人の愛も仮面も変わるもの
・・・子どもを妊娠した時の蘭はそれはそれは幸せだった。愛する新一との子どもを授かったことで子どもと共に更に幸せになれると思っていたからだ。だが実際はそうはならずに子どもを妊娠してから新一への不満は大いに募っていった。仕事人間というより謎と事件が趣味と言っても過言ではない仕事と趣味を両立させた人間だということは蘭も前々から知っていたが、それでも子どもが出来たことにより新一も自分同様に仕事をある程度でもセーブしつつ家に一緒にいてくれると当時は考えていた。何だかんだで自分達の初めての子どもなのだし、親となったのだからと。
だがそんな蘭の気持ちも空しく出産するまでもしてからも新一が家にいる時間を増やそうとすることはなく、度々仕事は子どものためにも控えてよと言っても聞くことはないままだった。そしてそのまま時間は進み園子へ話をしていき、美鶴へと話が広がり今に至るのだが・・・離婚という言葉を蘭が聞いた時、そうしたくないという気持ちもなくはなかったが、そうする方がいいという気持ちが強かった。これは新一との何度もした話し合いで新一がやり方を変えることをしなかったのもあるが、一番の理由は実はこのまま平行線の主張が続けば秘密にしなければならないことを怒りに任せて暴露しかねない・・・そう考えてしまったからであった。
これは蘭が他人から言われれば失礼だというように軽く怒るだろうが、蘭らしくなく離婚するかしないかについてのメリットとデメリットから考えていこうと、理屈的な視点から考えていったが故の結果である。気持ちはどちらにもあるというのは自覚しているからこそ、判断材料を他の事に求めないといけないと考えをまとめられないというようにだ。
そうして一人で考えていった結果として、蘭は過去の秘密にしなければならないことについて行き着いた上で考えたのである・・・もし仮に新一の態度を我慢するとして離婚をしないとなったとしても、新一が態度を改めないなら確実に何度もぶつかる事になるだろうと共にいつか我慢出来なくなって、その過去の秘密を場所や誰がいるかなど関係無くぶちまけかねない可能性があると。
というより何度か子どもが産まれた前後から何度も言い争う中で、子どもがまだ言葉を理解出来ないのを差し引いた上でその事を言ったことがあるのだ。もう今はあの時とは違うのだとか、もう大人で家族の大黒柱なんだから私や子どもの為にも仕事はしないわけにはいかないだろうけれど、あんな事そうそう起きないにしても何かあるかもしれないからそろそろ落ち着こうよ・・・というよう。
しかしそんな言葉を新一に度々ぶつけてもそれが仕事だとか俺なら大丈夫だとか、結局は蘭の言うことを聞いてくれることはなくてこれまで来た・・・その事を思い出すと外にバレなかったことに関しては蘭は思い返すとホッとしたのだが、同時に冷や汗を浮かべもした。これが誰かの耳に入っていたならとんでもない事になっていた可能性はあったし、家で口喧嘩するだけに抑えても子どもが成長して影でその場面を聞いていたなら以降にとんでもないことになりかねない事も有り得る・・・というように思ってである。
・・・もし蘭が新一と秘密を共有していなければ、まだ新一の事を完全に嫌いになっていないからだとかで離婚については考えきれてはいなかっただろう。だが皮肉にも新一への気持ちを高めてくれた筈の秘密により蘭は却って冷静になって、離婚しないと色々とまずいことになるのではないかと考えるようになったのである。決して他の人に事実を言わないようにしないといけないのに、今のままが続いてふとした喧嘩から事実を明らかにしてしまう危険性が有り得るから、それは是が非でも避けないといけないと一人で考えてだ。
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だがそんな蘭の気持ちも空しく出産するまでもしてからも新一が家にいる時間を増やそうとすることはなく、度々仕事は子どものためにも控えてよと言っても聞くことはないままだった。そしてそのまま時間は進み園子へ話をしていき、美鶴へと話が広がり今に至るのだが・・・離婚という言葉を蘭が聞いた時、そうしたくないという気持ちもなくはなかったが、そうする方がいいという気持ちが強かった。これは新一との何度もした話し合いで新一がやり方を変えることをしなかったのもあるが、一番の理由は実はこのまま平行線の主張が続けば秘密にしなければならないことを怒りに任せて暴露しかねない・・・そう考えてしまったからであった。
これは蘭が他人から言われれば失礼だというように軽く怒るだろうが、蘭らしくなく離婚するかしないかについてのメリットとデメリットから考えていこうと、理屈的な視点から考えていったが故の結果である。気持ちはどちらにもあるというのは自覚しているからこそ、判断材料を他の事に求めないといけないと考えをまとめられないというようにだ。
そうして一人で考えていった結果として、蘭は過去の秘密にしなければならないことについて行き着いた上で考えたのである・・・もし仮に新一の態度を我慢するとして離婚をしないとなったとしても、新一が態度を改めないなら確実に何度もぶつかる事になるだろうと共にいつか我慢出来なくなって、その過去の秘密を場所や誰がいるかなど関係無くぶちまけかねない可能性があると。
というより何度か子どもが産まれた前後から何度も言い争う中で、子どもがまだ言葉を理解出来ないのを差し引いた上でその事を言ったことがあるのだ。もう今はあの時とは違うのだとか、もう大人で家族の大黒柱なんだから私や子どもの為にも仕事はしないわけにはいかないだろうけれど、あんな事そうそう起きないにしても何かあるかもしれないからそろそろ落ち着こうよ・・・というよう。
しかしそんな言葉を新一に度々ぶつけてもそれが仕事だとか俺なら大丈夫だとか、結局は蘭の言うことを聞いてくれることはなくてこれまで来た・・・その事を思い出すと外にバレなかったことに関しては蘭は思い返すとホッとしたのだが、同時に冷や汗を浮かべもした。これが誰かの耳に入っていたならとんでもない事になっていた可能性はあったし、家で口喧嘩するだけに抑えても子どもが成長して影でその場面を聞いていたなら以降にとんでもないことになりかねない事も有り得る・・・というように思ってである。
・・・もし蘭が新一と秘密を共有していなければ、まだ新一の事を完全に嫌いになっていないからだとかで離婚については考えきれてはいなかっただろう。だが皮肉にも新一への気持ちを高めてくれた筈の秘密により蘭は却って冷静になって、離婚しないと色々とまずいことになるのではないかと考えるようになったのである。決して他の人に事実を言わないようにしないといけないのに、今のままが続いてふとした喧嘩から事実を明らかにしてしまう危険性が有り得るから、それは是が非でも避けないといけないと一人で考えてだ。
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