危機感の喪失に対する対処(裏)

「・・・まぁそうなったとしたなら本人の意思もあるから、もう君達は割り切る以外に無いだろう。昔の時代なら当人が望む望まないに限らず親が結婚相手をあてがう事はあったが、今の時代でそのようなことは望まれないというのもある上で蘭ちゃんは新一君でなければ嫌だと余程でなければそう言うだろう。だからこそというのもなんだが、そうなった時には親類から誰か君の元に養子を出すことにすると言っただろう?」
「えぇ・・・そうなったらもう表向きはともかくとしても工藤家の一員となった蘭と関わるのは事件に巻き込まれる可能性が高くなるし、お袋に蘭を諦めてもらうって意味もだし俺の代の毛利家を存続させるって意味でもそうするってことは承知しています」
ただ一応というよう打開案として養子を出すことについてを口にする大殿に、小五郎もそこは理解していると表情を引き締めて頷く。






・・・余程でなければ蘭と新一の結婚は確実。そういったように考えるからこそ、せめてどうにかダメージを少ないようにというように大殿と小五郎は考えていった。特に小五郎の母親の事を考えれば蘭と新一との関係を無理矢理にでも引き裂くようなことをしても、余計にまた関係がこじれるだけということになりかねないということもだ。

だからこそどうするかと考えた結果として言い方を取り繕うこと無く言ってしまうともう蘭のことは諦めると共に、小五郎が大殿の選んだ親類の誰かを養子に取ることでもう蘭もそうだし工藤家との関係の区切りをつけるべきと話をしたのだ。

これは特に蘭について言える事としてその時には時間が経ったことや新一が戻ってきた事、そしてその新一と結婚して一緒になったんだからということで事件に巻き込まれても大丈夫だ・・・というように言い出して悪意無く小五郎達を巻き込んで行動してくることを考えてだ。

蘭からすれば新一がいるならという信頼や愛情からの気持ちで大丈夫と言うだろうが、もう今の時点でハッキリと言える事として小五郎達には工藤家全体を含めて信頼を向ける気など一切無い・・・だがかといってその時の蘭に改めて話して説得などしようとしても、その性格を考えれば無駄どころか却って溝を深めることになりかねない。お父さん達の考えは間違いだとかいうような形でだ。

だからそういったことを踏まえて新一と結婚をしない道を選ぶならそれを歓待するようにはするが、そうでないならいっそ蘭の事を諦めると共に蘭も含めて工藤家との関わりを出来る限り薄くした上で・・・大殿が紹介する親類の者から養子を取るということにしたのだ。

この養子を取るというのはどういうことなのかと言えば、元々小五郎には子どもが蘭しか子どもがいない事から婿を取れなければ蘭で毛利家の家系は途絶える事になる・・・だが蘭が嫁に行ったことからそれを避けるために養子を取ったという事から、小五郎達は嫁に行った蘭を気にかけるよりその養子に意識を集中させるためという名目で工藤家との関わりを薄くする予定でいる。そして小五郎の母親が主にという形で死んではいないにしても、もう蘭はいないものとして考えるようにとするための処置としようと。

この養子に関しては大殿の親類にはそうなった時に事情について話をする形でいるし、無理強いをするつもりもない。ただ親類はそれなりに数がいることもあるし、東都という日本の中心で活動したいと思う者もいる・・・それ故に話し合いをちゃんとすれば小五郎とも協力体制を取れるだろう上で、工藤家との関係を薄く出来ると見越したのだ。大殿が養子の件に関わっているのもあって、工藤家側からしたら下手に小五郎に関わり続けようとしたらまた大殿や小五郎の母親が出てくるのではないかという牽制の効果もあると見てだ。









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