危機感の喪失に対する対処(裏)
・・・それで大殿は先にホテルを出て阿笠邸に向かって、優作達同様に驚く阿笠に有無を言わさないように家の中に入れてもらい、話をしていった。尚その際には灰原も阿笠邸にいたのだが、阿笠はその場にいないようにと言って場から離しておいた。
それで一対一という構図で話をしていった阿笠だが・・・結論を言ってしまうと話は優作達のところでしたような形になり、その上で既に優作達がどんなことになったのかを聞いた阿笠は取り繕うことも出来ずに愕然とした表情を浮かべるしか出来なかった。そこまで知られていたことや大殿が取った対処のこともあるが、何よりそれで優作達がもうぐうの音も出ないような形で黙らされたことを聞かされたことで、もう阿笠もどうしようもないと分からされたためだ。
それで大殿が最後にこれ以降小五郎達を利用することに関しての牽制をかけた上でもし何か動いたなら、『江戸川コナン』関連の事を小五郎達に話すようにする・・・そう言われた阿笠は諦めたようにもう何もしないというように頷くしか出来ず、家を出る大殿をただ見送るしか出来なかった。
「・・・行ったようね、大殿さん」
「哀君・・・」
・・・そうして玄関で大殿が出ていったのを見送った阿笠の後ろから腕組みをした灰原が来て、阿笠は複雑そうな顔を向ける。
「話は扉越しに聞いていたわ。そしてそれを聞いた私の率直な感想を言わせてもらうなら、大殿さんが予想以上に優れた人だったというのを差し引いても私も含めて工藤君達が迂闊だと言わざるを得ないということよ」
「哀君も、含めて・・・?」
「代表的な事は戸籍のことよ。工藤君は元の体に戻るまでの一時しのぎのつもりでいたから偽物でも戸籍を作るつもりは無かったのでしょうけど、大殿さんは『江戸川家』の事を調べて戸籍が無いということを突き付けてきた・・・工藤君をおじさんから離すという目的の中に私は関係無かったから私は調べられてなかっただけなのだろうけれど、私のことも調べられていた上でそれを盾にして大殿さんが話した以上の目的や要求を出されたなら・・・複数人の協力があることを考えるとそれを拒否出来ないことに加えて、相当な要求をされても断ることなんかまず無理な状態にしかならないと思うわよ」
「ま、まさかそんな・・・」
「今のはあくまでも例えよ。でも工藤君の事だけでも大殿さんはおじさんのことだけじゃなくてそういった要求を出すことは出来ただろう事を考えると、今回のこの結果はまだ全然マシで済ませられるような物よ。それこそ工藤君の事だけでもマスコミに広めるかもう広めたみたいな事になっていたなら、どうしようもないとかそんな程度の言葉で済ませられない事になってたと思うわ」
「っ!?」
そんな阿笠に話を聞いていたことを灰原は告げた上で自分達は迂闊だという話をしていくのだが、その中身に阿笠は驚愕に目を見開いた。もしもの可能性を聞くだけでもいかにまずい事になりかねないか・・・その事を灰原の言葉で感じてしまった為に。
「・・・今言ったことは大殿さんの目的がそんなことじゃなかったからそんなことにはならなかったけど、大殿さんじゃない人が工藤君や私の事を知ってそういったことかそれ以上の事を要求してきた可能性も有り得た・・・そういったことを考えると特に工藤君に言える事として、顔や名前を公にし過ぎた上で自分達の事はバレる事はないと過信していた迂闊さがあったと私は言いたいのよ。そんな子ども一人の事を怪しむような存在などいないとタカをくくった結果が今であることを考えると、そんなことはないと博士も否定出来ないでしょう?」
「っ・・・確かにそう言われると、それは否定出来ないか・・・わしもわしで新一が元に戻るまで、今までの感じでずっと行くと思っていたからのう・・・」
更に続く話の中身とそこからの灰原の問い掛けに、阿笠も苦々しげながらも否定を返せなかった。それこそ新一の事が片付くまで新一が小五郎の元から出るというか、追い出されるような事など一切想像していなかった為に。
