「二人が新一の事を信頼していたししっかりしていると思っていたからこそ、新一が高校に入る時には今の生活に移ったんだと思います・・・けれどそんな貴方達と交流しない生活に慣れたことで、新一は日本に貴方達がいないことが普通になってしまった。そして言葉にはしないにしても貴方達が日本に時々は戻ってくるのはまだしもにしても、自分の近くで暮らすことだとかは気持ち良くないと思うでしょうからこんなことを言ってくると思います・・・自分達の事は気にせず今までのように海外で暮らしていい、と」
「っ・・・新一からしてそれが偽らざる本音だというように思いながら言いつつも、その中には私達がいることによっての違和感を感じるだろうから湊君はそう言い出すと思っているということか・・・」
「はい。けれど今までの事があるから本当に困った事があるなら貴方達にどうにかして欲しいと連絡はしてくるでしょうが、それが終わってしまえば感謝は最初はしたとしても言い方は気持ち良くないと思いますけど、時間が経てば確実に言ってくると思います・・・もう終わったしこれでこの話は終わりと電話だったらそこで締めて、日本に帰ってきていたならもうそろそろ海外に戻ったらどうかみたいに長く滞在すればするほどに言ってくるでしょう。自分の事より貴方達の生活が大事だから戻るようにという気持ちは無いとは言わないにしても、もう役目を終えたのだから自分のテリトリーから出ていって欲しいしお節介はやめて欲しいという気持ちも持つ形でです」
「っ・・・確かに気持ちがいい話ではないし新一も私達を蔑ろにしているつもりはないのだろうが、そういったように新一がなってしまったのは私達が都合のいい呼び出しに全部応じてしまった上にさっさと帰るばかりの事を続けてしまったから・・・というように湊君は見ているということか・・・」
「貴方・・・」
湊はそんな二人に新一がいかに二人の滞在を内心で避けようとしてくるのかについて考えたことを言葉にしていき、その中身に優作はたまらず苦い顔を浮かべながらも納得出来るというように漏らし、有希子も辛そうな表情を浮かばせるしかない。
「そういった言葉が出てくるくらいには優作さんも俺の話に納得出来たのだと感じましたが、だからこそ今からここで言われた中身を受けて日本に戻るようにしても主に新一が納得しないだろう事から、いずれその生活が破綻するのが簡単に予想がつきます。だからこの件に関しては部外者であるようにしてほしいというのと共に・・・今後本当にどうしようもない事に関してはともかくとしても、この件に関してだけは新一を助けるようなことはしないで欲しいんです」
「えっ・・・ど、どうしてそんな風に言うの・・・？」
「今回の件は俺達からしたら新一が根本的に仕事に対する姿勢やら蘭達に対する考え方やらを変えないと、例え二人の取り成しからどうにかみたいな事になってもいずれ似たような事は何度も繰り返すだろうから、いたちごっこを避けるためにそんなことにならないようにって事もそうですけど・・・もっと重要なのは貴方達がこれまでの話からいずれ日本に戻るかどうかを考えているかどうかはまだともかくとしても、最後の頼みの綱だと思っている二人を召喚すれば事態が自分の思ったように解決出来るなんて風に思わせないようにしたいんです・・・確かに新一と蘭の二人が仲違いをして別れる事になるのは貴方達からしても不本意かもしれません。けれど今回そんな新一の認識を変えるには蘭との関係を自分だけでどうにかする事だったりどうにも出来ないことを認識させた上で、もう貴方達が簡単に新一からして召喚出来ないとなるなら・・・」
「新一も色々と考え方を変えざるを得ないという状態になるという訳か・・・特に新一を最終的には都合良く助けてきた私達がそうしないなら、その効果がより見込めるからと・・・」
「そういうことです」
そうして核心はここにあると湊が最終的な狙いはこうだと告げていくその中身に、優作も苦い様子ながらも理解出来たと察した声を漏らしたことに頷いて返す。









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