人の愛も仮面も変わるもの
・・・小五郎が名前を出した優作と有希子の二人は新一からしての両親であって、小五郎達と昔からの付き合いがある夫婦である。だが小五郎や蘭達には言ってはいないが、明彦に荒垣に美鶴達は二人の事を好きではなかった。その理由は小五郎が言った事に関わるような物だが、新一が高校生になった頃から新一を家に置いて外国で暮らすようになった上で、一年で家どころか日本にすら帰る時など一月もない方が普通な生活を続けている所だった。
一応他人の家庭の事情に首を突っ込むのは良くないと思っていた上で、当事者である新一がむしろ別にこのままでいいとばかりにイキイキとしていたことからお節介にどうにか動くべきではない・・・というように考えたのだが、やはりその優作達の在り方は明彦達は好きになれなかったのだ。小説家という仕事で様々な刺激を得るのが必要みたいな名分があるのだろうが、肉親としてまだ大人とは年齢や立場的に言えない新一を一人家に残すその姿勢を受け入れられないとしか思えなかったのだ。
そしてそんな優作達だが、明彦達が話に聞いていた限りでは大学に入って以降もだが二人にとっての孫が産まれた後もそういった生活を続けていた。流石に孫が産まれるとなった時には一月近くは日本に帰ってはきたが、それでも結局二人なら心配はないといったように海外に戻っていったとのことだ。そして今もそんな暮らしをしているとの事である。
・・・そういった二人の行動は本人達からして新一達を信頼していると言えば聞こえはいいが、明彦達から言わせれば面倒を避けて美味しいところだけ吸っていくだけで親としても祖父母の立場としてもろくに活動してないとしか思えなかった。
だが繰り返すようだが明彦達は他の家庭に口出しをするまではと思った上で、小五郎達も含めた周囲はおかしいといったことは何も言わなかった為に沈黙していたのだ。しかし今小五郎の口から二人の事をどうかと思っているような様子に、明彦達は意外だと思ったのである・・・優作達の事を友人と見ていた小五郎が、悪し様とは言わなくとも二人の事に言及したのが・・・
「・・・俺としちゃあの二人の関係を羨んだ時があった。あの二人は成功者としか言いようがない立場にずっといるし、仲睦まじくて喧嘩はしてもすぐに仲は戻って二人での暮らしを続けられてる。そんな様子に俺とは雲泥の差だって思ってたんだが・・・今となっちゃあの二人のやり方とか関係なんてのは到底普通に当てはめていいような物じゃないって思ったんだ。あれは優作さんの財力もそうだし、二人の性格があったから出来たことであって、それを見てきて普通だと思ってきた新一は優作さんのような小説家としてじゃなく探偵としてのやり方で行こうと思ってたんだろうが・・・それが子どもを産む前の蘭はまだ新一に惚れてた気持ちが変わってなかったからまだいいが、子どもを産んでから気持ちが変わっていったからこうなったんだってな」
「・・・その辺りは毛利もそうですが、奥さんにも話したんですか?」
「蘭が新一とは好きあっている筈なのになんでなのかって嘆いてたから、どうなのかって考えていくと二人の影響からなんじゃないかって俺と英理は考えていったんだよ。と言っても俺とか阿笠博士とかもそうだが、何より蘭自身があんな風に新一が暮らすことやその手伝いを当然だっていうように思ってた事に、新一が影を見せたような様子がなかったことからこれでいいんだって俺達が思ってきたから、新一はこれが普通だって風に思ったんだろうってな」
「・・・そう聞いた毛利はどんな反応をしたんですか?」
「最初は否定したそうにしていたが、俺が高校の時に一人になってからのあいつの世話をしていなかったらどうなっていたのか想像をしてみろ・・・って言ったら辛そうながらもろくに掃除なんかしなくてホコリまみれの家になってて、食事も冷凍食品とか簡単な物だったり外で食べる生活になってたのが想像出来るって言ったよ」
「そうでしょうね・・・工藤の性格から考えれば一人だったら家の中を綺麗になんてせず、自分が動く範囲だけ綺麗ならいいとくらいにしか掃除しないでしょうし、食事も献立を考えるだったり作る手間を嫌って簡単な物にしかしなかったでしょう・・・今の探偵としての生活に関してを聞いたのもあって、高校や大学の頃の工藤が探偵として以外の家事などは最低限必要なくらいしかしなかったのは俺も想像がつきます・・・」
そうして二人の影響がいかに強かったのかもそうだが、そんな二人に周囲の自分達だったり特に蘭が新一を手伝う事を当然としていたのか・・・小五郎はその事についてを話していき、明彦も複雑そうながらも納得した。新一が周りの手助けを受けていたからこそ健全な環境が保たれていたのだということに。
