塗り固められた嘘が暴かれた時

「・・・だがそんな奴の行動は今回に限っては組織を追う俺達にとって、決して無視出来ない好機となったことになる。何せ今まで尻尾の掴めなかったボスの居場所だったりの様々にこちらにとって有利な情報ばかりなのだからな・・・だから水無から連絡が来て協議した結果として、俺達FBIも組織の壊滅に協力することにしたということをボウヤに伝えようとここに呼んだというわけだ。ボウヤもそこに参加するかと聞くこともだが、安室君にこの話を通して一時協力くらいは出来ないかと仲立ちを願うためにもね」
「そ、それは・・・確かに話を聞けば千載一遇の好機だって分かるし安室さんにも話を通すのはいいとは思うけど、肝心な話としてその情報を伝えてきた誰かはCIAは捕まえてないのかよ?その陰謀が暴かれたってことはいいことだと思うけど、金だとかの為にそんなことをするような奴を野放しにするのは良くないだろ?」
そんな中でその情報から事態を進ませることにしたと話を進める赤井に新一は納得はしつつも、その情報提供者を捕縛してるのかを問い掛ける。この辺りはそれはそれでこれはこれと分ける新一らしい考え方ではあるが、その声に赤井は首を横に振る。
「・・・それに関してはやってないというか、やれなかったとの事だ」
「っ、どうしてだよ!?」
「水無はハッキリ全てを俺に伝えてきた訳じゃないが、どんなやり取りがあったかは大方予想はつく。そいつがCIA側に金を要求すると共になら情報を手に入れたから用済みだとばかりに捕らえられないよう、何らかの防衛手段を使われるだったり別の取引材料でも持ち出されるかで、そいつを捕まえるという選択を取れなかったといったような状態だったことはな」
「っ、そんな・・・」
「水無がそいつと直に話やら交渉をしたわけではなく、別の人物がどうするかを決めたらしいから水無を責めるのはお門違いだ。その話をしていた水無も苦いといった気持ちが滲んでいた上でボウヤも不満に思うかもしれんが、そこに関しては抑えてくれ。組織を壊滅させるこれ以上ないきっかけを得られたのは確かだが、奴らが素直に壊滅させられるのを待つほど殊勝な者達ばかりじゃないのはボウヤも分かるだろうし、そこでジン一人取り逃すだけでも後の禍根になりかねんのは分かるはずだ」
「っ・・・だからそいつについては置いておいて、組織の壊滅に集中しろってことか・・・分かった・・・今はもうその事は気にせず、組織の壊滅の方を優先するよ・・・俺も元に戻る前にそういったことで死にたくはないしさ・・・」
そのまま水無からどう聞いたのかを話すと共に気にしないようにと言い含める赤井に、新一は不満を言いたいとしながらも頷く以外になかった。新一からしたらようやくの満願が叶う時が近いというのを知らされたのに、様々な意味でその情報提供者にかかずらうようなことは望まれないのだと・・・


















・・・それで赤井との話は終わりとした新一は、続いて安室に話をするように動くことにした。これは話をしてほしいと頼まれたこともあるが、赤井と安室の関係は簡単に言っても良くない物だから一回自分だけで話をしてくれとなったからだ。

その為に新一は安室に重要な事があるから二人きりで話したいと連絡し、それなら自分が車で迎えに行くからそこで話をしようと安室が返したことで待ち合わせをし・・・安室が新一の元に来て車に乗せ、ドライブという形を取りながら赤井との話を新一はしていった。









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