塗り固められた嘘が暴かれた時

「・・・いくらなんでもそんなこと酷いというように君達からしたら思うかもしれない。だがネットの反応についてを調べていく中で毛利さんが探偵事務所を休んでいたことやスプレーで誹謗中傷を事務所の所に書き込んできた人物がいたことから、毛利さんの今後の事についての推測についてが上がっていたんだよ。毛利小五郎は本格的に探偵業を辞めるんじゃないかとか、工藤新一に用済みになったから追い詰められてるんじゃないかといった推測がね。そしてマスコミとしては今回のこの件に関して組織に報復を受けないというのが確定してることもあって、話題のネタとして長期化したいと目論んでいることだろう。だからマスコミとしては新一君を怒らせるなりして泥沼化させたいと目論むだろうということさ」
「だ、だからってそんなことを言うなんて・・・!」
「だが毛利さんの事に関して起きている事は事実であると共に、ネットで特に知りたいと思われている事は新一君の毛利さんに対する姿勢や考えだ・・・多少取り繕ったような言い方くらいはされるだろうが、そういったことで盛大に揺らしてくるくらいはしてくるだろう。だからこそこちらの言うようにしてほしいんだ・・・もう毛利さんが探偵を辞めるという決意をしたのを聞いたのもあってね」
「「「「っ!?」」」」
降谷はそれらは決して大袈裟ではないと途中で流石に酷いというよう口を挟んできた蘭に構わず話していくのだが、そこで小五郎が既に辞める決意をしているとの事に新一達が驚愕と共に一斉に小五郎の方へと視線を向けると・・・小五郎は先程までの怒りのオーラが消えたといったよう、場の中心にある机を光の灯していない瞳を向けながら口を動かす。
「・・・この数日考えたんだよ。この騒動の後で探偵を続けられるかどうかってのもそうだが、新一達や蘭と同じように付き合えるのかどうかってことをだ」
「えっ!?ど、どうしてそんなことを考えたのお父さん!?」
そのまま感情の乗らない声で自分の考えを口にしていく小五郎だが、蘭が自分もその中に含まれている事についてに何故と大きく声を上げるが全く小五郎は視線を向けない。
「・・・お前と喧嘩紛いな事になった後に考えたが、俺が新一のやってきたことに気付かなかったってのはそりゃ事実だ。その上で外でマスコミが俺が出てくるのを大人数で待ち構えていることや、テレビやネットで俺の事を調べりゃ出てくる無能やら操り人形やらの言葉に、極めつけは事務所に書かれていたラクガキについてだ・・・夜に何か下の方からスプレーの音が聞こえてきたのを聞いて最初は何してんだって怒鳴りこもうかと思ったが、そうして下手に顔を見せることが思うつぼになるんじゃねーかって考えて敢えて顔を出さなかったが・・・それで朝の誰もいない時を見計らってそこを見に行ってみりゃ俺への罵詈雑言やらがベットリ書かれてたんだが、それを見た時に俺がダメだったんだって考え以上に思ったんだよ・・・もうこれ以降探偵を続けた所でこんな風に俺が新一の操り人形だったってことで、後ろ指を向けられたり陰口を叩かれるだけの人生が待ってるんだろうってな・・・」
「「「「っ・・・!」」」」
そしてそのまま何をしてきたかに何があったのか、そしてその上で何を考えてきたのか・・・小五郎が全く感情を込めない声で語っていく様子もあって、降谷達三人以外はたまらずに息を呑むしかなかった。この数日でどれだけ小五郎が一人で追い詰められ、その瞬間にそれだけの絶望的な考えが浮かんだのかを聞いて戦慄せざるを得ない形で。









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