危機感の喪失に対する対処(後日譚)

・・・希望を思い切り打ち砕いたという点に関してだが、もうその時には小五郎は探偵を辞めて大殿のツテで紹介された会社に勤めていたし、周りにも探偵を辞めた理由に関してを詳細にとまでは言わないが説明していた。事件に出会した際に犯人グループとのいざこざにより娘も含めて危険な目に合うことがあったため、もうそんなことにならないように探偵を辞めたのだと。

それで『江戸川コナン』がいなくなって以降の生活で事件に出会さなくなったことに小五郎は平和な暮らしを心地好いものと受け入れ、小五郎の母親も小五郎や蘭がトラブルなく暮らしているという報告を聞いて安堵したような声を漏らした物であった・・・しかし新一が戻ってきて蘭が躊躇いなく新一に近付いて事件に関わりやすくなったことに小五郎はいい顔が出来なくなった上で度々注意をしていったが、それで懲りずに言い合いになることが多々ある中で蘭がとある行動を取った。それは小五郎に近い所に時間がある時で事件が起きた際、小五郎を呼び出しただけに飽きたらず、明らかに良くない顔をする小五郎に対して新一より能力が低くて臆病なお父さんの言うことなんか聞くつもりなんてない・・・という明らかに新一贔屓と共に新一がこの事件を解決したことを出す形で比較し、小五郎の事を明らかに見下して関わるなといった言葉を吐いたことだ。

・・・その瞬間に小五郎は一気に怒りを覚えざるを得ないと共に、新一や目暮達も最初こそは何故今とっては一般人となった小五郎を呼び出したのかと疑問に思ったのだが、その蘭の行動と発言の中身もそうだが最近お父さんからこう言われることが増えたという愚痴が多くなったのを思い出し、心配いらないと言うのと共に仕返しや当て付けだったりの為にそうしたのだと気付いた。

だが新一達という外野から見てみれば明らかに小五郎という父親に対して言い過ぎであると共に、どう見たところで相当に強い怒りを抱いている雰囲気を発しているのを感じ取った・・・その事から新一達は一触即発の事態になることを感じて緊迫した空気の中で身構えていたのだが、肝心の小五郎がどういった行動を取ったのかというと途端に背を向けて「・・・ならもう俺は止めねーから好きにしな」と言うだけに留めてさっさとその場を立ち去るというものだった。

そんな小五郎の様子にそう言った蘭当人も困惑をしたし、新一や目暮達も同様に困惑をした上でどういうことなのかと話し合った。ただ最初こそは蘭はそんな返しだった意味が分からないというだけだったが、新一や阿笠達がいくらなんでも言い過ぎというように言ったこともだが小五郎が瞬間的に本気で怒っていたのを端から見ていて感じたのだと聞かされ、流石に蘭もその時には顔を青ざめさせた。それだけ本気で小五郎が怒りを覚えたのだということに。

だがそれで小五郎が怒らないばかりか許しが出たからはいそれでもうおしまいとしたら、あの怒りの事を考えるととんでもないことが起こるんじゃないかと話に出たことで蘭は今更というように帰ってどう顔を合わせたり声をかけていいか分からないと焦りだし、新一達はならばと自分達が擁護するから謝ろうと切り出して急いで後を追い掛けた。

しかしそうして急いで追い掛けた後に新一達の仲裁と共に謝る蘭だったが、肝心の小五郎はもう何もこっちが言わない代わりにそっちもこの話題を切り出さないのもそうだが俺を関わらせようとしないならそれでいいと返したが・・・そんな小五郎の不自然な程の怒りの消えかたや発言の際の無表情を見て新一達は却って焦りを感じ、怒ってるなら今のうちに言って欲しいと言ったのだが、小五郎は無闇に反対してあんなことを言われ続けたら手が出る程の怒りしか浮かばなかっただろうからもうさっさと認めた方がいいと思っただけと返したことに、蘭も新一達もそれ以上小五郎に何かを言うことが出来ずにそれならもうこれで話はおしまいにしようと無理矢理に笑って済ませるしかなかった。ヘソを曲げるなとか私の言うことが正しいだとかで小五郎を叩き伏せる為の話を続ける事を、蘭ですら避けるようにひきつった笑顔を浮かべてだ。

それで以降は最初こそは蘭もおどおどとしながら小五郎と過ごしていたのだが、事件に関してだったりの話題を出したり呼びつけたりしなければ小五郎は普通に応対してくれた為に次第に元の調子に戻る形で接していった・・・だがそうして蘭が安堵する中、小五郎は心中ではもう既に蘭に対する見切りをつけていたのである。蘭についてをもうどうにかすることなど無理であり、新一との関係を切り捨てる事など出来ないのだろうと。









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