「まぁそれも荒垣が色々と不自然だっつったことを踏まえた上で、ちゃんとこのガキの正体が何なのかを確かめた方がいいって言われたからそうしたんだがな。荒垣から言われなきゃ何の準備もないままあんたらの来訪を受けてただろうよ」
「っ・・・！」
だが小五郎から荒垣のおかげというような言葉が出てきたことに、新一は怒りを抑えきれない視線を向けるが・・・そんな様子などどこ吹く風とばかりに荒垣は表情を冷めたままにしている。
「ま、そこんとこでどうして俺らが荒垣の言葉を聞こうってなったのかって言うなら、この前そのガキと博士が帰った後で言われたんだよ。眼鏡をかけちゃいるが、それをどかしゃあのガキの見た目は小さい頃の新一みたいだってな」
「はっ・・・！？」
「「「っ！？」」」
しかし小五郎が続けた言葉で新一もだが、優作達三人も一斉に目を剥いて驚いた・・・新一は変装の為にだて眼鏡をつけている訳だが、そんなもの効果ないと言わんばかりに荒垣には小さい頃の新一に似ていると見られていたとの言葉に。
「そんでまぁ荒垣が蘭に新一の小さい頃の写真だかアルバムだかを持ってきてほしいって頼んで、俺らも見てみるとマジで小さい頃の新一が眼鏡をかけてるだけにしか見えねぇってなったんだよ。他人の空似にしちゃ子どもだってのを差し引いても瓜二つ過ぎるってな」
「・・・それで俺が工藤の親戚だって言ってたから、本当にそうなのかを調べてみたらどうかと言ったんです。子どもが似ているだけでやりすぎだとそっちは思うかもしれませんが、博士が毛利さんの元にそのガキを置くことを願っていた経緯を考えれば、その両親達にこういった事をされかねないといった話があるがそれはそっちの本意なのかと、博士の勝手から言い出したことなのかを判断する為にもそうした方がいいと」
「なっ・・・！？」
更に小五郎が続ける中で荒垣が自分がどういうことを言ったかを説明すると、阿笠が絶句したというように声を漏らした。
「前に荒垣さんが言ってたでしょ。頼まれてたことが自分の都合で駄目になりそうだからって、それでおじ様に頼るのは筋が通らないって・・・だから荒垣さんがもし博士がそんなことをこの子の両親と相談なくしていたなら報告して、もし了承していたならそっちの身勝手に巻き込むなって話をするべきだって言ったから『江戸川家』についてを調べることをおじ様は決めて、私もそれに協力することにしたの。最初は荒垣さんが美鶴さんに頼むって言い出したけれど、私も話を聞いてしまったし美鶴さんは関わってないから私がやる方が説明の手間も省けるってね」
「そんでまぁ結果としてを言うと、工藤家や藤峰家を調べて見ても『江戸川』なんて存在がいなかったどころか、戸籍まで調べた所で『江戸川コナン』なんて名前の子どもは戸籍には存在しねぇって出てきたんだよ。親戚にいないなら知り合いって線も無くはないかと念を入れて探してもって形を取ったら、まさかの事実が明らかになる感じになるっていうな」
「「「「・・・！」」」」
そんな様子に園子が阿笠の様子からこういう流れになったからと説明して小五郎が結果はこうなったとまとめるのだが、淡々と説明するその口調とは真逆に冷たい表情になっていくその様子に四人は唖然とするしかなかった。小五郎のこんな様子を見ることなど今まで四人は一度たりとて見ることが無かったために。









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