かっさらわれる獲物と突き付けられる自分本意
「江戸川コナン・・・ワシもこの数ヶ月で名前くらいは新聞などで知ることがあったが、何でそんな子どもが組織に関わろうと・・・」
「・・・それに関しては僕は全てを彼から聞いた訳ではないので確実にこうだという話が出来るわけではないんですが、一連の流れから考えると彼も組織の被害者であり組織を追う者だという事は確実だと見ています。ただそういったように考えられるようになった時にはもう表の立場もあってコナン君と仲良くなると共に、そのFBIの面々とも関わることになったんですけれど・・・」
「それで、安室君はワシに何を言いたいんだ?そいつらとも協力をしたいのか、それともそうしたくないのか・・・あるいはどちらの気持ちもあるから迷っているのか?」
「・・・迷っているが近いですね。もっと正確に言うならFBIだけ除いて、コナン君だけを引き込みたいけれど引き込まない方がいいのではというように考えて・・・」
「だからワシにどうするべきか聞きたいということか・・・」
・・・それで江戸川コナンやFBIの面々についてもだがどう考えているのかについてを安室が複雑そうに語り終わると、銭形は腕組みをして少し目を閉じた後に開眼して口を開く。
「・・・こちら側がどうするか問い掛ける道理はない。そのFBIに江戸川コナンが後から聞いてどう行動するかは知らんが、ワシはそいつらに何も言わずに行動するでいいと思う」
「それは・・・銭形さんがそう思った理由は何ですか?」
「単純にそいつらからワシらのように協力をしてほしいだとか、協力をするみたいな申し出が無いのにこちらからどうするかと言い出すのは筋違いと思ったからだ。ワシは日本人ではあるがICPOという機関に所属していて日本での捜査権がないから公安に協力を頼んで協力してもらうことになったが、話を聞いた限りでは江戸川コナンも含めて公には出来んとは言え協力しようとの申し出などなく勝手に組織を追う為に行動しているのだろう・・・FBIからすればここが日本であり警察に協力を頼むのが筋である筈なのにそれをしないのはどうかと思うし、江戸川コナンに至ってはFBIですらない個人のように安室君の話から感じたが、事情はあるのだろうがあんな小さな子どもを大の大人が頼りにするどころか危険に晒すなど・・・とてもワシは許せる事じゃない・・・!」
「「「「っ・・・!」」」」
そんな声に対して自身の考えを語っていく銭形だが、最後に漏らした怒りの滲む声に安室を含めた場にいる公安の面々がハッキリと息を呑むと共に視線を気まずげに逸らした・・・今までコナンが事件もそうだが組織に関わることを普通のように思ってきたが、銭形の大人としての怒りは端から見れば抱いて当然の感情であると同時に自分達がいかに子どもを危険に晒して何もしてこなかったのか・・・それらを今この場で突き付けられたが為に。
「・・・すみません、銭形さん。貴方の言葉で目が覚めました。今回のこともそうですけれど、以降の事にはコナン君を関わらせないようにしたいと思います・・・彼の事情に関しては今はおおよその予想はついていますが、例え色々と理由があって周囲に事実を言えなかったとしても銭形さんに言われたことから、何もこちらに言ってこないコナン君を引き入れるなんてとんでもないと今なら思いますから・・・」
「そうか・・・安室君はこのように言っているが、君達も同じような気持ちか?」
「・・・はい、同じ気持ちです。むしろそのように言われたからにはあの子どもをこれ以上のさばらせないように動いていこうという気持ちになりました・・・!」
「そうか・・・」
そして安室は後悔を滲ませる表情で理解出来たと漏らし、銭形が後ろの面々に確認を取ると風見が意を決した様子で強い口調で返していき、後ろの面々も同意するよう吹っ切った様子にそっと目を閉じ口元を微かに笑ませた。
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「・・・それに関しては僕は全てを彼から聞いた訳ではないので確実にこうだという話が出来るわけではないんですが、一連の流れから考えると彼も組織の被害者であり組織を追う者だという事は確実だと見ています。ただそういったように考えられるようになった時にはもう表の立場もあってコナン君と仲良くなると共に、そのFBIの面々とも関わることになったんですけれど・・・」
「それで、安室君はワシに何を言いたいんだ?そいつらとも協力をしたいのか、それともそうしたくないのか・・・あるいはどちらの気持ちもあるから迷っているのか?」
「・・・迷っているが近いですね。もっと正確に言うならFBIだけ除いて、コナン君だけを引き込みたいけれど引き込まない方がいいのではというように考えて・・・」
「だからワシにどうするべきか聞きたいということか・・・」
・・・それで江戸川コナンやFBIの面々についてもだがどう考えているのかについてを安室が複雑そうに語り終わると、銭形は腕組みをして少し目を閉じた後に開眼して口を開く。
「・・・こちら側がどうするか問い掛ける道理はない。そのFBIに江戸川コナンが後から聞いてどう行動するかは知らんが、ワシはそいつらに何も言わずに行動するでいいと思う」
「それは・・・銭形さんがそう思った理由は何ですか?」
「単純にそいつらからワシらのように協力をしてほしいだとか、協力をするみたいな申し出が無いのにこちらからどうするかと言い出すのは筋違いと思ったからだ。ワシは日本人ではあるがICPOという機関に所属していて日本での捜査権がないから公安に協力を頼んで協力してもらうことになったが、話を聞いた限りでは江戸川コナンも含めて公には出来んとは言え協力しようとの申し出などなく勝手に組織を追う為に行動しているのだろう・・・FBIからすればここが日本であり警察に協力を頼むのが筋である筈なのにそれをしないのはどうかと思うし、江戸川コナンに至ってはFBIですらない個人のように安室君の話から感じたが、事情はあるのだろうがあんな小さな子どもを大の大人が頼りにするどころか危険に晒すなど・・・とてもワシは許せる事じゃない・・・!」
「「「「っ・・・!」」」」
そんな声に対して自身の考えを語っていく銭形だが、最後に漏らした怒りの滲む声に安室を含めた場にいる公安の面々がハッキリと息を呑むと共に視線を気まずげに逸らした・・・今までコナンが事件もそうだが組織に関わることを普通のように思ってきたが、銭形の大人としての怒りは端から見れば抱いて当然の感情であると同時に自分達がいかに子どもを危険に晒して何もしてこなかったのか・・・それらを今この場で突き付けられたが為に。
「・・・すみません、銭形さん。貴方の言葉で目が覚めました。今回のこともそうですけれど、以降の事にはコナン君を関わらせないようにしたいと思います・・・彼の事情に関しては今はおおよその予想はついていますが、例え色々と理由があって周囲に事実を言えなかったとしても銭形さんに言われたことから、何もこちらに言ってこないコナン君を引き入れるなんてとんでもないと今なら思いますから・・・」
「そうか・・・安室君はこのように言っているが、君達も同じような気持ちか?」
「・・・はい、同じ気持ちです。むしろそのように言われたからにはあの子どもをこれ以上のさばらせないように動いていこうという気持ちになりました・・・!」
「そうか・・・」
そして安室は後悔を滲ませる表情で理解出来たと漏らし、銭形が後ろの面々に確認を取ると風見が意を決した様子で強い口調で返していき、後ろの面々も同意するよう吹っ切った様子にそっと目を閉じ口元を微かに笑ませた。
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