人の愛も仮面も変わるもの
「美鶴さん達からしたらこんな条件は新一には厳しくないんじゃないかと思うかもしれません・・・ただそれは私達からしたら新一にこの一年で私達の存在が新一の帰る場所として、絶対に必要なのかを投げ掛けるための期間にしようとこういう風にしたんです」
「・・・その期間にはどんな狙いがあるんだ?」
「多分っていうか新一は言葉じゃ私達がいないと寂しいだとか、空いた時間に会いたいみたいなことを言ってくるんじゃないかって思います・・・けれどそんな風に言いはしても、仕事に対する姿勢を改めはしないというのは間違いないだろうと思いますし、家事や食事だとかについてもハウスキーパーだとか外食で済ませてそれで終わりになるだろうなって予想がつきます。ただそんな風にするっていうことは、新一が家の事や自分の事をやるみたいな時間を取らないという証明になります」
「成程・・・つまりこの一年は工藤に再婚する必要があるのかをその生活から突き付ける為の実績にしようというわけか。その生活ぶりから本当に毛利とやり直す意味だとかはあるのか、その一年で仕事に対する姿勢の改善が見られるかも併せてと」
「はい、そういうことです。そして私達は新一はその意図についてを理解はしても、実際にはまず行動には移さないだろうと見ていますし・・・そうだったならもう絶対に復縁はしないというように言います」
そんな蘭が試しの期間だというように話をしていく中で美鶴もその狙いを理解したと漏らすのだが、その結果次第で復縁はしないだろうとハッキリ蘭は迷わず言い切った。
「お父さん達とも話し合ったんですけど、私は何度も新一にどうにかするようにって言ってきました・・・そうして離婚までしたのにそれでも改善しないならもう私がそれにもう一度付き合う理由はありませんし、お父さん達にももう一年経ってもそうなら再婚なんてする意味ないと言われましたし、新一を哀れにだったり思ってで再婚すると選ぶなら絶縁も考えるレベルだって言われました」
「それはそうだろう。私もお二人の立場に立って毛利から再婚するなど言い出されたなら、絶縁まではともかく勝手にしろと言うのは確かだろう。だが毛利当人がもうそこまで言っているのなら、工藤がただやり直したいというくらいでは断固として受け入れる気はないのは分かるが・・・昔の毛利の工藤への接し方を知っている私からしたなら、改めてよく決断した物だと思うよ」
「・・・確かに昔の私だったなら顔を赤くしながら新一と離れるのは嫌だって、新一のことが好きだからこそそう言っていたと思います。でももう人として好きかどうかで言うなら嫌いじゃないにしても、男性や夫として新一を愛せるかと聞かれたらもうそれは新一が変わらない限り無理だってハッキリ言えます」
そうして小五郎達とも話した事を口にして返されたというその中身に美鶴は同意しつつしみじみ昔と違うと漏らすと、蘭は言葉通りに揺れることなく返す。もう新一を愛せない、と誤魔化すような響きなど一切なく真剣に。
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「・・・その期間にはどんな狙いがあるんだ?」
「多分っていうか新一は言葉じゃ私達がいないと寂しいだとか、空いた時間に会いたいみたいなことを言ってくるんじゃないかって思います・・・けれどそんな風に言いはしても、仕事に対する姿勢を改めはしないというのは間違いないだろうと思いますし、家事や食事だとかについてもハウスキーパーだとか外食で済ませてそれで終わりになるだろうなって予想がつきます。ただそんな風にするっていうことは、新一が家の事や自分の事をやるみたいな時間を取らないという証明になります」
「成程・・・つまりこの一年は工藤に再婚する必要があるのかをその生活から突き付ける為の実績にしようというわけか。その生活ぶりから本当に毛利とやり直す意味だとかはあるのか、その一年で仕事に対する姿勢の改善が見られるかも併せてと」
「はい、そういうことです。そして私達は新一はその意図についてを理解はしても、実際にはまず行動には移さないだろうと見ていますし・・・そうだったならもう絶対に復縁はしないというように言います」
そんな蘭が試しの期間だというように話をしていく中で美鶴もその狙いを理解したと漏らすのだが、その結果次第で復縁はしないだろうとハッキリ蘭は迷わず言い切った。
「お父さん達とも話し合ったんですけど、私は何度も新一にどうにかするようにって言ってきました・・・そうして離婚までしたのにそれでも改善しないならもう私がそれにもう一度付き合う理由はありませんし、お父さん達にももう一年経ってもそうなら再婚なんてする意味ないと言われましたし、新一を哀れにだったり思ってで再婚すると選ぶなら絶縁も考えるレベルだって言われました」
「それはそうだろう。私もお二人の立場に立って毛利から再婚するなど言い出されたなら、絶縁まではともかく勝手にしろと言うのは確かだろう。だが毛利当人がもうそこまで言っているのなら、工藤がただやり直したいというくらいでは断固として受け入れる気はないのは分かるが・・・昔の毛利の工藤への接し方を知っている私からしたなら、改めてよく決断した物だと思うよ」
「・・・確かに昔の私だったなら顔を赤くしながら新一と離れるのは嫌だって、新一のことが好きだからこそそう言っていたと思います。でももう人として好きかどうかで言うなら嫌いじゃないにしても、男性や夫として新一を愛せるかと聞かれたらもうそれは新一が変わらない限り無理だってハッキリ言えます」
そうして小五郎達とも話した事を口にして返されたというその中身に美鶴は同意しつつしみじみ昔と違うと漏らすと、蘭は言葉通りに揺れることなく返す。もう新一を愛せない、と誤魔化すような響きなど一切なく真剣に。
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