望むことばかりを望んできた末路

・・・それで新一達は小さくなってからの体や元の体に戻ってからの後始末をした後、新一はアンブレラを追うために海外へと渡っていった。その際に元の体に戻った事で会った蘭から学校を辞めてまでとかせずに他の人に任せて元のようにしようと言われたが、そこについては振り切る形でだ。

そのような形で日本を離れた訳だが、そうしてから六年といった時が流れた・・・




















「・・・ねぇ、小五郎ちゃんお願い・・・蘭ちゃんを許してあげて・・・蘭ちゃんは私達の前じゃ意地を張って小五郎ちゃんの事はもうお父さんなんかじゃないって言い張ってるけど、本当は小五郎ちゃんに会いたがってるのよ・・・」
「そして毛利さんだけでなく妃さんとも会えない事が辛いというような様子を時折見せているんです・・・そもそもは私達や新一の行動から蘭ちゃんが思いきった決断をした上で毛利さん達とケンカ別れのようになったのは承知していますが、少しだけでもいいから蘭ちゃんに前のように優しくしてあげてくれませんか・・・?」
「前も言ったでしょう。俺や英理は新一のやろうとしてる事は危ねー事なんだから首を突っ込むな、それでもそうするってんなら俺達どちらともの縁切りを覚悟して日本から出ろって話し合ったと・・・そしてその上で蘭はそれならもうお父さん達なんか知らないって言って出ていくと選んだ上で、新一も含めて話し合った結果としてあんたらが蘭を受け入れるし結婚するとまでなったんだ・・・それで蘭本人が言ってくるならそれはそれで何あめぇこと言ってるんだって話になるが、結婚をすることまで容認しといたあんたらが何を言ってんだって気にしかならねぇよ」
「「っ・・・」」
・・・現在小五郎が一人で住む毛利家の居間にて。
テーブル越しに座る有希子と優作からの蘭についてどうにかしてほしいという懇願の声と顔を向けるが、対する小五郎は冷めた顔と声で返していき苦心の様子を浮かべる。






・・・六年という時間が経ち、結果だけを言うならアンブレラは壊滅の一途を辿ることになった。ただそれは新一が動いたから決定的な瞬間が訪れたなんていうような劇的な結末なんかではなく、アンブレラに対して新一などと比べるまでもなく強い気持ちを持つ者達の行動が実を結んだ結果であった。ラクーンシティでの真実を知る者達の行動が。

ただそうして新一以外の行動でアンブレラは壊滅したのだが、同時に世界ではアンブレラのやっていたことでありラクーンシティを核で滅菌せざるを得なくなった理由・・・人を理性なきゾンビへと変えたり、数多の生物兵器を作るためのウィルス造りを行っていたことや、そのウィルスが裏社会に広まり世界各地で使われ出しているというのが明らかにされたのだ。

その為に今の世界でいつウィルステロが行われるのかについての危惧がされているのだが、アンブレラが潰れたことを喜んで日本に帰る・・・なんてことは新一はせず、むしろ日本に帰れるかとばかりに動き回っていた。これは言ってしまうなら新一からすればここまで来たらもうウィルスをこの世界から撲滅するまで帰れるかという正義感というような考えからなのだが、アンブレラを自分の手で潰せないばかりかこんな形でウィルスが拡散されるなんてとか俺ならもっとうまくやれた・・・という自分がアンブレラ潰しを為し遂げたかったという気持ちからの考えを奪われたからこそ、自分が最高の成果を出してやるという子ども染みた意地からの行動であった。

それで新一はアンブレラが潰れてからも動いていくのだが、今から三年程前に新一の元に現れたのが・・・小五郎達と散々話をした上で、ケンカ別れのような事をしてきた蘭なのである。









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