危機感の喪失に対する対処(後日譚)

そんな小五郎の様子についてを見たからこそ新一は何とも言いがたい気持ちを抱くしかなかったし、その後に優作達にもこういったように小五郎はなっていると電話で伝えると同じように複雑さを隠せないと言った声を漏らしていた。そんなことになっていると実際に聞いて。

しかしあくまで表向きには何もないというように見せることを念頭に置いて振る舞うしかない新一は、それらについてを気持ちの中に押し込めつつ後の生活を過ごしていく事になった。


















・・・そうして全てが元通りになったわけではないが日常を新一は過ごしていき、五年少しといった時が進んで大学の卒業が確定した時に小五郎の元に足を運んだ。用件は恋人になって久しい蘭との結婚についてを切り出すためだ。ただその時に新一もだが蘭も小五郎に親としてポーズでも反対されるかもと思っていたが、そうなるだろうから覚悟はしていたからいいと言われる事になってあっさりとその許可については出ることになった。

それで許可が出たことで新一と蘭は大学を卒業するまでに結婚式をするために準備をしていき、三月の終わり頃に知り合いを呼んで盛大に結婚式を挙げた。それはそれは幸せな二人を絵に描いたようにだ。そしてそんな結婚式も終わった後日、蘭は新一の妻となったのだからと毛利家から荷物を持って工藤家へと引っ越すことになった。



「・・・じゃあお父さん、度々様子は見に来るけど一人でもちゃんとしてね」
「あ~、その事なんだがな。蘭が結婚するって話を大殿さんにしたら、養子縁組をしないかって話が来たんだよ。それでまだ決まりって訳じゃねーが、その話がまとまったら俺は一人で暮らすんじゃなくその養子になった奴と暮らすことになっから、そこについては心配すんな」
「「・・・え?」」
・・・そうして荷物を全部まとめ終わって新一が乗ってきた車に全て詰め終わり、住みかの出口の前でこれで毛利家最後とばかりに涙目になりながら小五郎に話し掛ける蘭だったが、あっさりと小五郎が口にした発表に隣にいた新一共々ポカンとした表情を浮かべた。いきなり聞くにはあまりにも大きな発表だったために。
「・・・本当ならもう少し話がまとまった時に言おうと思ってたんだが、元々からおふくろが婿が取れないんなら俺の代で毛利家の家系が途絶えるってことを気にかけてたんだよ。まぁこんなご時世だからそういった見栄とかは気にしなくてもいいんじゃねーかって考えもあったみたいだが、それでもって思ってたらしくてな・・・それでおふくろが大殿さんにどうかって相談したら、養子に出来そうな人物は何人かいるって事からそれでいいならって事で俺にも話が来たんだよ。毛利家の存続をするかどうかってな」
「・・・それで、おっちゃんはそれを受けるつもりだってのか・・・?」
「蘭がまだうちにいるってんならそんな話は来なかっただろうし俺もどうするかって考えてただろうが、お前の所に嫁ぐって決まったのもあるからな。だからもし余程の事情がないってんなら、俺は受けるつもりだよ。話を聞く限りじゃそう悪いヤツを養子につける訳じゃないってのもそうだが、高校生以下の子どもを送る事はしないから子育てについちゃ心配しなくてもいいって言われたのもあってな」
「そ・・・そうなんだ・・・でもそこまで話が進んでるって、なんで私に言ってくれなかったの・・・?」
「これに関しちゃお前が新一と結婚しないみたいなことも有り得ない訳じゃねーのも考えられたし、もしそうなったとしても新一に嫁いだお前に助けてくれなんていうようなことをするつもりはなかったんだよ。一応ちゃんと話が正式にそうなるって決まったならその時に話をしようって思ってたが、この際に言っとこうと思ったんだよ。色々と心配になるかもしれねーが、話がまとまりゃ俺だけがここに住むとかいう話じゃなくなるからそこは言っとかないとと思ってな」
「そ、そう・・・」
その反応に小五郎はまだ正式な物じゃないし先に話すような中身じゃなかったというように言っていくが、新一も蘭も呆気に取られながら言葉を漏らすしかなかった。養子縁組などということが裏でそこまで進んでいたこともだが、小五郎が色々考えて動いていたのだということを受けて。









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