舞い戻った一つの仮面により感情は移ろう

「・・・それでそのガキが何者かってなったところで、平行して行ってたそのガキがまだ博士の所にいるのかを確認してる最中にあんたら二人が博士の所に来たってのもそうだが・・・そこからさっきの姿のあんたらと博士とそのガキが出てきたもんだから、どうしようかって急いで三人で話し合ってさっきのようにしようってなったんだよ。博士の家に入ったなんて影も形も確認されてない筈のオッサンにオバサンが、あんたら二人と入れ替わりに出てきたことからまず間違いなくその正体はあんたら二人が変装したもんだろう上で、俺のとこに来るってんなら言い逃れ出来ないようその変装を剥ぎ取ってやろうってな」
「なっ・・・ワ、ワシの家を見張ってたというのか・・・!?」
「色々と話し合いをした結果として、そのガキが親に連れて帰られるかどうかを確認出来るならいいって思ってだよ。この前言われたことでこっちのガキがガキらしくねぇ顔付きで諦めたような顔をしてなかったし、また来るかもしれないって荒垣の予想を聞いてもしものためにっていう形でな・・・そんで結果はこの通りって訳だ」
「「「っ・・・!」」」
小五郎は更に続ける形でいかに二人の変装に気付いていたのかに、阿笠の家を見張るような形を取ったのか・・・阿笠からの驚きながらも批難の含みの入った言葉に関せず話をしていくと、新一以外の三人が苦味走った表情を浮かばせるしかなかった。
(また荒垣さんがそんなことを言ったからこんなことになったのか・・・!)
だが一人そうなっていなかった新一の顔はその心中同様、荒垣に対しての敵意からの怒りを浮かばせていた。予想外でいて予定外の事をしてくれたという怒りを。しかし荒垣はそんな怒りなど全く堪えてないどころか、気付いてないとばかりに涼しい顔を浮かべている。
「・・・ただ、だ。そうやってあんたらがその新一に似たガキを俺のとこに二人がわざわざ海外から戻ってきてまで押し付けようとしてることの理由に関しちゃ、どういうことかっていう予想までは立てられなかった。だから今からそれを説明してもらいたいんだが・・・もしそれに関して答えたくないってんならもう俺達に関わりのを今後一切止めるって選んでここから出ていくか、ハッキリ言わずにぼやかそうだとかまた後日だなんて事にしたいだなんて言うなら、あんたらの事についてを問答無用で速攻で警察に連絡して引き渡すようにする」
「「「「っ!?」」」」
「何でって顔してっが戸籍も何もねぇそんな正体不明のガキに対して何であんたらがそこまでしてんのかを聞きもしねぇで終わらせられるかってのもそうだし、それでこの場で茶を濁されて後日ってされちまえば優作さん達もそうだが博士もその気になりゃ優作さん達なら一緒に連れて、どっかに逃げるくらいの金を出して逃げることも出来ねぇ訳じゃねぇ。だからだ・・・逃げるならもう俺達はここでの話はそれまでだって打ち切る代わりに、もうあんたらから今後何を言われようが俺達はあんたらと関わる事を止めるようにすると話し合ったんだよ。こんな怪しいことをしといて俺達に何も言わずに騙して裏切り続けるようなことをするってんならもう関わらないし、俺達を都合のいいように動かしたいから言い訳を作る為の時間稼ぎなんて事をするんなら、その正体不明のガキの事を含めて俺はあんたらを警察に突き出す・・・だからあんたらが俺に協力してもらいたいとかってのもそうだが、今後の付き合いも続けたいって思ってるんなら話をしろ。けどそれすら出来ねぇならもうあんたらの関係はどっちになるにせよ、それまでだ」
「「「「っ!」」」」
・・・しかしそんな新一も含めて小五郎が告げた選択についての投げ掛けに、四人は揃って顔色を青ざめさせるしかなかった。一応選択肢は三つという形で提示はされてはいるが、時間稼ぎを選ぼうとした時点で速攻で終わりになるのが目に見えているからこそ、実質的に選べるのは残り二つなのだが・・・どちらも新一達にとっては選びたくない苦渋の決断にしかなり得ない物だった為に。









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