舞い戻った一つの仮面により感情は移ろう

「その上でこの辺りのことに関しては毛利に早い内に話をしておいた方がいいと思いますが、毛利さん自身も以降の工藤家との付き合い方を考えた方がいいんじゃないかと思います・・・外国ではこうだなんだといった話には興味はありませんし根拠はこうだみたいなことを言うかは分かりませんが、少なくとも俺から言わせれば工藤の両親の取ろうとしている行動は人の親としちゃ無責任だと言わざるを得ないと思いますから」
「・・・確かにその辺りについちゃ少し考えた方がいいかもな・・・まぁその点じゃ新一に一人暮らしさせること自体を止めさせたいとこだが、三人の中じゃもう決まってる事だろうからな・・・取り敢えずそこら辺は俺自身でどうするか考えてみるよ・・・」
そうして蘭にもだが小五郎にも考えてもらう必要についてを投げ掛ける荒垣に対し、小五郎は重くそうすると返した。最早今までの事から工藤家の事を軽く見ることは出来ないと・・・


















・・・そういった会話を二人がした後で時間は進み、荒垣の元に小五郎から連絡が入った。それは蘭は一人暮らしの新一の世話を焼かないようにするというものであり、蘭いわく話を聞いてみると新一を自然と甘やかすようなことをするのは良くないという考えになったらしいとの事だったそうだ。

それで荒垣も納得した所で時間は進んで新一と蘭が高校に入る時が来たのだが・・・それから三ヶ月の経過についたのを確認してから荒垣が蘭から新一の様子について聞いていくと、最初の内の一ヶ月は一人暮らしで自由に出来ることから楽しそうにしていたが、それからの二ヶ月程の時間はテンションが次第に落ちていっていたとのことだった。やはりというか自分一人で炊事洗濯掃除といった家事全般をやることに関して負担を感じているように見られる上で、蘭が感じたこととしては自分が手伝いというか世話を焼きに来ない事が地味にキているんじゃないかと思ったとの事だった。

そう聞いた荒垣はだろうなと納得しつつ返した・・・小五郎達には言っていないが、新一だけじゃなく優作達も心の何処かで蘭が甲斐甲斐しく新一の世話をしに来るのを計算というか、自然としに来る物だろうと考えていだろうがそれをしないようにと荒垣は制止をかけた。その結果として新一は一人で暮らす上での家事全般をやらないといけなくなったというか、一人でやるしかないのだ。中学までやむを得ない場合を除いての家事を全部有希子にやってもらっていた新一からしたら、然程家事を積極的にしようと思うタイプでなかったのも相まってキツいというようにしか思えないのだろう。

その上で荒垣は三ヶ月様子見のような形にするよう勧めたからこれからどうしたいのかと蘭に聞くと、複雑そうに迷うような顔をしながらも世話はしないようにすると答えた・・・実際の所として手助けというか世話を焼きたいと思う部分があることは否定は出来ないけれど、お父さんや荒垣さんに言われた事から推理や事件にかまけてるからこうなってる部分もあるんだろうと考えたから、そんな新一を軽々しく助けるようなことをしたら良くないと思ったと。

だから本当にどうしようもないくらいの状況だって判断出来るくらいの時に手を出すくらいにすると蘭は返し、荒垣もそう考えているならそれでいいと返すのだがその流れのままに蘭は何とも言えないといった気持ちを口にしていった・・・前だったら新一の事を新一らしいと思うくらいで特に深く考えていなかったけど、荒垣さんからの話を受けたからというのもあるけれどそこまで家事をやるより推理や事件に集中したいみたいな姿を見てきて、本当に今のままで新一はいいのかということもだけど自分は新一と仲良くしていってもいいのかと。









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