かっさらわれる獲物と突き付けられる自分本意
「工藤新一からしたら安室もそうだけど、FBIの面々も組織の壊滅を共に行おうとする同士って立場にいる・・・いや、正確には協力者となっていた時間の長いFBIの方が安室より信じる対象になっていたんだ。それに対して安室はハッキリと協力関係を結んでいたかというと、そのFBIの男と関係が悪かったのもあって敵じゃないにしても完全な味方って言うにも微妙な立場だった・・・だから工藤新一からしたらFBIに対する仕打ちは許せなかったんだろうさ」
「だがそれでごめんで撤回する程甘い安室君ではないだろう」
「そりゃな。だから安室はこう返したんだよ・・・今現在毛利さんを利用するだけしておいて事実を何一つ言おうとしない身勝手な君にもだが、君のその行動を黙認している君の両親にはそんなことを言われたくないって盛大な皮肉でな。そう言われた工藤新一は滅茶苦茶に言葉を詰まらせてたぜ」
「それはそうだろうが・・・そんな反応についてを聞くと、尚更に毛利小五郎が不憫になるな・・・例え利用されている事に気付いていないという責はあるかもしれんが、その反応の様子ではそう言われるまでは一切工藤新一には利用しているという後ろめたさどころか、端から見たら家族ぐるみでこうしているのだという自覚すら無かったのだろうと考えるとな・・・」
ルパンはいかなことを新一が安室に言ったかに、何を返されたのか・・・それらを話していく中で名前が出てきた毛利小五郎のことを聞いて、複雑さを隠せないといった表情を浮かばせた。
・・・毛利小五郎とは新一が『江戸川コナン』を名乗って活動するにあたり、昔から家族付き合いで仲が良かったこともある人物であったが・・・探偵という職業に就いていたことから『江戸川コナン』として立場を利用され、組織を追うために名探偵として仕立て上げられた存在である。
そんな存在について銭形はついさっきにルパンの話から聞いたのだが、話を聞いた印象として散々何度も何度も利用されてきたのに気付くことがないその鈍さには呆れる部分はあったのだが・・・それ以上に親も新一に協力しているという事を聞いたのも相まって、哀れに思ったのである。新一達からしてみるなら色々と気を遣ってといった言い分はあるのかもしれないし悪意もないのだろうが、何も知らされないまま踊らされる人形といった立場に立たせているのにそれを最善だと親交のある人物達から思われているなど・・・端から見るとあまりにも小五郎が不憫にしか思えないと。
「ま、そこで安室も自分も毛利小五郎の事を騙してたってことの後悔の念も相まってなんだろうけど、工藤新一にはデータを使わせる条件についてこう告げたのよ・・・もし元の姿に本当に戻れたならその後は本当の偶然ならどうしようもないけれど、自分を含めた公安に接触は許さないし偶然を装うだとかで接点を持とうとするなら尚更君達の事は許さないし、罰を与えるようにするってのがまず第一の条件ね」
「・・・確かにそれくらいは工藤新一のやってきたことを考えれば安室君がもう信じる気はないとなるのも当然だろうが、第二の条件は?」
「そこからはちょっと長くなるからその条件についてだけ先に話すと・・・両親を日本に呼び戻した上で自分が立ち会いの元で毛利小五郎やその娘に両親と共に全部話した後、『江戸川コナン』の後始末をちゃんとやれというもんだよ」
「それは・・・いいのか?ワシも組織の事については終わったことではあっても一般には広めるなと口酸っぱく言われたが、そんなことをするなど・・・」
「そこら辺は安室が自分の気持ちもあるのは否定しない上で公安の上層部には自分から話を通すからで前置きはしたけど、一番の理由は下手に『江戸川コナン』がいきなりいなくなる事についての危惧を考えての事だって言ってたよ」
そんな複雑そうな銭形に新一側に出した条件についてを話すルパンの話の中で第二の条件に眉を盛大に寄せるが、ルパンはそこで銭形に背を向ける形で肩を竦める。
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「だがそれでごめんで撤回する程甘い安室君ではないだろう」
「そりゃな。だから安室はこう返したんだよ・・・今現在毛利さんを利用するだけしておいて事実を何一つ言おうとしない身勝手な君にもだが、君のその行動を黙認している君の両親にはそんなことを言われたくないって盛大な皮肉でな。そう言われた工藤新一は滅茶苦茶に言葉を詰まらせてたぜ」
「それはそうだろうが・・・そんな反応についてを聞くと、尚更に毛利小五郎が不憫になるな・・・例え利用されている事に気付いていないという責はあるかもしれんが、その反応の様子ではそう言われるまでは一切工藤新一には利用しているという後ろめたさどころか、端から見たら家族ぐるみでこうしているのだという自覚すら無かったのだろうと考えるとな・・・」
ルパンはいかなことを新一が安室に言ったかに、何を返されたのか・・・それらを話していく中で名前が出てきた毛利小五郎のことを聞いて、複雑さを隠せないといった表情を浮かばせた。
・・・毛利小五郎とは新一が『江戸川コナン』を名乗って活動するにあたり、昔から家族付き合いで仲が良かったこともある人物であったが・・・探偵という職業に就いていたことから『江戸川コナン』として立場を利用され、組織を追うために名探偵として仕立て上げられた存在である。
そんな存在について銭形はついさっきにルパンの話から聞いたのだが、話を聞いた印象として散々何度も何度も利用されてきたのに気付くことがないその鈍さには呆れる部分はあったのだが・・・それ以上に親も新一に協力しているという事を聞いたのも相まって、哀れに思ったのである。新一達からしてみるなら色々と気を遣ってといった言い分はあるのかもしれないし悪意もないのだろうが、何も知らされないまま踊らされる人形といった立場に立たせているのにそれを最善だと親交のある人物達から思われているなど・・・端から見るとあまりにも小五郎が不憫にしか思えないと。
「ま、そこで安室も自分も毛利小五郎の事を騙してたってことの後悔の念も相まってなんだろうけど、工藤新一にはデータを使わせる条件についてこう告げたのよ・・・もし元の姿に本当に戻れたならその後は本当の偶然ならどうしようもないけれど、自分を含めた公安に接触は許さないし偶然を装うだとかで接点を持とうとするなら尚更君達の事は許さないし、罰を与えるようにするってのがまず第一の条件ね」
「・・・確かにそれくらいは工藤新一のやってきたことを考えれば安室君がもう信じる気はないとなるのも当然だろうが、第二の条件は?」
「そこからはちょっと長くなるからその条件についてだけ先に話すと・・・両親を日本に呼び戻した上で自分が立ち会いの元で毛利小五郎やその娘に両親と共に全部話した後、『江戸川コナン』の後始末をちゃんとやれというもんだよ」
「それは・・・いいのか?ワシも組織の事については終わったことではあっても一般には広めるなと口酸っぱく言われたが、そんなことをするなど・・・」
「そこら辺は安室が自分の気持ちもあるのは否定しない上で公安の上層部には自分から話を通すからで前置きはしたけど、一番の理由は下手に『江戸川コナン』がいきなりいなくなる事についての危惧を考えての事だって言ってたよ」
そんな複雑そうな銭形に新一側に出した条件についてを話すルパンの話の中で第二の条件に眉を盛大に寄せるが、ルパンはそこで銭形に背を向ける形で肩を竦める。
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