塗り固められた嘘が暴かれた時

・・・そうして安室というか公安の協力も確定し、FBIとCIAの協力の元で組織のボスを捕らえ壊滅させるための戦いが行われたのだが・・・ボスを捕らえる事に関しては予想外にあっさりと事が進んだ。これは三つの機関が協力したからというのではなく、ボスが正体を本当に組織の中でも一部だけにしか居場所も含めて明かしていないことから、下手に周りを固めすぎても怪しまれると見て周りを世話する程度の人員しかいなかったこと・・・そして何より今まで極秘にしてきた自分の隠れ場所に前触れもなく来るようなことがないとボスがタカをくくっていたからであった。来たとしても組織が他の機関から攻撃を受けているのなら、その報を聞いて自分はその影で逃げればいいと考えていたが為に。

この辺りはやはりボスやその近辺の情報が手に入ったが故の強みであったが、その上で連合した機関がやったこととしてはNo.2以下の残してはいけないコードネーム持ち達の迅速な捕縛及び・・・新一には話を通してないが場合によっては殺害による排除であった。これはラムやジンなど投降しよう筈がない忠誠心や反抗心を持つコードネーム持ち達の事を考えると、逃げられた場合のリスクとしてボスの奪還であったり各機関の襲撃といった事を大々的にやりかねないからこそ、迅速であることに効率的な事を考えると不殺を貫いてもしもの事を起こさないが為の物であった。

そしてそのコードネーム持ち達とのやり合いに関してであるが、ジンを始めとして決して一筋縄ではいかない攻防が繰り広げられたものの数の不利は否めなかったこともそうだが、既にボスが捕らえられていたことからコードネーム持ちもだが持たないような者達の多数の士気が下がっていて、このまま組織にいるよりは投降した方がいいと見て離反や裏切ったりする者達が多く現れたことによりジン達くらいしか最後まで抵抗する者はおらず・・・互いにいくらかの血を見る展開にはなったものの、何とか死人を出さずに納めることは出来た。これはボスの情報がなければ犠牲者は多数に及んだこともそうだが、ジン達コードネーム持ち達も逃げ出して再起を図ろうと動いていただろうという予想は赤井達にもついた。

そんな組織を壊滅させた傍らで新一は自身を小さくさせた薬のデータに関してを作製者の灰原と共に組織のコンピューターから見付け出し、これで元の体に戻れると歓喜の表情と声を漏らして周りもそんな様子を微笑ましげに見ていた。そしてそのまま後片付けを赤井達に任せ、新一は灰原と共に阿笠邸に戻って元に戻る薬が灰原の手により作られるのを待つことにした。


















‘ブルルル・・・’
「ん・・・安室さんから?何だ?」
・・・そうして組織を壊滅させて三日ほどして、阿笠邸にて灰原が解毒薬を作っているのを邪魔しないようにと研究室の外で今か今かと待っていた新一。
そんな時にポケットの携帯が震えたことに新一は誰からかと取り出すが、液晶に出た安室の名に訝しみながら通話ボタンを押して耳に当てる。
「もしもし、安室さん?」
『新一君、テレビは見ているか!?』
「えっ・・・な、何いきなり・・・?」
『早く何でもいいからテレビを見るんだ!それとネットも開けるなら開いてくれ!今とんでもない事が起こってるんだ!』
「あ、あぁ分かった・・・」
そうして普通に応対する新一だが電話越しでもハッキリ分かる焦りの声に、呆気に取られつつもまずはと携帯はそのままでテレビのリモコンに近付き空いた手で電源をつける。
「・・・なっ!?」
・・・そうしてテレビをつけて少し注目した後すぐ、新一はそこに映った映像に絶句する事になった。何故ならそこに映った映像には『江戸川コナン』は戸籍が存在しない子どもという文字が今の新一の写真と共に映っていたからだ。










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