塗り固められた嘘が暴かれた時

「おい、灰原・・・何だよ、何か言いたいのか・・・?」
だがその様子に新一はすぐに灰原へと食って掛かるように苛立った声を向けるが、灰原は反対に冷めた目を向ける。
「貴方がこうなった原因に怒りを向けることは別に構わないわ。けれど今の貴方を見ているとこの状況をどうにかするのとその誰かを捕まえればどうにかなると同一視しているように思えたから、感情的になりすぎてると呆れたのよ。今の状況でその人物をどうにか捕まえてこいつが全てバラしたなんていうように発表したって、貴方がやってきたことが全部チャラになるなんてことはないわ。むしろそんな態度を見せられたらおじさんは貴方を絶対に許せないと見るでしょうね・・・おじさんの様子は後で安室さんから聞くにしても、そんな風に自分のやったことについてをその人物に押し付けて自分は何も悪いことはしてないなんて言ったなら確実にそうなると思うわ」
「っ!?」
そこで冷やかな声で灰原が返してきた話の中身に、新一はハッとして顔を青ざめさせてしまった・・・言っている事が決して新一としても無視出来ない中身であることもだが、特にその人物を捕まえれば万事解決だと疑っていなかった事を指摘され・・・そうではないと新一自身都合のいい考えだと感じてしまったために。
「・・・どうやら少しは私の言いたいことは理解したようだけれど、貴方の様子を見てると色々と不安になるのもそうだけれど貴方の両親にも日本に来てもらわないと収まらない事が出てくると思うわ。だから博士、後で工藤君の両親に連絡して予定を切り上げて急いで帰ってきてもらうようにしてもらって」
「な、何でそこまで急げって言うんだよ・・・父さん達は俺が元の体に戻ったら連絡するから、そこで帰ってきてもらうようにってしてるからそれでいいじゃねーか・・・」
「そんなに悠長にしてる時間なんてないからこう言ってるのよ。というか今回のこの件で貴方の事には関わっていたし色々知っていたけど、貴方の言葉があったからおじさんには何も言わなかったし俺がそうするように言ったんだから父さん達は悪くない・・・なんていうように言ったら事が済んだ後に帰ってきた時にそれも相まって、おじさんは貴方だけじゃなく貴方のお父さん達にもいい気持ちを抱かないと思うわよ。貴方の言うことを尊重していると言えば貴方からしたら自分の責任としてくれるからと思ってるかもしれないけれど、おじさんからしたら貴方の言うことを聞くだけ聞いてこんな状況になっても謝りに来るどころか顔出しもしない薄情な二人・・・というように見られて貴方も含めて以降の印象は最悪なままになりかねないわよ」
「っ!?」
その様子を見てから阿笠に優作達を呼ぶようにと言う灰原に新一は必要ないだろうと動揺しながら漏らすが・・・続けられた可能性についてにまた絶句するしかなかった。必要ないと、良かれと思って呼ばないという行為が自分の評価だけではなく両親の評価を却って一気に下げてしまうことになりかねない・・・そうなりかねないと灰原の言葉から感じた為に。
「だから博士・・・二人にこの後すぐに連絡をするようにして。今言ったこともそうだけれどこの問題を知って自分達は関係無いなんて言えるかというと、海外でも関係無いとか海外に支部がある局のマスコミが二人の所に取材に行ったら、二人の発言の中身と安室さん達がどうするか決めた中身次第じゃ、とんでもないことになりかねないわよ?」
「っ、わ、分かった・・・すぐに連絡をして、日本に戻ってきてもらうように言おう・・・」
「っ・・・」
そうして改めて阿笠に注意を追加する形で連絡をと言えば、焦ったように頷き新一は反対したげであったが苦そうに黙りこむしかなかった。事を大事にしたい訳ではないし、ましてや小五郎に嫌われたくないという気持ちに新一はなっていたために。









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