「美鶴さんがそういう反応になるのは分かります・・・ただ新一君に関してはさっき言ったように楽観的にしか答えなくて、蘭はそんな新一君に対して色々と夫婦として不満を持っていて私に電話をしてきてるんですけど・・・ただここまで愚痴が継続的に続いている理由は、元々私があることを言ったことが関係しているからなんです・・・」
「・・・何だ、そのあることとは？」



「・・・蘭が本気にするとは思わなかったからこそ言ったんですけど、いっそ離婚を考えてみるのはどうかって言ったんです・・・そうしたら蘭が思いの外にその言葉を真に受けてしまって・・・」



「・・・そうなのか・・・あの毛利がそんな風に・・・」
・・・そうしてそこからそもそもの今の状態は離婚はどうかと自分が口にしたことが原因と重く語る園子に、美鶴も表情を険しくする。再三言うようだが蘭と新一の仲が悪くなる事など美鶴にとっても意外だという考えがあったために。
「・・・私としては蘭は少しおどけて言えば何よ園子、離婚なんてそんなの有り得ない・・・みたいに軽く怒るように言うんじゃないかって思ったんです。蘭の事だから本気にはしないんじゃないのかって。でもことのほか蘭が本気になったことが私としても意外だってことや、私がきっかけになってしまったことから私も変に電話を断りづらくなって長電話の相手をしなきゃってなって、今こうなってるんです・・・」
「・・・それだけ毛利は本気で離婚をするかどうかを考えているということか・・・ちなみに聞くが、鈴木は離婚したらどうかと本気で毛利に薦めたのかもそうだが、今のお前は本気でそうした方がいいと思っているのか？」
「・・・蘭には軽い気持ちから言いました。あの子の事だから離婚とかは受け入れないだろうって思って・・・ただ離婚をした方がいいんじゃないかって考え自体は本気でアリだという気持ちはあります。新一君は間違いなくそこまでの問題じゃないみたいに思うだろうけれど、それは新一君が思うことなだけで全く蘭の事を見てないし考えてない物だから・・・」
「工藤のそんな考え方を是正するためにも、離婚はアリではないかと鈴木は思ったということか・・・」
「そうですね・・・」
そうして園子がいかな考えがあって話をしたのかに蘭の反応についてを話していき、それらの話を受けて美鶴は難しげに腕を組んで・・・少しして決心した表情を浮かべて一つ頷いた。
「・・・鈴木、この件に関しては少し私に任せてくれ。こうして話を聞いた以上私も何かしたいと思った上で、状況を変えるための手立てについて思い付いた。それがうまく行けば良くも悪くも事態は動くことになるだろう」
「・・・いいんですか、美鶴さん？美鶴さんも財閥の仕事があって忙しいんじゃないんですか？」
「私も休みくらいあるし、そんな話を聞いてしまえばどうにかしたいという気持ちにもなっている。だからそんな些細なことは気にするな」
「美鶴さん・・・ありがとうございます」
そうして自分が解決に動くと共に気にするなと微笑を浮かべる美鶴に、園子はホッとしたように微笑を浮かべて礼を述べた。こういう時に美鶴が凛々しくも美しいこともだが、頼りがいのある笑みが本当に頼れる物だと園子は良く知っている為に・・・


















・・・そうしてその後少しして、美鶴が動いたことにより事態は動くことになった。と言っても園子が切り出したように二人が離婚するようにするのではなく、新一と蘭の二人と話し合ってしばらくの間を別居するべきだという話を進めたためだ。









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