危機感の喪失に対する対処(裏)

「・・・世話になってる身である事もだけど、そもそもの工藤君が小さくなった元凶である私が言っていい事かと言われるかもしれないけれど、それでも工藤君があんな形で動いてきたことに関しては、博士がそうするべきだって言い出したことが原因だということは間違いない事実よ。そしてそうして工藤君が毛利家に入り込んで確かに組織に近付くことが出来たり、様々な事件の解決が出来てきたと言えるかもしれないけど・・・これまでの事件もそうだし、この前の船での一件を考えたら博士はおじさん達が危機に陥ることは良くあることだとか、大したことないと思ってるみたいに捉えられるでしょうね。おばあさんが全てを聞いたら」
「うっ、そ、それは・・・」
灰原は一応の申し訳無いといった気持ちを語るがあくまでそれは前フリというように言うべき事を言っていき、阿笠が何かを返したそうにする様子に首を横に振る。
「・・・別に私はその事をおばあさんというかおじさん達に言うつもりはないわ。私が言いたいのは今回の話から思ったこととして、博士は特にという形で反省をするべきだということよ。博士からしたら悪意なんてなく工藤君の為にと思って発案して行動してきたのでしょうけど、もうこういう形になった以上は博士は工藤君が望んだとしても安易に手伝うのは止めることもそうだし、おじさん達関連でまたなんとかみたいな話になったら尚更によ」
「そ、それは・・・」
「私は絶対に工藤君を手伝うなとは言っていないわ。現に薬を作らないなら確実に彼は私に作れとずっと言ってくるだろうし、事後の事を考えたら元の体に戻らないと色々と面倒なのは目に見えているからそうするつもりよ・・・でもそれは今回の事を踏まえてもう安易にするなと言っているの。少なくともおじさんや毛利さんのように事情を知らせてないし、都合がいいからそういった人達のその立場やらを利用しようみたいなことにはさせるなとね。それでまた彼に巻き込まれるような形で事件に出会すことが普通となるような人を増やしたなら、流石に私も博士の事を見限る事になるわよ。結局博士はその話で何も感じていなかったどころか、工藤君の事ばかりを優先させて他には何も考えていなかった人だったのだとね」
「うっ・・・わ、分かった・・・流石にわしも新一の為にと、他の人に対しての考えがなかったことを理解した・・・だからこれからはそういったことはないようにちゃんと考えていくようにする・・・」
「・・・そう。ならいいわ」
灰原はそこまで言って祖母には言わないと言いつつも阿笠に対しての気持ちや考えを淡々とした口調ながらも痛烈に口にしていき、その中身に阿笠は押されるばかりになりながらも力なく頷く姿にようやく納得したというように頷く。
「・・・のう、哀君・・・わしだけじゃなく新一達にもあのように色々と言ってきた訳じゃが、それだけ君は新一や優作君達の事に思うところがあったのかのう・・・?」
「・・・それも無いわけではないわ。でも私からしたらおばあさんが家族を心配をする気持ちを分かると思ったからこそ、あくまでも工藤君の自分の都合を優先したいという気持ちに対していい加減にしてという気持ちを抱いたのよ。組織を潰して元に戻ることが大勢の人達にとってもいいことだし収まりがいいことだと思っているのだろうけれど・・・それは工藤君にとっとであって、おばあさんはそう思えないのだからもうここで終わらせるべきだって思ったの」
「・・・だからあぁ言ったということなのか・・・」
しかしそれでもまだ阿笠が新一達についてを力ないままに聞いてきたのだが、灰原が静かだが明確に強く新一への呆れを始めとした様々な気持ちを強く滲ませるその返しに力なく首を横に振った。灰原の考えもだが気持ちがいかな物かをその様子から阿笠も感じ取ったが為に。









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