舞い戻った一つの仮面により感情は移ろう
・・・そのようにして最早昔からの交遊関係についてどうなろうが構わないと言わんばかりの様子を見せるように小五郎は優作達の事を見送った訳だが、小五郎の心中には後悔だとか申し訳無いといったような気持ちは一切湧いてこなかった。むしろもう将来的に新一と蘭が結び付かないようになってほしいと切に思うと共に、工藤家との関係はそういったことを気軽に頼めないくらいの物になってもいいくらいの気持ちになっていた程である。しかしそんなことをあからさまに言うなんて事は大人としてするつもりはない。
ただそういった気持ちは抱きつつも、新一が蘭の事を恋愛対象として見ている事は小五郎や荒垣達の目から見て明らかであった。何故ならその一年の間で警察に呼ばれる事や日常の中で事件に出会しやすいのが変わらない中で、そうそう頻繁ではないにしても蘭をデートに誘うことがあったからだ。
このデートに誘うということに関しては新一としては高校に入る前くらいからの荒垣の介入によって蘭の心が離れだしているのを危惧してというのもあるだろう上で、新一としても好きだからこそ蘭と一緒にいる時間を確保して前のように気持ちを引きたいという思いがあったからそうしたのであろうが・・・そういった目論見があっただろうデートに関しては、ことごとくが失敗に終わることになった。
その理由は至って単純で新一がデートに誘って、まだ完全に気持ちが切れてない蘭もならと断る理由がない時は行くことにするのだが・・・そのことごとくで事件が起きてデートが一転して新一の推理ショーに早変わりしていったのだ。
ここで以前の蘭だったら真剣に推理をしていく上で謎が解けたという笑みに惚れ込むなんて流れがあったのだが、今の蘭はそれまでの新一のだらしない部分を見てきたことも加わって推理が出来る事件に出会せて自分でそれを解決出来る喜びに満ちた笑みであって、誰かが犠牲になったり悲しみを抱いていることは自分が事件を解決したんだからそれも解決したとしか思ってないんだろうな・・・というようにその笑顔を見る度に感じるようになっていった。事件を解決した後に悪いと思っていないどころか、これがさも俺達のデートだろうとばかりに平然としていたようなことしか言ってこなかったのも相まってだ。
だから蘭としては新一に対する気持ちが徐々に落ち込んでいく事になるのだが、そこに更に新一への気持ちを離す一因があった・・・それは荒垣との交流により、荒垣に次第に惹かれ始めていったことにあった。
この事に関してはある意味では必然であった・・・今でこそ蘭は新一に対して疑問に疑念を抱いているがそれまでは新一に対して表向きは否定したり恥ずかしげにしながらも、内心では恋に夢中でしかなかったのだ。そんな夢中になった対象がどんどんと評価を下げていくのは、さながらこれまで心中を大きく占めていた存在が小さくなっていくようなものであり・・・恋をずっとしてきた蘭にとって、まるで部屋の大部分を占めて膨らんでいた大きな風船が空気が抜けてしぼんでしまってきたような物であった。
これに関しては新一への思いが小さくなってしまったから当然と言えば当然なのだが、そうしてしぼんでしまっていってるからこそ広くなった部屋の中に目が行くようになると共に・・・前から確かに存在はしてはいたが新一を魅力的と思えなくなると共に、その新一とは違う魅力を持つ荒垣に対して新一に向けていた分の気持ちを膨らませる形になっていったのである。普段は寡黙ながらも聞いたことにはちゃんと返してくれるし、雰囲気が怖いという見た目に反して家庭的でいて料理がうまく、ぶっきらぼうな言葉遣いながらも優しく声をかけてくれること・・・そして何よりも新一と違い一緒にいても事件と出会す事がないこともだが、事件と出会う事を望んでないと本心から分かる様子にだ。
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ただそういった気持ちは抱きつつも、新一が蘭の事を恋愛対象として見ている事は小五郎や荒垣達の目から見て明らかであった。何故ならその一年の間で警察に呼ばれる事や日常の中で事件に出会しやすいのが変わらない中で、そうそう頻繁ではないにしても蘭をデートに誘うことがあったからだ。
このデートに誘うということに関しては新一としては高校に入る前くらいからの荒垣の介入によって蘭の心が離れだしているのを危惧してというのもあるだろう上で、新一としても好きだからこそ蘭と一緒にいる時間を確保して前のように気持ちを引きたいという思いがあったからそうしたのであろうが・・・そういった目論見があっただろうデートに関しては、ことごとくが失敗に終わることになった。
その理由は至って単純で新一がデートに誘って、まだ完全に気持ちが切れてない蘭もならと断る理由がない時は行くことにするのだが・・・そのことごとくで事件が起きてデートが一転して新一の推理ショーに早変わりしていったのだ。
ここで以前の蘭だったら真剣に推理をしていく上で謎が解けたという笑みに惚れ込むなんて流れがあったのだが、今の蘭はそれまでの新一のだらしない部分を見てきたことも加わって推理が出来る事件に出会せて自分でそれを解決出来る喜びに満ちた笑みであって、誰かが犠牲になったり悲しみを抱いていることは自分が事件を解決したんだからそれも解決したとしか思ってないんだろうな・・・というようにその笑顔を見る度に感じるようになっていった。事件を解決した後に悪いと思っていないどころか、これがさも俺達のデートだろうとばかりに平然としていたようなことしか言ってこなかったのも相まってだ。
だから蘭としては新一に対する気持ちが徐々に落ち込んでいく事になるのだが、そこに更に新一への気持ちを離す一因があった・・・それは荒垣との交流により、荒垣に次第に惹かれ始めていったことにあった。
この事に関してはある意味では必然であった・・・今でこそ蘭は新一に対して疑問に疑念を抱いているがそれまでは新一に対して表向きは否定したり恥ずかしげにしながらも、内心では恋に夢中でしかなかったのだ。そんな夢中になった対象がどんどんと評価を下げていくのは、さながらこれまで心中を大きく占めていた存在が小さくなっていくようなものであり・・・恋をずっとしてきた蘭にとって、まるで部屋の大部分を占めて膨らんでいた大きな風船が空気が抜けてしぼんでしまってきたような物であった。
これに関しては新一への思いが小さくなってしまったから当然と言えば当然なのだが、そうしてしぼんでしまっていってるからこそ広くなった部屋の中に目が行くようになると共に・・・前から確かに存在はしてはいたが新一を魅力的と思えなくなると共に、その新一とは違う魅力を持つ荒垣に対して新一に向けていた分の気持ちを膨らませる形になっていったのである。普段は寡黙ながらも聞いたことにはちゃんと返してくれるし、雰囲気が怖いという見た目に反して家庭的でいて料理がうまく、ぶっきらぼうな言葉遣いながらも優しく声をかけてくれること・・・そして何よりも新一と違い一緒にいても事件と出会す事がないこともだが、事件と出会う事を望んでないと本心から分かる様子にだ。
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