「・・・貴方達と新一の関係に関しては三人の中でこれが普通だというものにまとまっていたから、特に問題はなかったんだと思います。ですが蘭は子どもを身に宿した前後からそういった貴方達が普通としていたやり方やら雰囲気やらに、不満を持つようになった・・・優作さんは小説家だから家にいて有希子さんと共に子の面倒を見ることは出来たけれど、新一は探偵として家にいない時間が普通の家庭の父親と比べても忙しくて多くて、蘭からどうにか時間を取ってほしいと言われても改めることはなかった・・・それは新一がそうすることが正しいこと及び認めたくないだろうけど謎や事件に携わる事が楽しいからであると同時に、親としての貴方達のやり方を踏襲しているからだと俺は思っています。そしてそういったやり方を踏襲しているからこそ、蘭は新一との生活や行動を改めないその人格に不満を抱くようになった」
「ま、待って湊君・・・この人と新ちゃんは小説家と探偵で違う職業だから、そのまんま同じなんかじゃないんじゃ・・・」
「はい。ですが新一は自分がそういう風に貴方達に育てられてきたのたから、自分もそういうように仕事をしながら家の事を空いた時間にやっていけばいいと思ったのが・・・今の結果なんですよ。自分は貴方達のようにしているのに、何で蘭は分かってくれないのかに美鶴さん達は自分の方が悪いというように言うのかと思ってしまう形になっているように」
「「っ・・・！」」
そうして優作達のやり方を当然として真似したことが、いかにそれが蘭達からしたらズレている今の結果になったのか・・・湊の淡々とした言葉に有希子が途中で恐る恐るというように声をかけ、返ってきた中身に優作共々たまらないとばかりに顔を歪めた。自分達が今の新一達の状況を作った大元の原因だと言われ、否定したくても否定出来ないというよう。だがそんな姿を見ても湊の表情には同情といったものは浮かばず、変わらないままであった。






・・・繰り返すような形になるが優作と有希子の二人の新一への子育てに関する姿勢については、美鶴達だけでなく湊もいかがなものかという気持ちを抱いている。ただそれでも湊もまた美鶴達同様他人の家庭に口出しするのは他人の立場の自分がすることではないと思ったことに加えて、湊自身よく言っていた言葉のような気持ちがあったから・・・自分に関わらないなら別にどうでもいい、と。

ただそうして一人どうでもいいという気持ちに言葉を浮かばせていた湊だが、今回美鶴から代理という形で二人の元に行って欲しいと頼まれたからには言うことは言おうとちゃんと考えて場に臨んでいた・・・口癖のようにどうでもいいと言うことが多い湊だが、別にやらねばならないこともその一言でやろうとしない無気力な青年ではない。むしろその行動力は美鶴達の中でも一目置かれていて、その頭脳やら色々な能力の高さも折り紙付きな物だ。

だからこそ美鶴からの要請に関しても前からの付き合いもあってすぐに了承を返したし、その中身を聞いたことから色々と湊は考えた上で二人との話し合いに挑むと決めたのである。そもそもの今の状況を産み出した大元は優作達が遠因であると言うと共に、二人に取るべき行動についてを言おうと。









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