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一応他人の家庭の事情に首を突っ込むのは良くないと思っていた上で、当事者である新一がむしろ別にこのままでいいとばかりにイキイキとしていたことからお節介にどうにか動くべきではない・・・というように考えたのだが、やはりその優作達の在り方は明彦達は好きになれなかったのだ。小説家という仕事で様々な刺激を得るのが必要みたいな名分があるのだろうが、肉親としてまだ大人とは年齢や立場的に言えない新一を一人家に残すその姿勢を受け入れられないとしか思えなかったのだ。
そしてそんな優作達だが、明彦達が話に聞いていた限りでは大学に入って以降もだが二人にとっての孫が産まれた後もそういった生活を続けていた。流石に孫が産まれるとなった時には一月近くは日本に帰ってはきたが、それでも結局二人なら心配はないといったように海外に戻っていったとのことだ。そして今もそんな暮らしをしているとの事である。
・・・そういった二人の行動は本人達からして新一達を信頼していると言えば聞こえはいいが、明彦達から言わせれば面倒を避けて美味しいところだけ吸っていくだけで親としても祖父母の立場としてもろくに活動してないとしか思えなかった。
だが繰り返すようだが明彦達は他の家庭に口出しをするまではと思った上で、小五郎達も含めた周囲はおかしいといったことは何も言わなかった為に沈黙していたのだ。しかし今小五郎の口から二人の事をどうかと思っているような様子に、明彦達は意外だと思ったのである・・・優作達の事を友人と見ていた小五郎が、悪し様とは言わなくとも二人の事に言及したのが・・・
「・・・俺としちゃあの二人の関係を羨んだ時があった。あの二人は成功者としか言いようがない立場にずっといるし、仲睦まじくて喧嘩はしてもすぐに仲は戻って二人での暮らしを続けられてる。そんな様子に俺とは雲泥の差だって思ってたんだが・・・今となっちゃあの二人のやり方とか関係なんてのは到底普通に当てはめていいような物じゃないって思ったんだ。あれは優作さんの財力もそうだし、二人の性格があったから出来たことであって、それを見てきて普通だと思ってきた新一は優作さんのような小説家としてじゃなく探偵としてのやり方で行こうと思ってたんだろうが・・・それが子どもを産む前の蘭はまだ新一に惚れてた気持ちが変わってなかったからまだいいが、子どもを産んでから気持ちが変わっていったからこうなったんだってな」
「・・・その辺りは毛利もそうですが、奥さんにも話したんですか?」
「蘭が新一とは好きあっている筈なのになんでなのかって嘆いてたから、どうなのかって考えていくと二人の影響からなんじゃないかって俺と英理は考えていったんだよ。と言っても俺とか阿笠博士とかもそうだが、何より蘭自身があんな風に新一が暮らすことやその手伝いを当然だっていうように思ってた事に、新一が影を見せたような様子がなかったことからこれでいいんだって俺達が思ってきたから、新一はこれが普通だって風に思ったんだろうってな」
「・・・そう聞いた毛利はどんな反応をしたんですか?」
「最初は否定したそうにしていたが、俺が高校の時に一人になってからのあいつの世話をしていなかったらどうなっていたのか想像をしてみろ・・・って言ったら辛そうながらもろくに掃除なんかしなくてホコリまみれの家になってて、食事も冷凍食品とか簡単な物だったり外で食べる生活になってたのが想像出来るって言ったよ」
「そうでしょうね・・・工藤の性格から考えれば一人だったら家の中を綺麗になんてせず、自分が動く範囲だけ綺麗ならいいとくらいにしか掃除しないでしょうし、食事も献立を考えるだったり作る手間を嫌って簡単な物にしかしなかったでしょう・・・今の探偵としての生活に関してを聞いたのもあって、高校や大学の頃の工藤が探偵として以外の家事などは最低限必要なくらいしかしなかったのは俺も想像がつきます・・・」
そうして二人の影響がいかに強かったのかもそうだが、そんな二人に周囲の自分達だったり特に蘭が新一を手伝う事を当然としていたのか・・・小五郎はその事についてを話していき、明彦も複雑そうながらも納得した。新一が周りの手助けを受けていたからこそ健全な環境が保たれていたのだということに。
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