危機感の喪失に対する対処(裏)

「・・・この事に関しては私も博士と同じように感じていた部分があるのは確かだったし、最初は警戒をしていたけれど次第に私もどこか楽観的でいて大丈夫だという気持ちを抱いていったわ。でも今回の事であくまで運が良かったからそんなことが続いてきただけと見て、そしてその運が良かったからこそ工藤君達は不満に思うかもしれないけれどこのくらいで済んだのよ・・・それこそ組織にバレるような事になったならと考えたら、遥かに今の方がマシと言えるレベルでね」
「そ、それは・・・そう言われてみれば否定は出来んが、その事は新一達に哀ちゃんは伝えるのかのう・・・?」
「むしろ伝えないといけないでしょうね。工藤君達が今頃どんな風に話し合っているのかは分からないけれど、下手に何も私達が知ってないのを計算された策を思い付かれて勝手に実行されたら、その中身次第じゃ今以上に酷いことになりかねないわよ。今はまだ工藤君だけの事で済んでるけど、今度は私の事まで捜索されてその追求が来る形でだとかね」
「そっ・・・そんなことになったら・・・!」
「今回はおじさん達の為にと言うこともあってそれらは表沙汰にされなかったけれど、そうなったら次に大殿さんが容赦してくれるとはとても思えないわ・・・今度は工藤君も含めて事実を表沙汰にするなんて事になる可能性は一気に高くなるでしょうね」
「っ!!」
そうして灰原が運が良かったから今のようにで済んだと首を振る様子に阿笠は恐る恐ると連絡についてどうするのかを聞くが、むしろしなければどうするかというようにもしもの可能性についてを返されるとすぐに息を詰まらせた。次が本当に色々な意味で最後になることも有り得るという中身に。
「だからこの後にすぐに工藤君達に連絡して事の経緯もそうだけど、これからは今までのように事件の解決の為に必要だったからなんて理由程度なら、公に顔を出すような事だとかを避けるように言うべきよ・・・今回はあくまで大殿さんが相手だったから運良くこんな結果で済むくらいだったけれど、おじさんの元を離れた状況で下手に目立つようなことをしたらマスコミが突っ込んできておじさん達に迷惑をかけるだったり、おばあさんや大殿さんがまた厳しい目を向けてくる可能性もそうだけど・・・下手な言い回しでマスコミだったりを煙に巻こうとしたら、大殿さんのように『江戸川コナン』を怪しんでその存在のルーツを辿ろうと思う人が出てこないとも限らないとね」
「そっ!?そんなこと・・・!」
「大殿さんという存在が出てきた事もあるからそれを否定出来ないこともそうだけど、目立つこと自体がこれからの工藤君にとってもリスキーになるから避けてもらいたいと思って言ってるのよ。もしそんな風な事がマスコミが調べあげたから出てきたなんてことになったらもうどうあがいてもおしまいなのが確定なのは、いくら大袈裟だって否定したい博士だって分かるでしょう?」
「うっ・・・」
そしてそんなことに続く流れがこれからの行動次第で出てきかねない・・・そういったように話した上でどう考えてるのかを投げ掛ける灰原に、阿笠は否定したそうだったが言葉を詰まらせてうつむく以外になかった。今まではマスコミがその方面で動くことはなかったが、そういった方向に動けば止めようがなくなりどうしようもなくなる・・・そう阿笠も否応なしに感じてしまった為に。









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