人の愛も仮面も変わるもの

「そうなんです・・・ただ私も今美鶴さんの言ったような事を新一君に言ったんですけど、仕事なんだし俺が動かないと事件や謎は解決しないんだから仕方無いだろうし、蘭なら分かってくれるし分かってもらいたいっていうように言うだけで終わってしまって・・・」
「ただそれで毛利は納得出来ないからということで鈴木に愚痴を言っているのだろうが・・・工藤に首ったけだった姿を見ている私からすれば、そんな風に工藤に不満を毛利が持つようになるのは意外だな。何だかんだ言いつつも毛利はそんな工藤の事を好きだからこそ、我慢というか新一らしいと笑うと思うのだが・・・」
「・・・その辺りは子どもが出来たからだって私は思いましたし、蘭も子どもが出来てから新一に対しての考え方が変わったって言ってました」
そうして園子は携帯を戻してソファーに座り直してから話を続け、美鶴がなんでこんなことにというように漏らす声に園子もだが蘭も子どもにあると口にする。
「確かに子どもが出来るまでの蘭は新一君の事をそんな風に見てて、新一君の依頼に付いていく事もあってその時の事で惚気を聞いたこともあったんですけど・・・子どもを妊娠してから蘭は家にいないといけなくなった上で新一君が今見せたような形で働いていったことから、ちょっとずつ気持ちとか考えが変わっていったらしいんです。仕事なのは分かるけれど、いくらなんでも家を空けすぎてることから自分との時間を取ろうとしないし、家の事をしようとしないのはちょっとって感じに蘭はなっていったらしくて・・・」
「気持ちは分からないとは言えないな・・・仕事があるのは生活の為に仕方無い部分があるとは言っても、子どもが体に宿っているのだから旦那には家にもだが共にいる時間が欲しいという気持ちは」
「そうですよね・・・そしてそんな風に生活していって蘭は出産する事になったって事なんですけど、その時に新一君は依頼があって出産の立ち会いに間に合わなかったらしくて・・・それで出産が済んでから顔を合わせた時はまだ今程はどうかって思わなかったのと新一君が笑顔を見せてきたから何も無かったらしいんですけど、それから退院するまでの間に顔見せはしてもまた依頼があるからで長時間滞在しなかった事や、退院してから本格的に二人で子育てをすることになっても家にいる時が少なくて、毛利の方の両親に頼る形で蘭は子どもを育てざるを得なかったらしいんです・・・」
「・・・言いぶりからして工藤の方の両親は相変わらず海外暮らしで、日本に戻ってくる事はほとんどなかったというか・・・」
「そうですね・・・一応海外からたまに帰ってきた時には面倒を見てはいたらしいんですけど、結局長くいても半月いればいい程度にしかいないから言い方は悪くても、子育てで頼れないからもうお父さん達を頼るしかなかったって感じに愚痴ってました」
「それは確かに工藤の方の両親については下手に戦力として期待するより、いない物として扱う以外に無かっただろうな。毛利の立場からすれば・・・」
そうしていかに子どもが出来てからしばらくの間どうなったのかにどう思っていたのかについての話を園子から聞いていき、美鶴は呆れたように頭に手を添えた。工藤家側・・・特に新一の両親達の行動に対して蘭の苦労が分かるというよう。









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