舞い戻った一つの仮面により感情は移ろう

「シンジ・・・お前、帝丹高校に行くというのか?」
「あぁ・・・色々言ってはきたが、毛利の事に関しちゃ完全に大丈夫だと言える程じゃねぇ。そして高校生活をどう送るかによっちゃ、毛利は色々と迷うことになっちまうだろう。そうなりゃ親父さんも含めて面倒なことになりかねねぇ」
「だからお前はあいつらが行くだろう帝丹高校に行くということか・・・なら私は止めんが、助けが必要ならいつでも連絡してくれ。私にとってもあいつらは後輩だからな」
「あぁ、その時があればな」
・・・中学のとある教室の一角にて、荒垣に真田に美鶴の三人は主に荒垣の進路についてを話し合っていた。と言っても荒垣が自身の判断についてを迷いなく理由と共に話した事で、二人共に笑顔を浮かべた。是が非でも反対する理由でもないし、荒垣自身が真面目に考えたことなのだからと。


















・・・そうして荒垣は一人仲間内から外れる形で帝丹高校に通うことにしたのだが、そうして高校に通う中で荒垣は高校の終わりにとある場所を度々訪れていた。その場所とは・・・



「・・・どうも、毛利さん。仕事は順調ですか?」
「あぁ、荒垣か。まぁ普通に食えるくらいは仕事は来てるくらいだな」
「そいつは良かった・・・それで毛利は?」
「一応今日からしばらく大会前で部活で遅くなるって言われたから、新一とは帰る時間はズレるだろうな。だから特に今週は心配しちゃいねーよ」
「それなら良かった・・・これ、作ったもんです。良かったらメシの時にでも食べてください」
「わりぃな、いつもじゃないっつってもこうして手土産を持ってきてもらってよ」
・・・荒垣が向かったのは、毛利探偵事務所である。
そこで勝手知ったるとばかりに入ってきた荒垣に小五郎も自分の机から立ち上がって荒垣が腰かけた椅子の前の椅子に座り応対するが、荒垣がバッグの中から取り出したビニール袋を嬉しそうに受け取りつつ横に置くが・・・そこで小五郎は何とも言いがたそうな表情に変わってしまった。
「・・・何かあったんですか?毛利さん」
「あ~・・・新一っつーか優作さんに有希子ちゃんも交えてのもんなんだがな・・・あの二人、新一が高校に行くタイミングで海外で暮らすようにするって言い出したんだよ。そして新一は別に構わないって返したとも言ってたらしいんだ」
「・・・は?」
「お前の言いたいことは分かる。新一を信頼してるからだとか俺なら大丈夫だみたいな気持ちがあるから三人はそんなことを進めようとしているらしいが、それが端から見りゃネグレクトだとか自信過剰な行動に思えるみたいなことだろ。実際俺も蘭が新一から高校からこういったことから一人暮らしするみたいな話をされたって聞いた時、マジなのかって速攻で二人に連絡したぞ」
「・・・それで二人の反応はどうなのかは、大方予想はつきますが・・・」
「あぁ、新一なら心配いらないし大丈夫だっつってたよ。そんで新一当人も一人暮らしを楽しみにしてるみたいな様子だとな・・・」
「やっぱりそんなところですか・・・」
そんな様子に荒垣はどうしたのかを尋ねるのだが、小五郎が脱力気味に漏らしていくその中身に同じように力が抜けるのを感じながら受け止めるしかなかった。工藤家の三人がいかなことを考えて行動に移そうとしているのかを聞き、色々とおかしいと思い。









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