり自分達はもう蘭の事はもう受け入れないというように怒りながら答えて、蘭も分かったわよと売り言葉に買い言葉で答えて三人はその様子を受け入れるしかなかったのである。

・・・そうして蘭は海外で動く新一の元に行って半年程で結婚するというようになるのだが、売り言葉に買い言葉で言った上でお父さん達は今なら受け入れてくれると思っていた蘭が気安く小五郎達にその事で連絡をするのだが、俺達には関係無いから勝手にしろと全くとりつく島もなく返された事に最初こそはもういいというように蘭も言っていたが、それで何度か機嫌を直してよというようにすり寄ろうとしても全く同じような様子だった為に蘭が参っていったというわけである。時間が経てば勝手に向こうも自分達に納得してくれると我を通して満足した蘭の思うような展開とは真逆な展開になったことに。









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