・・・小五郎の母親から端を発した小五郎の探偵を辞める事及び、真の目的である『江戸川コナン』であった工藤新一を毛利家から追い出すことが成功した時から時間が経った。

そんな工藤新一が毛利家を出された後から時間を元に戻る為に費やすのだが、それでも新一は元の体に戻ることは出来た。その事自体に新一には否やはなかったが、そこでの事に関しては正直な所で納得していなかった・・・それはいくつかポイントはあるが、真っ先に挙がる点は優作がいたことにより組織の壊滅が大いに早まったと明らかに分かったことだ。

何故優作がいたことによりそうなったのかと言えば、単純な話として『江戸川コナン』として毛利家に留まれなくなったことに加えて、戸籍がないことはつまり海外に渡るのに必要なパスポートもないこと・・・そして灰原が散々言ったことから下手に目立つこともまた望まれない以上、新一の気持ちを優先する形で一人でやりたいようにやらせることはしない方がいいということもだが、もう優作も新一と共に行動して組織の壊滅の為に尽力する方がいいとなったからだ。

これは毛利家という寄る辺を失った新一を『江戸川コナン』として誰かに託すことが難しいと見たこともそうだが、優作ももう流石にこれ以上新一一人の好きにさせても良くないというか、下手にまた『江戸川コナン』関連でボロが出ないように組織を早く壊滅させるよう自身も参加した方がいいと判断したが故だ。ただ新一はそんな判断についてジョディ先生達に話を通してどうにかしてもらうから、心配せずに仕事もあるだろうから海外に戻ればいいというように言った・・・ただこれは新一からして全く気を使ってないというわけではないにしても、優作と一緒にいたくないとかその手を借りたくないという気持ちがあることは優作は強く感じ取っていた。

だが優作はそんな気持ちを承知した上で新一が『江戸川コナン』である時間を減らすこと及びボロを出させないようにするためには、組織を早く壊滅させて薬のデータを手に入れる事が最優先であるから自分もそうするために力添えをする・・・そう言われて新一は渋々頷かざるを得なかったのだが、そうして優作が入ったことにより組織を追うこと及び壊滅の為の時間が劇的に早まったのは、新一を始めとして組織を追っていて壊滅を狙っていた面々の誰もが認めるところだった。

これに関しては単純に優作の推理力が新一よりも高かったことがあったのだが、だからこそ新一としては組織の壊滅や元に戻れたことはまだいいが、自分がそういったように出来なかった事に気持ち良くないと感じてしまったのだ。組織が壊滅したことに元の体に戻れたからそれでいいと思うように努めてはいるがだ。

・・・そういったことから新一は優作のことを嫌ってこそはいないが、何とも言えない気持ちを抱くことになった。だがそこに関しては自身の気持ちだからという事で新一は有希子の事もあるから口にはしていないが、次に納得していない事が何なのかと言うと灰原・・・いや、もう今となっては宮野志保に戻ったが志保が元の体に戻った後に即行で阿笠の元を出てＦＢＩの所に行くと共に、携帯を阿笠に返してもう連絡を取れないようにしたことだった。









.