塗り固められた嘘が暴かれた時

「ククッ・・・コイツからすりゃ秘密にするべきだったもんが暴かれた事に対して不満やら何やらがあるんだろうが、俺からすりゃあの組織に関わってたって事は陰謀に他ならねぇ。ましてやあんな体にされといた上で操り人形にしてた毛利小五郎に何も言わずに済ませようとしていたことはな」
そんなフロイド=リーは椅子に肘をつきこめかみ辺りに手を当てながら、新一についてを愉快そうに漏らしていく。新一のことは暴かれて当然の陰謀だと。






・・・フロイド=リーからしてみれば組織の存在はかねてから邪魔な存在であり、その陰謀を暴いてやりたいと思っていた物であった。自分を手駒として使うために拉致しようとしてきた前科もあるが、それ以上に組織の陰謀を暴きたいというフロイド=リーの生き甲斐からの気持ちから。

そんなフロイド=リーは組織の追跡の手をかわしつつも組織の事を調べあげていったわけだが、そこで一人の人物がFBIやらCIAやらといった機関と関係を持っている事に気付いた。それが『江戸川コナン』であった。

普通なら気付かないであろう裏の関係であったが、裏の世界において名を馳せたフロイド=リーからすれば『江戸川コナン』の存在はその姿もあってあまりにも異質であり、組織の事を調べる傍らでその正体についてを調べて推測していったのであるが・・・そうして出てきた結論が『江戸川コナン』は実は小さくなった工藤新一だというものだったのである。

これはフロイド=リーが潜入に変装に隠密行動だったりと様々に能力が高くて組織の中に入り込む事が出来たのもあるが、やはり陰謀を暴くにあたっての頭の良さが常人と丸っきり違う事が大きかった・・・新一を小さくした薬についてのデータから確実ではないにしても人も小さくなる可能性があり、組織が手をかけたと言われる人物のリストの中でまだ生死がハッキリしていないことや、小さい頃の新一の顔と『江戸川コナン』の顔が調べてみれば一致したこと・・・それらを受けてフロイド=リーは『江戸川コナン』は工藤新一であるという確信を得たのであり、同時にコイツの陰謀も暴いてやりたいと思ったのである。

そうと決めたフロイド=リーの行動は早かったのだが、そこで調べれば出るわ出るわの様々な『江戸川コナン』としての立場を利用した自身の事を隠蔽しながらの行動・・・代表的な物が小五郎を主にして阿笠の発明品を以て人を眠らせ、変声機を使って推理を隠れて行ってきていたという物だ。

そうした新一の行動の数々にフロイド=リーは小さくされる前からの行動も相まって、それだけ推理ショーをしたいのかと笑ったものだった。事件を本気で解決したいという気持ちがあるなら、あんな形の推理ショー染みた行動を取るのは無駄というか・・・もしもの抵抗を受けた場合に推理役や新一が危険なことを考えれば、とっとと警察に犯人を拘束させた上でその証拠を明かすのが安全の為にもいい筈なのに、そんなことを考えてない辺り推理ショーをすることに恍惚感を少なからず感じていたのだろうと見て。

ただそうした新一の姿を見たからこそフロイド=リーは考えたのである・・・組織に関しては自分が集めた情報を奴らを追っている機関に売る形で暴けば何とでもなるだろうが、更に新一のことも組織が壊滅した後に日本のマスコミに組織のことも含めて洗いざらい売る形で暴けば金になるし、盛大に顔を青くするだろうと。そしてその結果が今のこの記者会見に繋がっているのである・・・









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