人の愛も仮面も変わるもの

・・・そうして湊は美鶴達の元に戻り、一連の流れについてを話し終えるともう後は以降の流れは静観で行こうという方針になった。一応昔の知り合いであり事情を聞いたからある程度の助言や手助けをしてきたが、もう以降は当事者達同士でやる段階に入ったからこれで自分達は済ませようと。


















・・・そうして新一と蘭が別居生活を始めてから一年という時間が経つのだが、結論から言うのなら二人は離婚する事になった。やはりというか一年の時間を一人で過ごしても新一の考え方は変わることはなかった為、もう蘭としては結婚している意味が無いという意志を貫いた結果であった。

ただそれでも新一は蘭への気持ちはあったからどうにか離婚を回避しようとしたが、英理から紹介してもらった弁護士が蘭についたことに加えて探偵としての仕事を不定休だからとか依頼人がいるからと理由を口にしても・・・一応定休日など作ってちゃんと意図して休みを設けなかった事は、蘭の何度にも至る望みに応えることをしなかったことから十分な時間を取ることが出来ず、新一は分かってくれと言うだけで済ませようとしたことから今のように夫婦関係の破綻を招いた・・・というように言われたことから、新一はうまく言葉を返せないままに終わることになってしまったのである。事実蘭の声に言葉を向けるだけで、改善の為の行動は一切してこなかったのは否定出来なかった為にだ。

そうして新一はここでごねた所で夫として家庭を維持する為に最低限やらなければならないことをやっていなかったことから、例え裁判になっても離婚を覆すのは弁護士をつけても難しいだろうこともそうだがそうなれば裁判に時間を拘束されてしまうことになる・・・そう弁護士から聞かされた新一は蘭からの離婚を受け入れることを選択したのである。

そうしたのは裁判に負ける可能性が高いということも勿論あるが、裁判となれば探偵として築き上げてきた評判が傷付きかねないのに加えて、長時間裁判の為に時間を使いたいなど新一は思わないからだ・・・まだ新一に勝ち目があるなら離婚を避けるためにも裁判に挑んでいただろうが、事件や謎に関われない時間を負ける前提で多大に使うなんて事はしない方がいいと理屈的に考え方が故だ。

その為に新一は蘭と離婚することを選ばざるを得なかったのだが、ただ離婚に際して出した条件はそこまで厳しい物はなかった。財産分与は無しにしたし養育費もこれだけ出せと強要はしていないし、子どもや蘭との接見は許可無しでもいいというものだ・・・だがそんな緩い条件の代わりに確実に守ってほしいという条件が蘭から出された。それは・・・






「・・・一年は復縁要求はしてこないようにすること、か。そして一年が経って毛利や子どもがいない生活で、どういう風に思ったかを答えるようにしろと伝えたと・・・」
「はい・・・お父さん達と色々と考えた結果として、こうした方が新一に色々と諦めてもらうにはいいんじゃないかと話し合って出した条件です」
・・・とある喫茶店にて、美鶴と蘭が向かい合う形で話し合う形でテーブル越しに椅子に座っていた。
そこで蘭側が出した条件を美鶴が聞き、蘭は真っ直ぐな目で話をしていく。









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