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それで一対一という構図で話をしていった阿笠だが・・・結論を言ってしまうと話は優作達のところでしたような形になり、その上で既に優作達がどんなことになったのかを聞いた阿笠は取り繕うことも出来ずに愕然とした表情を浮かべるしか出来なかった。そこまで知られていたことや大殿が取った対処のこともあるが、何よりそれで優作達がもうぐうの音も出ないような形で黙らされたことを聞かされたことで、もう阿笠もどうしようもないと分からされたためだ。
それで大殿が最後にこれ以降小五郎達を利用することに関しての牽制をかけた上でもし何か動いたなら、『江戸川コナン』関連の事を小五郎達に話すようにする・・・そう言われた阿笠は諦めたようにもう何もしないというように頷くしか出来ず、家を出る大殿をただ見送るしか出来なかった。
「・・・行ったようね、大殿さん」
「哀君・・・」
・・・そうして玄関で大殿が出ていったのを見送った阿笠の後ろから腕組みをした灰原が来て、阿笠は複雑そうな顔を向ける。
「話は扉越しに聞いていたわ。そしてそれを聞いた私の率直な感想を言わせてもらうなら、大殿さんが予想以上に優れた人だったというのを差し引いても私も含めて工藤君達が迂闊だと言わざるを得ないということよ」
「哀君も、含めて・・・?」
「代表的な事は戸籍のことよ。工藤君は元の体に戻るまでの一時しのぎのつもりでいたから偽物でも戸籍を作るつもりは無かったのでしょうけど、大殿さんは『江戸川家』の事を調べて戸籍が無いということを突き付けてきた・・・工藤君をおじさんから離すという目的の中に私は関係無かったから私は調べられてなかっただけなのだろうけれど、私のことも調べられていた上でそれを盾にして大殿さんが話した以上の目的や要求を出されたなら・・・複数人の協力があることを考えるとそれを拒否出来ないことに加えて、相当な要求をされても断ることなんかまず無理な状態にしかならないと思うわよ」
「ま、まさかそんな・・・」
「今のはあくまでも例えよ。でも工藤君の事だけでも大殿さんはおじさんのことだけじゃなくてそういった要求を出すことは出来ただろう事を考えると、今回のこの結果はまだ全然マシで済ませられるような物よ。それこそ工藤君の事だけでもマスコミに広めるかもう広めたみたいな事になっていたなら、どうしようもないとかそんな程度の言葉で済ませられない事になってたと思うわ」
「っ!?」
そんな阿笠に話を聞いていたことを灰原は告げた上で自分達は迂闊だという話をしていくのだが、その中身に阿笠は驚愕に目を見開いた。もしもの可能性を聞くだけでもいかにまずい事になりかねないか・・・その事を灰原の言葉で感じてしまった為に。
「・・・今言ったことは大殿さんの目的がそんなことじゃなかったからそんなことにはならなかったけど、大殿さんじゃない人が工藤君や私の事を知ってそういったことかそれ以上の事を要求してきた可能性も有り得た・・・そういったことを考えると特に工藤君に言える事として、顔や名前を公にし過ぎた上で自分達の事はバレる事はないと過信していた迂闊さがあったと私は言いたいのよ。そんな子ども一人の事を怪しむような存在などいないとタカをくくった結果が今であることを考えると、そんなことはないと博士も否定出来ないでしょう?」
「っ・・・確かにそう言われると、それは否定出来ないか・・・わしもわしで新一が元に戻るまで、今までの感じでずっと行くと思っていたからのう・・・」
更に続く話の中身とそこからの灰原の問い掛けに、阿笠も苦々しげながらも否定を返せなかった。それこそ新一の事が片付くまで新一が小五郎の元から出るというか、追い出されるような事など一切想像していなかった為に。
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