塗り固められた嘘が暴かれた時

「・・・さて、工藤新一のこの顔も見れた事だしそろそろ行くか。まだまだ他にも暴きたい陰謀はあるんでね」
ただフロイド=リーは記者会見でしどろもどろといった様子で話をしている新一の姿に、もう満足だといったように椅子から立ち上がり部屋をさっさと後にしていく。






・・・フロイド=リーにとっては陰謀は暴いて金にしてしまえば、もう後はどうだっていい存在だ。暴くだけの苦労が伴われれば伴われる程にそこで得られる達成感は強いが、それが目的であるが故に達成してしまえばそれまでの物でしかない。

だからもうフロイド=リーにとって工藤新一など陰謀の無くなった終わった存在でしかなく、魅力も何にもない存在なのだ。故にこそ新一のその後など気にせずフロイド=リーは新たに陰謀を求め、ホテルを後にしていくのである・・・


















・・・そうして騒ぎの中心であったフロイド=リーがもう新一達に気を止めることなく次の獲物を見付けるために行動をしていくのだが、そんなことになどほとんどの者が気付けないままに新一達のやってきたことでしばし日本は騒がしくなることになった。

ただ組織のやってきたことだったりその構成員や、組織を追っていた機関の行動といったものに関してはあまり長く議論されることはなかった。これは世界的に見ても悪質な組織が潰れたことと、そこを壊滅させた機関の面々はやり方はともかくとしても、役割からしても当然の物だと見られたからだ。

ただやはり小さくなった新一に関しての件は様々に波紋を呼ぶことになり、記者会見でどういった行動をしていたのかということを話せる範囲で話していったのだが・・・やはり新一が自分の事を話せる人物、特に使えるかどうかを選んで小五郎には何も言わずに利用してきたことに関しては相当に酷いものだった。

新一や阿笠、それに新一の両親達が小五郎に言わなかったのは以降に何度も何度も何度も何度も・・・何度眠らせて推理してきても小五郎だったり小五郎がいない時に推理役に選んできた面々が、その事に気付かなかったことから言わなかったのは確かにこのマヌケさなら言わなくて正解だったという声もあった。

しかし昔からの知り合いをマヌケと見たからと言っても、そんな風に利用していくだけで何も言わずに最終的に組織が壊滅させた後に元に戻っても、何も言わずに『江戸川コナン』は消えてそのままに行こうと思っていた・・・と新一がマスコミの質問に答えたことや、今となってはそれがどれだけ何も毛利探偵の事を考えていなかったのかということを思い知ったことから謝罪と共に賠償を支払うと優作と頭を下げて言ったことに、新一や優作達に対する批判の声の方が圧倒的に多数になった。結局頭を下げるくらいならやるなとか、言われて初めて罪悪感を抱く辺り実際小五郎のその後とか考えていなかったのはどうかと思うといったような声がだ。

そうして記者会見を終えて一応は組織の事については説明を終えた上で英理と優作の間で賠償についてを話し終わり、一連の流れに関しては一応は終わりを告げるのだが・・・そこから新一達の周りは以前と滅茶苦茶に違う生活を送ることになっていった。









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