危機感の喪失に対する対処(裏)

‘ピンポーン’
「・・・何だ、こんな早朝に?ルームサービスはもう下げてもらったし、誰かに来てもらう約束もしていないんだが・・・」
しかしそうしようとした矢先にチャイムが鳴ったことに、優作は誰も来る筈がないと不思議にしつつ入口へと向かう。
「・・・どなたでしょうか?」
『あぁ、すみません。私、大殿という者ですが』
「っ!?」
そうして優作が応対するのだが、そこでインターフォン越しに聞こえてきた声と名乗った名前に新一は驚愕に表情を染めた。その名もだが声も数日前に会った大殿そのままだということを鮮明に理解した為に。
『どのような用かなのですが、すみませんが部屋に入れてはいただけないでしょうか?・・・この部屋にいるのは工藤優作氏に有希子夫人、そして江戸川コナン君だということは分かっています。私としてはここで話をするだけに留めておきたいのですが、拒否をするというのであればコナン君を連れていったのはコナン君の両親ではなく、貴殿方夫妻だという証拠の写真を持って小五郎の元に向かわせてもらいますが・・・』
「っ・・・・・・分かりました・・・少々お待ちください・・・」
更にインターフォン越しの大殿は用向きについてを話していくのだが、柔らかな声ながらも有無を言わさないと拒否をした場合の事を持ち出されて優作は苦い顔を浮かべて少しの間を置いた後にそうすると返す。
「お、おい父さん・・・」
「・・・今下手に大殿さんの言うことを断るだったり、新一の持つ麻酔銃で眠らせてから逃げるなどしたなら間違いなくその後に大殿さんは我々の事を信用出来ないといったように毛利さんに言うだろう・・・そうなればあの家に戻ることは出来ても、もう毛利さん達とは同じように交流など出来なくなるのは確実だ」
「っ・・・だから一先ずここは大殿さんと話し合わないといけないってことか・・・」
「あぁ・・・何の為にここに来たのかのその理由次第では、毛利さん達には話が行かないように出来るかもしれないからな・・・」
そんな優作に新一は近寄り小声で何故というように話し掛けるのだが、その声に答える優作の様子もあまり晴れないといった感じであった。実際は会いたくないが会わざるを得ない上で、言葉では希望はないとは言わないが何か嫌な予感を感じているという様子で・・・






・・・そうして優作は観念したように大殿を部屋の中に入れ、三対一の形で向き合うようになる中で新一が本物の大殿だという事を認識して苦い気持ちを必死に噛み殺すような表情を浮かべた。
「数日ぶりだね、コナン君。と言っても私がここに来たことに関してだったり、色々と思うところがあるといった様子だね」
「っ・・・」
「ふむ、やはり私の事を警戒しているか・・・ここにこうして私が来ていることから何をしに来たのかとね。ただ私が何をしに来たのかの核心についてを先に話させてもらうなら、君のことについて小五郎の元にまた戻すみたいなことにはしないようにするためなんたよ」
「・・・え・・・?」
大殿はそんな様子を苦笑といったように笑いながら話をしていくのだが、目的の核心という中身に新一はキョトンとした顔を浮かべた。
「えっと・・・どういうことなんですか、大殿さん・・・?」
「数日前に小五郎の元を訪れて話を聞いた時から考えていたんですよ。もし親元に一時は戻るというように話を進められても、話に聞くコナン君の性格を考えれば自分は大丈夫だからと言い出すことに、万が一そんなコナン君の言葉にそうしようと小五郎の元にまた顔を出して預かってくれと親御さんは言うことも可能性としてないのではないかとね」
「「「っ・・・」」」
有希子がその中身についてどういうことなのかと問うが、大殿が考えたというコナンの取るというか言い出しそうと思ったとの話の中身に、三人は揃って何とも言い難いといった表情を浮かべた・・・大殿の考えは灰原が止めてなければ新一はそうするようにと動こうとし、優作達は何だかんだ気持ちは分かると言いつつも新一の考えを優先していただろう事は確かだったろうと見て。









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