危機感の喪失に対する対処(後日譚)

・・・そうして新一達に話をし終えるのだが、小五郎は後に結婚式に出席する時に帰ってきた優作達と会った際におふくろ達の事についてを報告したいから一緒にいてくれと英理に言って同席してもらい、四人でその時の事を話し合うと優作達は揃って表情を歪めた。

ただそこで英理が小五郎の母親がそういった気持ちを抱いていたことや蘭達のいさかいなどを聞いていたのかもだが、聞いていたとしたならそもそも二人はどういった考えを抱いたかもだが新一に蘭との接し方やらを色々と考えるように言わなかったのか・・・と聞くと、二人ともに複雑そうな顔を一層に歪めながらも聞いてはいたが助言やら送ることはしなかったと揃って答えた。そういったことを聞いても新一達なら大丈夫だろうと思っていたから、話を聞いた時にハラハラしたくらいだというよう。

そんな返しに英理が放任主義にも程がないかといったことを始めとして色々と言っていくのだが、小五郎は内心で同意をしていくと共にこういった話をされても改心することも日本に帰ってきて新一達と暮らすことを選ばないんだろうな・・・という考えが冷やかな気持ちと共に浮かんだ上で、むしろ新一や蘭達を連れていって日本に帰ってこなくていいとすら思ったくらいだ。それ程に小五郎の中ではもう優作や新一達に対しての信頼やらはこの結婚式関連で更に消え去っていた事を、小五郎当人は理解していた。

そしてそういう気持ちになった小五郎は英理が主に文句やらをぶつけていった話が終わった後、優作達から離れた所で英理に当人達に言わないようにするようにと言い含めた上で優作達に分かりやすく形にすることがないようにして、もう二人の事を気にしないこともだが頼りにしないように行こうと持ち掛けた。あれだけ言ったのにもうこれからは日本に戻ってちゃんと結婚した後の新一達と共に暮らすといった言葉がさっきに出てこなかったのだから、精々これからは注意するようにという言葉を残すくらいでまた海外に行って何か戻ってくる理由があるか気が向いたら程度・・・それも帰ってきても半月いればいい程度でまた海外に行く優作達を頼るのはよくないが、それを露骨に態度に見せれば新一達も含めて面倒になるからと。

そんな小五郎からの発案に英理は最初こそは驚いたものの、その中身に関してを聞いていって納得出来たしその案に賛同すると真剣に頷いた。英理も今回の件で新一達もだが優作達についてもどうかという気持ちが強く芽生えたのだが、それで分かりやすく優作達に対して気持ちよくないといった姿勢を見せ続けても、それこそ仲直りをしたいとかしろみたいな声や顔が向けられてくる光景を考えると、下手に反発して事態を長引かせるよりもうある程度の事は覚悟した上で流して終わらせた方が楽になると思ったというよう。

小五郎としては英理がそうしてすんなりと頷いたことは多少意外という気持ちはあったが、それでも同意してくれたならそれでいいと思った上で話を終わらせ・・・時間が進んで結婚式に出席してつつがなく結婚式は済んだのだが、それが済んだ数日後に優作達が工藤邸を後にしたと蘭から聞いた事に小五郎はやはりかというように更に心が冷えるのを感じた。蘭当人は新婚の二人の間に邪魔者がいても良くないと言われたと恥ずかしげでいながらも嬉しそうにしていた事に対比するようにだ。

それで浮かれている様子の蘭がそんな小五郎の内心に気付くことなく時間は進んでいき、蘭は工藤家に完全に移り住む事になってもう優作達にも気持ちが冷めて気を許すことなど到底出来ないとなったのである・・・









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