かっさらわれる獲物と突き付けられる自分本意

そう言われたICPO側はなら動くことにすると頷くと共に、公安に密かにコンタクトを取って銭形と協力出来るようにすると言ったのだが・・・その時のICPOの上層部の面々はルパンが関わらない銭形の頼もしさを感じる様子に、このまま組織を壊滅させた後もルパンに関わらず別の事案に携わって欲しいと思わずにはいられなかった。ルパンが切っ掛けで組織の情報を得られたという切っ掛けはあってもこれだけ鋭く切り込める銭形なら、ルパンがイキイキ活動をすることにさえ目を瞑れば他の凶悪犯罪に対しての重大な戦力になるのに・・・と。


















・・・そうしてICPO側が公安に秘密裏にコンタクトを取り、組織の事について少しずつ段階を踏んで話をしていった。組織の事はそちらも知っているのかだったり、知ってるならこちらに協力をしてボスやラムの捕縛に協力をしてもらえないかと小出しに話をしていき、迂闊に情報を漏らさない上で確実に協力をしてもらうためにだ。

そんなICPO側に対して公安側も慎重に返していくのだが、そうして進めていく話の中で組織のボスやラムの正体が分かったこと及びその急襲についての協力を持ち掛けられた事には、たまらず連絡を受けた公安側は驚くしかなかった。公安としても組織の壊滅及びボスの正体の把握の為に動いていたが、まさかその情報をICPOが掴んでいたのだということに。

しかし自分達がそれを掴めなかったことについて思うことはあれども、公安からしても願ってもない情報と好機・・・そう考えたことから、公安側はICPOと協力をすると返すと共に組織を追う組と銭形を引き合わせるようにすると返事を返した。そして少し時は経ち、その組織を追う組の責任者である人物と銭形は対面することになる・・・


















「・・・そちらが公安の代表か」
「はい・・・上からは許可をもらっているので率直に名乗りますが、僕は組織にバーボンというコードネームで入り込んでいる者で表向きは安室透と名乗っています。本名は別にありますが、表向きの立場があるため安室と呼んでください」
「分かった。俺は銭形だ。よろしく頼む、安室君」
・・・そうしてとあるビルの一室にて。
背後に公安の人間を数人つけた安室と会い、互いに笑顔で軽い挨拶を交わしながら固く握手をかわす。
「さぁ、早速これからどう動くかについて話をしよう。君の立場上あまり長いこと時間をかけるのは良くないだろうからな」
「・・・その事なのですが、少しこちらの話を聞いてもらっていいでしょうか?早く終わった方がいいというのは確かなんですが、こちらとしては今から話すことについてを言っておかないと色々と面倒だったり判断がつかないことがありますので・・・」
「・・・分かった。まずはその事について聞こう」
それで手を離して早速と本題に入らんとする銭形に安室は複雑そうな表情で話したいことがあると切り出したことに、重く頷いて話を聞くと返す。何があるというのを察して。


















・・・そうして銭形は安室から話を聞いていった。簡単にまとめるならスパイとして活動する傍らで『安室透』としてポアロという喫茶店に入り込んで表向きに活動しているのだが、その中で同じように組織を追うFBIの人間が近くにいることもそうだが・・・江戸川コナンも組織に関わるために動いているのだということを。









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