・・・新一は赤井の事を見誤った。これは新一自身が勝手に赤井は自分と同じような考え方をしていると思っていたり、自分の事を仲間だから手伝ってくれると思い込んでいたからというのもあるが・・・赤井からしての優先度はもう組織を壊滅させたのもあるが、その性格もあって守る必要のない新一よりかつて本当に好きで愛した恋人の妹である上に自分達の庇護下に入ってきた志保の方にあった。

その上で志保がもう完全に新一と距離を取りたいという気持ちがあることに加えてその理由を聞いたからこそ、赤井は新一の申し出を却下することにしたのである。赤井としてはＦＢＩの一員としても志保を阿笠の元で暮らしてほしいからというだけでそこに戻すなど出来ないし、志保の言い分を聞いた上でそれなら戻すわけにはいかないとかつての恋人の妹の意志を個人としても優先したのだ。

しかしそんな赤井の立場だったり心情からの考えに目を向けることが出来なかった新一はならと他のＦＢＩの人員に連絡をするのだが、赤井の言うことだから逆らえないという言葉が揃って返ってきた上でもうこれ以上意地で動こうとするのもだが、それで無理に志保をこちらに連れてくることが出来ても仲良くなんて出来る筈がない・・・と阿笠が諦めたように言ってきたことに、新一ももう流石に諦めるしかなかった。新一としてはまた志保と仲良くしたいとは思いはしても、今以上に志保の気持ちが離れてしまえば金の事を優作達や阿笠に頼んでどうにかするというのを加えても何の為に戻したのかとなるために。

だからこそ新一は志保の事をもう仕方無いものと納得しきれていないながらも考えることにして、元の生活に戻れるようにと動いていくようにしていったのだが・・・その生活の中で最も納得出来ていないと共に、もうどうしようもないと思う事があった。それは小五郎が探偵を辞めたこと及び、前のように会いに行けば気楽に会えるみたいな事がなくなったことだ。

・・・小五郎が探偵を辞めた後の事に関しては組織の壊滅をするまでは阿笠に連絡をする形で度々聞いてきたが、実際に米花町に戻ってきて毛利探偵事務所の元にまで行くと事務所だった場所が別の人物のテナントとして貸し出され、もう探偵事務所でなくなった様子を見て本当にこうなったのだと愕然としたものだった。

ただ一応小五郎と蘭の住む場所までもは変わっていなかったことは聞いていたから安心はしていたが、それで蘭には会えても小五郎とは簡単に会えなかった上で会えても素っ気ない態度で返されたことに複雑な気持ちを抱く以外になかった・・・探偵を辞めた小五郎は大殿のツテを経由して都内のとある会社に勤める事になったが、通勤の為に時間を費やす事に住みかにいる時間が単純に少なくなったことから蘭も会話が出来る時間が取れなくなった上で、ようやく会えた小五郎と会話をしても蘭と会うことはお前らの事だから止めることは出来ないが、もう探偵は辞めたしおふくろから言われたこともあるから俺の所に遊びに来るのもだが事件とか探偵関連の話を持ってくるのは止めろと言われたのだ。

この事に新一はそんな固い事を言うなよと小さくされる前のように振る舞う形で軽く笑いながら返したのだが、小五郎が一切笑わず冗談でこんなことを言うかと返した上でそういったこと以外に用がないならさっさと帰れと手をヒラヒラ振られる形で追い出された・・・この事に蘭は折角新一が遊びに来たのにと憤慨したのだが、新一はその素っ気なさに小五郎の本気さを感じてしまったのだ。小五郎は本気で探偵に戻る気はない上で、事件に関わるような気は本気でないのだと。









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