『大袈裟ではないと理解したようだが・・・済まないが君もそうだが、哀ちゃんもしばらく外に出ない形で阿笠邸に留まるように言っておいてくれ。君の性格からしてマスコミの前に顔を出してコメントだったり話をしたいかもしれないが、そこは抑えて待機していてくれ。僕らとしてもこの問題に関してどのように解決するかもだが・・・この後に僕は毛利さんの元に話をしに行く予定であり、どういう反応をされるか分からない以上君に下手に発言をされるとどう対応していいか分からなくなるから、電話もしないようにする形でだ』
「でっ、でもおっちゃんが俺の事を知ったなら・・・！」
『今の君が電話越しでも毛利さんと直接話そうとしたら、互いが互いに言いたいことを言うということもそうだが・・・もしそこで君達の間ですれ違いが起きれば、もう取り返しのつかないことになりかねない可能性も有り得る。だから君は出来る限り黙って待っていてくれ・・・しかしそれすら出来ないというなら僕は勿論だが、赤井達にも連絡をして君のやったことだから君自身でどうにかさせろと言わせてもらうよ』
「うっ・・・わ、分かったよ・・・」
そして安室は出来る限り黙って待つようにと言うのだが、それが出来ないというなら見捨てるし見捨てさせると真剣な声で告げたことに新一は声を詰まらせながら了承を返すしかなかった。下手な事をしたなら一気に取り返しのつかなくなる事態になり得ると理解させられ。


















・・・そうして安室との電話を終えた新一は薬の研究をしていた灰原と話をし、外出していた阿笠にも連絡を取って急いで阿笠に帰ってきてもらった。



「・・・ふぅ・・・話には聞いておったが本当に家の周りにマスコミがおって、そこを通り抜けるのは苦労したわい・・・」
「やっぱり組織や工藤君関連の事でコメントを求められたのかしら？」
「うむ・・・安室君の言葉を伝えられていなかったらある程度コメントをして早く帰ってもらおうとしたじゃろうな・・・」
・・・そうして阿笠が疲れたというように広間に入ってきたことに灰原が腕組みをしながら声をかけると、何もなかったら考え無しに発言をしていただろうと返す。
「・・・この調子じゃやっぱりここを見付からないように出るなんて無理か・・・」
「そうでしょうね。深夜とかを狙っても確実に出てきた瞬間隠れてた所から出てきて、話を聞かせろって言ってくるのは目に見えているわ。そしてもうここまで時間が経っている以上、おじさん達は勿論だけど帝丹小学校や高校に歩美ちゃん達といった所にももう知れ渡っていると見ていいでしょう・・・だからもうこれからは携帯に電源を入れること自体望まれないでしょうね。下手に可哀想だからとかみたいなことで応対してその話がマスコミに漏れたら後がどうなるか分からないわ」
「くっ・・・こんなことになるなんて・・・なぁ灰原、お前は安室さんや赤井さんが言っていた人物について心当たりはないのか？安室さんは組織に勧誘するみたいな話があるって言ってたから、お前も何か知ってるんじゃないのか？」
「生憎だけど名前までは知らないわ。私は研究職としてが主で必要な情報以外回ってくることはそう無かったから、そんな存在がいることや勧誘出来てないくらいしか聞いてないわね」
「そうか・・・くそっ・・・」
新一が苦々しげに発言して灰原が冷静に返す中で新一は尚も情報を提供した誰かの情報についてを聞くが、ハッキリとは知らないとの返しに怒りを我慢するような表情になる・・・そんな様子を見て灰原は呆れたようにそっと首を横に振った。









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