危機感の喪失に対する対処(裏)

この遠回しなやり方に関して小五郎も否定したそうではあったが、蘭の考え方を思えばもしもの事を考えれば慎重にならざるを得ないと共に、英理も交えた時の反応からそれが間違いではなかったのだと後で大殿に漏らした。あれだけ渋るような姿を考えたらとても蘭を信用出来る物ではないと。

そしてそこに更にダメ押しをかけたのが優作達が極秘という形で動いていったことや、先程の会話での事だ・・・話をした大殿は勿論の事だが、隠れてその会話の中身を聞いた小五郎もハッキリともう優作達を信用出来ないと思うようになったのだが・・・優作達が明らかにやむにやまれない何か訳ありの事情から『江戸川コナン』の事で行動しているだろうと雰囲気は感じれたが、蘭がこの事を知ったなら何故なのかという事実を聞かなければ引かないといったことになるのは言葉にしないながらも確実だと感じたのだ。

・・・一応というか大殿もそうだが小五郎も何故優作達がそういった行動を取ったのかに、その訳についてを問い質したいという気持ちは互いにあると部屋に突入する前に話をした。大殿に関しては隠しているがその理由に関して単純に知りたいという気持ちがあるし、小五郎としては昔からの仲だからこそどうしてか教えてほしかったという気持ちが。特に小五郎は二人の事を友人だと思っているからこそ殊更にそういった気持ちが沸き上がった。

だがそれらの気持ちを抑えたのは母親の気持ちがあることもそうだが、訳ありだから協力してほしいということを言ってくることが無かったどころか、何も言わずに済ませて逃げようとした事は何らかの理由から事実を言えなかったにしても、『江戸川コナン』の事を何も言わないままに小五郎に世話やら何やら思惑を押し付けたことに他ならない・・・それはどういった言い分があっても小五郎達をただ自分達の為に利用したことに他ならないという大殿の真剣な言葉で、小五郎も相当に表情を苦痛そうに歪めながらももう優作達を問い質さないと頷いた。今まで優作達を信じていたが、そういったように聞かされてしまうと、もう優作達の事を信用など出来る筈がないからそうしないし以降は積極的に関係を取ることはしないと。

だが蘭はそんな小五郎の気持ちや言葉を聞いたとしても、蘭の反応は言いたいことは分かるけれどやっぱり何かあるんならそれを助けないわけにはいかないと言うだろう・・・それが理屈としても自分達と工藤家の関係性としても正しいのだというような風に。だがそれが新一が好きだからにその新一の両親達が困っているのだから、細かいことを気にするのがおかしいというような自分の気持ちや優先したい物を優作するためという感情だけの物だ。

しかしそれを指摘してもそんなことないと言うこともそうだが、仮に認めたとしても蘭が開き直るだろうことは小五郎達も想像が出来た・・・それが悪いかにむしろそんなことを気にして優作さん達が困ってるのを見捨てるつもりかというように言って、何も言われずにこられたのは蘭もそうだということなど気にも止めずだ。

そしてそうなれば優作達も形振り構わず逃げるといった手段を取るか、最早黙っていられないと事実を明かすかの二択を迫られる事だろうが・・・事実を明かされたなら蘭はおばあちゃんの気持ちは分かるけど、もう気にしないで新一達と関わっていくと言い出すことだろう。そこに小五郎の気持ちを気にせず巻き込んでくる可能性も含む形でだ。

だが重ね重ね言うようだが大殿は小五郎の母親よりの要望で来たのだし、小五郎もその為に探偵を辞めると決めたのだ。将来的に新一と結婚して毛利家を出ていってからならまだ諦めがつくからともかく、それまでの間に同じようにかそれ以上の事になられても困る・・・だからこそあくまでも遠回しに事を進めていったのである。元々の目的から大きく離れた事態にならないようにするための予防として・・・









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