塗り固められた嘘が暴かれた時

「・・・この事に関しては気持ちとしてはそうしたくないという部分は確かにある。しかし新一君の事実を知りながら保護だとかの話もなく小さかった時の君に協力させたことに関しては、戦力になることを優先しかしていない判断だったということは確かであって、警察の人間としては不適格な判断だったと言わざるを得ないということは今となっては僕も認めざるを得ないと思っているし、上の方からも何らかの形で責任を取ってもらわねばならないと言われたことからそうなったんだ」
「そ、そんな・・・で、でもそれは俺がそんな保護なんてされるつもりが無かったからって言えば・・・」
「君の気持ちを優先したから君の責任だなんていうように言う体勢を取るのであれば、一層僕達に対する風当たりが強くなるだけなのは容易に想像がつくから無理だ。というより君が事実を明かしていたのが赤井や僕達くらいで顔見知りである目暮警部達には一切伝えていなかったであろうことから、君からしたら事実を知る面々は出来る限り少なくしたかったという言い分はあるんだろうが・・・だからこそ君が人を選んで事実を明かしていたこともそうだが、そんな顔見知りの目暮警部達が頼りにならないからとか言ってはならないと見て何も言われないと判断されたことにも繋がる事になる。そんな君の言い分で責任は自分にあると分散しようとすればするほど、却ってそういったように目暮警部達を始めとした知り合い達という警察の人々を信用出来なかったという不信があったと繋がるんだよ。僕達公安が組織に関わっていたから正体を明かしてもいいという事もあって、君は冷静に判断した結果として目暮警部達や他の警察には協力を願う意味も理由も無かったんだとね」
「っ!?」
そのまま自身が公安を辞める事についてを話していく安室に自分が言ったこととするように新一が言うが、そうしたならこそ信用出来るか出来ないかの選り分けをしたことにより公安を除いた目暮達警察組織を信用しなかった事実が出てくる・・・そう突き付けられ、言葉を失うよう息を呑むしかなかった。端から見ればそんな風に見えると言われることなど思っていなかったというのが丸分かりな様子で。
「君に悪意だとかがあってそんなことをしたんじゃないとはそれなりの付き合いがあるから、僕はそうだとは思っている。しかし君が誰に言うのか言わないのかを選んだという事実があるのは確かであると共に、僕も時間を取ってほしいと目暮警達から連絡をされて会った時、自分達は頼られなかったということを酷く気に病まれたような様子を見せていたよ・・・小さくなってからあんなに何度も顔を合わせてきたのに新一君だと気付けなかった自分達の迂闊さは確かに良くなかったが、それでも自分達に言ってほしかった・・・と」
「め、目暮警部・・・」
「だがそうして君が自分がやったことだからというようにしたいというのであれば、そんな君が他の警察組織もそうだが目暮警部達を信用しなかった事に関してが強調されることになるんだよ。そうなればこれから君がどんな風に動くつもりなのかは分からないが、前と同じようにと思っても目暮警部達からしたら君に対する何らかのしこりのような気持ちをずっと抱えたままになるだろう・・・表向きはともかくとしても、もう君や優作さん達の事を心から信頼出来ないというようにね」
「「「「っ・・・」」」」
その上で目暮達といかな事があったかにその気持ちについてを話す安室に新一は辛いという表情と声を漏らすが、だからこそ必要以上な自分下げは却って新一だけでなく優作達の心象まで悪くすることになる・・・そう聞かされた事に工藤家三人だけでなく、蘭までもが息を詰まらせた。新一達からしたら目暮達との関係が悪くなるなど望んでいないが、そうなったらどうあっても心からの仲直りは出来ないと話から感じて。









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